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第5話「奪われる日常」
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戦の翌日、リシアはセリナと共に村へ戻った。
かろうじて敵を退けたとはいえ、戦火の影響は容赦なく広がっていた。
広場には、王国軍の徴発官が立ち、村人たちに物資を差し出させていた。
「麦は半分を軍へ。牛と馬は一頭ずつ差し出せ」
「そ、そんな……これじゃ冬を越せません!」
「戦に負ければ冬も来ん!」
村人の悲鳴は切実だが、兵たちは冷たく荷を積んでいく。
リシアの弟・レオンが母の背に隠れながら、不安そうに姉を見上げた。
「ねえ、姉ちゃん……うちの牛まで連れてかれるの?」
「……大丈夫。私が、何とかするから」
そう答えたものの、声は震えていた。
そのとき、また心の奥にあの声が響く。
『戦に勝つには、犠牲がつきものだ。物資を奪われるのもまた戦よ』
「……そんなの、嫌」
『嫌でも受け入れねばならん。それが戦場というものだ』
ベルナルトの言葉は冷徹だ。
けれどリシアは小さく首を振る。
「犠牲を前提にしたら……何も守れない」
その夜。
リシアは村の家々を回り、徴発で泣き崩れる人々の姿を目にした。
家を失う老人。畑を失う農夫。家畜を失い、飢えを恐れる母子。
胸が痛み、足が止まる。
涙をこらえながら、リシアは心に誓った。
「……私は、守る。絶対に」
青い瞳の奥に、静かに炎が灯った。
その小さな決意が、彼女をさらに戦場へと引き込んでいく。
かろうじて敵を退けたとはいえ、戦火の影響は容赦なく広がっていた。
広場には、王国軍の徴発官が立ち、村人たちに物資を差し出させていた。
「麦は半分を軍へ。牛と馬は一頭ずつ差し出せ」
「そ、そんな……これじゃ冬を越せません!」
「戦に負ければ冬も来ん!」
村人の悲鳴は切実だが、兵たちは冷たく荷を積んでいく。
リシアの弟・レオンが母の背に隠れながら、不安そうに姉を見上げた。
「ねえ、姉ちゃん……うちの牛まで連れてかれるの?」
「……大丈夫。私が、何とかするから」
そう答えたものの、声は震えていた。
そのとき、また心の奥にあの声が響く。
『戦に勝つには、犠牲がつきものだ。物資を奪われるのもまた戦よ』
「……そんなの、嫌」
『嫌でも受け入れねばならん。それが戦場というものだ』
ベルナルトの言葉は冷徹だ。
けれどリシアは小さく首を振る。
「犠牲を前提にしたら……何も守れない」
その夜。
リシアは村の家々を回り、徴発で泣き崩れる人々の姿を目にした。
家を失う老人。畑を失う農夫。家畜を失い、飢えを恐れる母子。
胸が痛み、足が止まる。
涙をこらえながら、リシアは心に誓った。
「……私は、守る。絶対に」
青い瞳の奥に、静かに炎が灯った。
その小さな決意が、彼女をさらに戦場へと引き込んでいく。
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