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第三章
第三章エピローグ「帰り道」
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バスの窓から見える景色が、少しずつ夕暮れに染まっていく。
二泊三日の修学旅行は、あっという間に過ぎ去った。
鹿にせんべいをあげて笑ったこと。
班の子が迷子になって必死に探したこと。
さやが体調を崩して、手を握りながら過ごした静かな時間。
どの瞬間も、前世のおじさんだった俺には、もう二度と味わえないと思っていたものばかりだった。
⸻
バスの後ろの席では、クラスの男子が歌を口ずさみ、女子たちが笑い転げている。
そのざわめきの中で、俺は窓にもたれて小さく息をついた。
(……本当に、子どもとして生きてるんだな)
苦しくて、めんどうで、時々どうしようもなく戸惑う。
でも、その全部の先に“悪くない”と思える瞬間がある。
⸻
「ひな、寝ちゃった?」
隣の席から、さやの声。
振り向くと、まだ少し頬に赤みが残る顔が、安心したように微笑んでいた。
「……起きてるよ」
そう答えると、さやは小さく頷いて、肩に頭を預けてきた。
窓の外の夕暮れが、やけにやさしく滲んで見える。
二度目の人生で手にした、このあたたかな時間。
俺はきっと、これからも抱きしめていくんだろう。
二泊三日の修学旅行は、あっという間に過ぎ去った。
鹿にせんべいをあげて笑ったこと。
班の子が迷子になって必死に探したこと。
さやが体調を崩して、手を握りながら過ごした静かな時間。
どの瞬間も、前世のおじさんだった俺には、もう二度と味わえないと思っていたものばかりだった。
⸻
バスの後ろの席では、クラスの男子が歌を口ずさみ、女子たちが笑い転げている。
そのざわめきの中で、俺は窓にもたれて小さく息をついた。
(……本当に、子どもとして生きてるんだな)
苦しくて、めんどうで、時々どうしようもなく戸惑う。
でも、その全部の先に“悪くない”と思える瞬間がある。
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「ひな、寝ちゃった?」
隣の席から、さやの声。
振り向くと、まだ少し頬に赤みが残る顔が、安心したように微笑んでいた。
「……起きてるよ」
そう答えると、さやは小さく頷いて、肩に頭を預けてきた。
窓の外の夕暮れが、やけにやさしく滲んで見える。
二度目の人生で手にした、このあたたかな時間。
俺はきっと、これからも抱きしめていくんだろう。
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