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剣聖の高ぶり、武神の邪心

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武神は怒っていた。何だか、主神様のからの評価も、そしてかつて引き分けたはずの剣聖からの評価も、エルセリアより低いとされたからである。

もうこうなったら、エルセリアに罰を与えちゃろ、と武神は思っていた。しかし実は、正面から戦ったら、負ける可能性があることに武神も気がついていた。

そこで、セコく、剣聖が神降ろしを使った時に、こっそり地上に顕現し、後ろからなぐっちゃろ!とおもっていたのだ。思ったよりセコかった。とはいえ、武神は、神であるから気配は人からさっちはできないはずである。これで思い上がったエルセリアをノシて、リリアーヌに恩を売り、いずれペロペロする予定であった。武神は、もうずっと独り身で、というより、そのような経験がなく、すべてを拗らせていたのだ。ペロペロのために!彼のテンションは言言突破するのであった。

そして、訓練の3日目、ついに、剣聖が姿を現した。剣聖と呼ばれているが、その実力は既に剣神といってもいいほど極まっていた。過去の剣聖史上、最高傑作。それがリリアーヌであった。その姿勢は、もし、日本にあれば、香とも意気投合できたであろう。

エルセリアは、前以上に気を引き締めて、ゆっくりと型をなぞり、動きを確認していた。彼女の見立てでは、向こうは連撃を使えるはずであった。それも極端に間と間が短いもので、あたかも1つのものとして感じらるほど早く出せるはずであった。香も連打には自信があったので、どれだけ自分が理想と近づいたか試すつもりでいた。

「えー今日は、副団長も昨日、腰を抜かし・・・調子を崩したんで、あっし、3番隊の隊長のギースがつとめさせていただきます。1番隊の隊長も2番隊の隊長も体調不良ということでして拙い審判ではありますが、よろしくお願いいたします。」

みんなギースに同情した。いくら遠くから審判しても、エルセリアの拳は、遠くに届く。それに当たって副団長は、漏らして腰を抜かしたのである。1番隊の隊長も2番隊の隊長も部下の前でお漏らしさんになりたくなかったのだ。

ギースは漏らすのが趣味みたいなところがあり、その変な性癖から常日頃からオムツをしているので問題はない。それも単に人前で脱糞するのが快感だという理由だけである。そして、今日は、その快感を極限まで味わえると、ギースも、リリアーヌやエルセリアに負けないぐらいワクワクしていた。全く別の次元のワクワクであるが。

ギース、恐ろしい子!
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