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第十話:桜の下、歩き出す
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3月、卒業式の日。
校庭の桜が咲き始め、淡いピンクの花びらがそっと開く。
体育館は卒業生のざわめきと保護者の拍手で満ち、壇上の校長の声が響く。
彩花は薄いメイクで制服の襟を正す。軽いファンデ、淡いリップ。鎧はもうない。
美奈の怒り、噂の視線、受験の重圧。
その全てが昨日までの自分を形作った。
今でも胸の奥に恐怖は残るが、逃げないと決めた。
式が終わり、在校生に見送られながら体育館の外へ出る。
桜の木の下でクラスメイト達が写真を撮り合う。
笑顔、涙、抱き合う姿。
彩花は皆と少し離れて立つ。
凛子と陽太が近づいてくる。
「彩花ちゃん、写真撮ろう!」
陽太の声は明るい。
凛子がスマホを構える瞬間、ざわめきが広がる。
大女優である凛子の母親が現れる。
黒いサングラス、シンプルなスーツ。いつも凛子の舞台を撮りに来ているチーフマネージャーも隣に。
実は20年来のファンだという教頭先生がにじり寄るように近づき、「サイン…いただけますか?」。
母親は微笑み、ペンを取る。
教頭の嬉しさを隠しきれない笑顔が春の空気に馴染む。
彩花は微笑む。凛子の喜びが、友達として嬉しい。
視線を感じる。美奈。陽菜と立ち、彩花を見る。鋭い視線、でもどこか穏やか。去年の9月、秋の柔らかい光が差し込む教室での記憶がよみがえる。汚された机、廊下の笑い声、美奈の震える背中。「自己満でしかない」と突きつけられた謝罪。彩花はグループにいた。下っ端で、仲間から適当に扱われながら、ただ見ていた。止めなかった。美奈が近づく。彩花は息を吞む。逃げない。美奈は静かに言う。
「あんたやあいつらのことは許さない。あの時のことはずっと消えない」
彩花は頷く。言葉は出ない。美奈は続ける。
「でもいつまでもそんなことに囚われていたくない」
声は硬いが軽い。彩花は目を伏せる。美奈は一瞬目を細め、「許したわけじゃないから!」と吐き捨て、陽菜と去る。和解ではない。でも、終わった。彩花の胸が軽くなる。
後から聞いた話だ。去年の9月、彩花が教室で美奈と話した日の帰り道。陽菜は校門を出た美奈を追いかけ、落ち葉が舞う秋の夕暮れの道で並んで歩いた。陽菜の声は静かで、涼しい風のように穏やかだった。「美奈の気持ち、ほんとにわかるよ。あんたが彩花を見て、あの時の傷を思い出すこと。簡単には消えないよね」。美奈は目を伏せ、唇を噛んだ。陽菜は続けた。「彩花は直接いじめてない。ただ見てただけ。でも、それは他のクラスメイトだって同じだよ。止められる人なんて、ほんの一握り。相当な勇気がいる」。陽菜の目は、美奈の痛みを映していた。「正直、彩花が悪くないとは言わないよ。でも、今の彩花がみんなから突き放されてる状況、あれって彩花がしたことと釣り合うのかな。陽菜、正直わかんない」。美奈の肩が小さく揺れた。陽菜はそっと並んで歩き、言った。「美奈が辛かったこと、ちゃんとわかるよ。陽菜、ずっとそばにいるから」。美奈は黙ったまま、夕暮れの道を歩いた。陽菜の言葉が、静かに美奈の心に響いた。その寄り添いが、美奈の「囚われていたくない」につながった。陽菜の優しさは、彩花の知らないところで、ほんの少し心を動かしていた。彩花は陽菜に心から感謝した。美奈の傷、自分の責任は消えない。でも、陽菜の温かさが、終わらせてくれた。咲き始めの桜が、春の風に揺れる。
校庭は春の光に満ち、咲き始めの桜の花びらが舞う。卒業生の笑い声、別れの抱擁が響く。彩花は桜の木の下に立ち、制服の袖を握る。美奈との対話、陽菜の言葉が響く。許されなかった過去。でも、終わった。薄いメイクの顔に、春の風が触れる。
