ぼくと、君と、その他大勢

Charlotte

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普通の子

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「お願いだから、普通にしてて」

ぼくが、でいられるおまじない。
母さんの口癖になってる、魔法の言葉。

昔から、だと言われることが多かった。 

誰かと遊ぶよりも、ぼんやり雲を眺めているのが好きだった。
テレビを観るよりも、本の背表紙を眺めている方が好きだった。

みんなの当たり前が、うまくできなかった。
ご飯をキレイに食べられなかった。
字が上手に書けなかった。
男の人が女の人を好きになるのがわからなかった。

空は青。雲は白。桜はピンクで、紅葉は赤。

ぼくには、それがわからなかった。
空は青だけじゃない。
ぼくの目にはもっとカラフルに映ってる。
雲は白だけじゃない。
形によって、色んな色に変わってる。

母さんは、普通になれないぼくが好きじゃなかったらしい。
いつもぼくに「普通にしてて」と言ってきた。
その言葉を聞くと、不思議とになれた。

空は青くて、雲は白くて、テレビを面白いと思えた。


中学に上がる直前、母さんは家を出て行った。
後から聞いた話、母さんの不倫が原因での離婚だったらしい。




なぁんだ、母さんもじゃないんじゃん。

キレイにご飯を食べること。
上手な字を書くこと。
女の人を好きになること。

全部、普通じゃない母さんが教えてくれた普通。




「お願いだから、普通にしてて」

母さんの口癖になってる魔法の言葉。
ぼくが、いい子でいられるおまじな


【普通の子】
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