ぼくと、君と、その他大勢

Charlotte

文字の大きさ
3 / 4

普通の子

しおりを挟む
「お願いだから、普通にしてて」

ぼくが、でいられるおまじない。
母さんの口癖になってる、魔法の言葉。

昔から、だと言われることが多かった。 

誰かと遊ぶよりも、ぼんやり雲を眺めているのが好きだった。
テレビを観るよりも、本の背表紙を眺めている方が好きだった。

みんなの当たり前が、うまくできなかった。
ご飯をキレイに食べられなかった。
字が上手に書けなかった。
男の人が女の人を好きになるのがわからなかった。

空は青。雲は白。桜はピンクで、紅葉は赤。

ぼくには、それがわからなかった。
空は青だけじゃない。
ぼくの目にはもっとカラフルに映ってる。
雲は白だけじゃない。
形によって、色んな色に変わってる。

母さんは、普通になれないぼくが好きじゃなかったらしい。
いつもぼくに「普通にしてて」と言ってきた。
その言葉を聞くと、不思議とになれた。

空は青くて、雲は白くて、テレビを面白いと思えた。


中学に上がる直前、母さんは家を出て行った。
後から聞いた話、母さんの不倫が原因での離婚だったらしい。




なぁんだ、母さんもじゃないんじゃん。

キレイにご飯を食べること。
上手な字を書くこと。
女の人を好きになること。

全部、普通じゃない母さんが教えてくれた普通。




「お願いだから、普通にしてて」

母さんの口癖になってる魔法の言葉。
ぼくが、いい子でいられるおまじな


【普通の子】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話

日向汐
BL
「好きです」 「…手離せよ」 「いやだ、」 じっと見つめてくる眼力に気圧される。 ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26) 閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、 一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨ 短期でサクッと読める完結作です♡ ぜひぜひ ゆるりとお楽しみください☻* ・───────────・ 🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧 ❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21 ・───────────・ 応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪) なにとぞ、よしなに♡ ・───────────・

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

あなたの夜が明けるまで

世夜美沢よよ子
BL
圭佑と聖は、ささやかな幸せを分け合いながら暮らしていた。 だがある冬の朝、圭佑は事故で突然この世を去る。 死んだはずの圭佑が次に目を覚ましたのは、二人で暮らしていたアパートだった。 時間はすでに二年が経っている。 そして彼の目の前で、恋人の聖は“終わらせよう”としていた。 声も届かず、触れることもできないまま、それでも圭佑は聖を追いかける。 やがて二人は、かつて何度も通った高台の公園へ辿り着く。 星の下で、ついに圭佑の声と姿を認識した聖は、壊れたように言葉を溢れさせる。 時間がない中で語られる、言えなかった想い。 果たされなかったプロポーズ。 「忘れてくれ」と「忘れないでくれ」の矛盾した愛。 別れのあと、聖は圭佑の言葉を胸に、生きることを選ぶ。 それは長く、静かで、確かな一生だった。 これは、 愛する人を失った夜が、朝へと変わるまでの物語。

情けない男を知っている

makase
BL
一見接点のない同僚二人は週末に飲みに行く仲である。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

処理中です...