凛子が笑顔で近づく。「彩花、母さん来てくれた!」。大女優の母親がサングラスを外し、凛子を見つめる。チーフマネージャーが笑う。「凛子の文化祭動画、1日に何回も見てるよ。ダメ出ししたり、目潤ませたり」。母親は「余計なこと言わないで」と睨む。凛子は微笑む。「母さん、いつも見ててくれてたんだ」。母親は凛子の肩に手を置き、「あんたの舞台、ちゃんと見なきゃね」。彩花の胸が温まる。凛子の喜びが嬉しい。
陽太が飛び込む。「彩花ちゃん、大学違うの寂しいー!」。彩花は笑う。「凛子と同じだから、いいじゃん」。陽太は「俺、先生目指すぜ!」。彩花は「似合うよ、陽太くん」。陽太は照れ笑い。彩花が言う。「大学でも、3人でご飯食べに行こう」。凛子が笑う。「4人でしょ?」。彩花の顔が熱くなる。凛子の視線が悠斗を捉える。陽太が「お、いいね!」。春の光が3人の絆を照らす。
凛子が続ける。「劇団の見学行ったり、入団試験受けてる。いつか舞台に立てたら、彩花、観に来てね」。彩花は「約束。楽しみ」。陽太が「彩花ちゃんも輝けよ!」。2人がいたから、逃げなかった。
視線を感じる。悠斗。桜の木の根元に立ち、彩花を見る。走馬灯のように、思い出が駆け巡る。あの夜の「大丈夫?」、図書室の無言、駅までの距離。恋の苦しさで、胸がどうしようもなくギューっと締めつけられる。転校時の目が合った瞬間から、ずっと好きだった。素顔に自信はない。でも、伝えたい。凛子に言う。「私、気持ち伝えてくる!」。凛子は微笑む。「彩花なら大丈夫、ちゃんと届くよ」。彩花は深呼吸し、悠斗に駆け寄る。咲き始めの桜が舞う。
夕暮れ、駅までの道。咲き始めの桜の花びらが歩道に散る。彩花と悠斗は並んで歩く。触れるか触れないかの距離。街灯がともり、春の匂いが鼻をつく。彩花の心は跳ねる。去年の9月、秋の柔らかい光が差し込む教室で美奈と向き合った。「自己満」の言葉、陽菜の帰り道での寄り添い。美奈の「囚われていたくない」、凛子と陽太の絆。自分を許せない気持ちは薄れた。中学の濃いメイク、噂の視線、受験の重圧。間違っていた自分。でも、歩いてきた。同じ大学、新しい春が待っている。恋の苦しさで、胸がギューっと締めつけられる。彩花は立ち止まる。悠斗が振り返る。彩花は顔を上げ、震える声で言う。
「悠斗くん、私、ずっと好きだった。転校してきた時から、たぶん」
素顔の自分、自信はない。でも、伝えたかった。悠斗の目が揺れる。あの夜の「大丈夫?」、繋いだ手の温かさ。悠斗は黙って彩花を抱きしめる。耳元で、囁く。「めっちゃ嬉しい」。彩花の顔が熱くなる。顔を上げると、悠斗の顔も赤い。恋愛未経験の心が、溢れる。彩花は意地悪に微笑む。「ところで、私の名前、知ってる? 一度も呼ばれたことないから」。悠斗が一瞬固まり、照れながら言う。「藤原彩花さん、僕も好きです」。フルネームの不器用さに、彩花の胸が温まる。悠斗が続ける。「彩花と同じ大学、受かった。ずっと一緒にいられるよ」。彩花は頷く。「よろしくお願いします」。
凛子と陽太が駆け寄る。「彩花! やったじゃん!」。陽太が叫ぶ。「悠斗くん、ナイス!」。凛子が笑う。「ほんと、良かったね、彩花」。4人は笑い合う。咲き始めの桜が舞う。陽太が凛子に、聞こえるように言う。「彩花ちゃんの性格的に絶対聞かないと思うからさ、俺から聞こうと思うんだけど、どう思う? 凛」。凛子が頷く。「いいと思う」。陽太が大声で、「悠斗ー、ずっと気になってたんだけど、あのバス停で抱き合ってた女の子って誰? 気になりすぎて受験勉強も手につかないほどだったんだよねー」。悠斗が不器用に焦り、静かに言う。「いや、ほんと…その、誤解だから、彩花」。彩花はくすっと笑う。陽太が笑い、凛子が微笑む。
凛子が彩花を見て、軽くウインクする。「ね、彩花。みんなでごはんでも食べに行こうよ。そこでその話もゆっくり説明してもらおう」。彩花は笑って頷く。「うん、いいね」。陽太が「ハンバーグ! ハンバーグ!」と飛び跳ねる。悠斗は観念したように空を見上げる。夕暮れの空に、咲き始めの桜の花びらが舞う。4人の笑い声が、春の道に響く。何だったのか、誰もまだ知らない。でも、今は、この時間が全てだ。
校庭の桜が咲き始め、淡いピンクの花びらがそっと開く。
体育館は卒業生のざわめきと保護者の拍手で満ち、壇上の校長の声が響く。
彩花は薄いメイクで制服の襟を正す。軽いファンデ、淡いリップ。鎧はもうない。
美奈の怒り、噂の視線、受験の重圧。
その全てが昨日までの自分を形作った。
今でも胸の奥に恐怖は残るが、逃げないと決めた。
式が終わり、在校生に見送られながら体育館の外へ出る。
桜の木の下でクラスメイト達が写真を撮り合う。
笑顔、涙、抱き合う姿。
彩花は皆と少し離れて立つ。
凛子と陽太が近づいてくる。
「彩花ちゃん、写真撮ろう!」
陽太の声は明るい。
凛子がスマホを構える瞬間、ざわめきが広がる。
大女優である凛子の母親が現れる。
黒いサングラス、シンプルなスーツ。いつも凛子の舞台を撮りに来ているチーフマネージャーも隣に。
実は20年来のファンだという教頭先生がにじり寄るように近づき、「サイン…いただけますか?」。
母親は微笑み、ペンを取る。
教頭の嬉しさを隠しきれない笑顔が春の空気に馴染む。
彩花は微笑む。凛子の喜びが、友達として嬉しい。
視線を感じる。美奈。陽菜と立ち、彩花を見る。鋭い視線、でもどこか穏やか。去年の9月、秋の柔らかい光が差し込む教室での記憶がよみがえる。汚された机、廊下の笑い声、美奈の震える背中。「自己満でしかない」と突きつけられた謝罪。彩花はグループにいた。下っ端で、仲間から適当に扱われながら、ただ見ていた。止めなかった。美奈が近づく。彩花は息を吞む。逃げない。美奈は静かに言う。
「あんたやあいつらのことは許さない。あの時のことはずっと消えない」
彩花は頷く。言葉は出ない。美奈は続ける。
「でもいつまでもそんなことに囚われていたくない」
声は硬いが軽い。彩花は目を伏せる。美奈は一瞬目を細め、「許したわけじゃないから!」と吐き捨て、陽菜と去る。和解ではない。でも、終わった。彩花の胸が軽くなる。
後から聞いた話だ。去年の9月、彩花が教室で美奈と話した日の帰り道。陽菜は校門を出た美奈を追いかけ、落ち葉が舞う秋の夕暮れの道で並んで歩いた。陽菜の声は静かで、涼しい風のように穏やかだった。「美奈の気持ち、ほんとにわかるよ。あんたが彩花を見て、あの時の傷を思い出すこと。簡単には消えないよね」。美奈は目を伏せ、唇を噛んだ。陽菜は続けた。「彩花は直接いじめてない。ただ見てただけ。でも、それは他のクラスメイトだって同じだよ。止められる人なんて、ほんの一握り。相当な勇気がいる」。陽菜の目は、美奈の痛みを映していた。「正直、彩花が悪くないとは言わないよ。でも、今の彩花がみんなから突き放されてる状況、あれって彩花がしたことと釣り合うのかな。陽菜、正直わかんない」。美奈の肩が小さく揺れた。陽菜はそっと並んで歩き、言った。「美奈が辛かったこと、ちゃんとわかるよ。陽菜、ずっとそばにいるから」。美奈は黙ったまま、夕暮れの道を歩いた。陽菜の言葉が、静かに美奈の心に響いた。その寄り添いが、美奈の「囚われていたくない」につながった。陽菜の優しさは、彩花の知らないところで、ほんの少し心を動かしていた。彩花は陽菜に心から感謝した。美奈の傷、自分の責任は消えない。でも、陽菜の温かさが、終わらせてくれた。咲き始めの桜が、春の風に揺れる。
校庭は春の光に満ち、咲き始めの桜の花びらが舞う。卒業生の笑い声、別れの抱擁が響く。彩花は桜の木の下に立ち、制服の袖を握る。美奈との対話、陽菜の言葉が響く。許されなかった過去。でも、終わった。薄いメイクの顔に、春の風が触れる。
凛子が笑顔で近づく。「彩花、母さん来てくれた!」。大女優の母親がサングラスを外し、凛子を見つめる。チーフマネージャーが笑う。「凛子の文化祭動画、1日に何回も見てるよ。ダメ出ししたり、目潤ませたり」。母親は「余計なこと言わないで」と睨む。凛子は微笑む。「母さん、いつも見ててくれてたんだ」。母親は凛子の肩に手を置き、「あんたの舞台、ちゃんと見なきゃね」。彩花の胸が温まる。凛子の喜びが嬉しい。
陽太が飛び込む。「彩花ちゃん、大学違うの寂しいー!」。彩花は笑う。「凛子と同じだから、いいじゃん」。陽太は「俺、先生目指すぜ!」。彩花は「似合うよ、陽太くん」。陽太は照れ笑い。彩花が言う。「大学でも、3人でご飯食べに行こう」。凛子が笑う。「4人でしょ?」。彩花の顔が熱くなる。凛子の視線が悠斗を捉える。陽太が「お、いいね!」。春の光が3人の絆を照らす。
凛子が続ける。「劇団の見学行ったり、入団試験受けてる。いつか舞台に立てたら、彩花、観に来てね」。彩花は「約束。楽しみ」。陽太が「彩花ちゃんも輝けよ!」。2人がいたから、逃げなかった。
視線を感じる。悠斗。桜の木の根元に立ち、彩花を見る。走馬灯のように、思い出が駆け巡る。あの夜の「大丈夫?」、図書室の無言、駅までの距離。恋の苦しさで、胸がどうしようもなくギューっと締めつけられる。転校時の目が合った瞬間から、ずっと好きだった。素顔に自信はない。でも、伝えたい。凛子に言う。「私、気持ち伝えてくる!」。凛子は微笑む。「彩花なら大丈夫、ちゃんと届くよ」。彩花は深呼吸し、悠斗に駆け寄る。咲き始めの桜が舞う。
夕暮れ、駅までの道。咲き始めの桜の花びらが歩道に散る。彩花と悠斗は並んで歩く。触れるか触れないかの距離。街灯がともり、春の匂いが鼻をつく。彩花の心は跳ねる。去年の9月、秋の柔らかい光が差し込む教室で美奈と向き合った。「自己満」の言葉、陽菜の帰り道での寄り添い。美奈の「囚われていたくない」、凛子と陽太の絆。自分を許せない気持ちは薄れた。中学の濃いメイク、噂の視線、受験の重圧。間違っていた自分。でも、歩いてきた。同じ大学、新しい春が待っている。恋の苦しさで、胸がギューっと締めつけられる。彩花は立ち止まる。悠斗が振り返る。彩花は顔を上げ、震える声で言う。
「悠斗くん、私、ずっと好きだった。転校してきた時から、たぶん」
素顔の自分、自信はない。でも、伝えたかった。悠斗の目が揺れる。あの夜の「大丈夫?」、繋いだ手の温かさ。悠斗は黙って彩花を抱きしめる。耳元で、囁く。「めっちゃ嬉しい」。彩花の顔が熱くなる。顔を上げると、悠斗の顔も赤い。恋愛未経験の心が、溢れる。彩花は意地悪に微笑む。「ところで、私の名前、知ってる? 一度も呼ばれたことないから」。悠斗が一瞬固まり、照れながら言う。「藤原彩花さん、僕も好きです」。フルネームの不器用さに、彩花の胸が温まる。悠斗が続ける。「彩花と同じ大学、受かった。ずっと一緒にいられるよ」。彩花は頷く。「よろしくお願いします」。
凛子と陽太が駆け寄る。「彩花! やったじゃん!」。陽太が叫ぶ。「悠斗くん、ナイス!」。凛子が笑う。「ほんと、良かったね、彩花」。4人は笑い合う。咲き始めの桜が舞う。陽太が凛子に、聞こえるように言う。「彩花ちゃんの性格的に絶対聞かないと思うからさ、俺から聞こうと思うんだけど、どう思う? 凛」。凛子が頷く。「いいと思う」。陽太が大声で、「悠斗ー、ずっと気になってたんだけど、あのバス停で抱き合ってた女の子って誰? 気になりすぎて受験勉強も手につかないほどだったんだよねー」。悠斗が不器用に焦り、静かに言う。「いや、ほんと…その、誤解だから、彩花」。彩花はくすっと笑う。陽太が笑い、凛子が微笑む。
凛子が彩花を見て、軽くウインクする。「ね、彩花。みんなでごはんでも食べに行こうよ。そこでその話もゆっくり説明してもらおう」。彩花は笑って頷く。「うん、いいね」。陽太が「ハンバーグ! ハンバーグ!」と飛び跳ねる。悠斗は観念したように空を見上げる。夕暮れの空に、咲き始めの桜の花びらが舞う。4人の笑い声が、春の道に響く。何だったのか、誰もまだ知らない。でも、今は、この時間が全てだ。
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