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1.少年は少女と出逢う
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「ふぅ、ここが剣舞学園か」
5mもある黒色の柵で閉ざされたその校門の前に一人の男、霧谷白夜は固く口を結びながら表情を強張せた。
「なんていうか、これから学園生活だっていうのにまるで実感がわかないな。まあ、昔色々やらかした俺が学園に通うなんてそもそもありえない話だったし」
白夜は吐息を漏らしながらやっぱりやめとけばよかったと今更ながらに後悔の念を浮かべた。
「それにしても学ぶ為の場所なはずなのに校舎でかすぎだろ。こんなに場所取る必要あったのか?」
眼前に広がるのは膨大な広さの校舎。一つ一つの学園施設がそこら辺の中世貴族の屋敷の3倍はあるその校舎は最早その敷地だけで町一つ分はあるだろう。
白夜は広大な校舎を前に溜息と共に疑念を漏らす。それもそのはず、白夜は今まで学園生活というものを経験したことがない。
そんな彼が想像に描く学園生活とは学問を学ぶ為だけの場所だと認識している。そのため教材のみを持ちものとする生活の中で白夜はここまで施設を設ける必要性が感じられなかったのだ。
「大体ここで一体何するのか何にも聞いてないからな。っていうか本当にここが目的地なのか疑わしくなってきた」
白夜は学園長から渡された学園の場所が書かれた地図をいそいそとポケットから取り出す。
「ん~」
何を学ぶかすら知らない白夜は色々と考えているうちに増す増す不安に駆られた。そのため白夜は何度も地図を二度見した。
それもそのはず、白夜が学園に通えるよう手引きした学園長からはほぼ何も言い渡されておらず、只『安心していい、ちゃんと勉強もできて住むとこも提供できるから』としか言われていなかった。そんな状態で不安にならないのも無理はない。
「一応住所はここで間違いないようだし目的の学校がここなのは確かなんだろうけど、やっぱりなんか不安なんだよなぁ。特にこの後の俺の人生が」
白夜自身今迄中々の波乱な人生を送ってきたと自負している。しかしそんな過去すらも超えた波乱が迫っているのではないかと、先程から白夜の勘が告げている気がしてならないのだ。
「まっ、気のせいか。剣舞学園なんて物騒な名前ではあるものの、ここは学問を学ぶ場だしな。戦闘とはきっと無縁だろ」
そう自分に言い聞かせるように呟くと、白夜は校門の柵を押すため手のひらを胸の前へと持っていき、力を加えた。しかし、
「よし、これから俺の第二の人生が幕開け────ん?」
静まり返る白夜。その原因はただ一つ、目の前にそびえ立つ黒柵がビクともしなかったためだ。
「あ、あれ?」
押す────……
「あーわかったわかったなるほどなるほど。引くんだな」
引く────……
それから幾ばくか時が過ぎ、約束の時間に間に合わないと焦った白夜が何度押しても引いてもその黒柵はビクともしない。
「どうなってんだ!まさか……」
白夜はもしかして場所を間違えてしまったのかと思い詰める。しかしそれはあり得ない。何故ならついさっき何度も地図を見直したはず。けれど白夜は万が一のことと思いもう一度地図を見直す。
「あっ、てるよな」
学園の地図が書かれたその紙。そこにはしっかりと白夜の目の前が剣舞学園という印が付いていた。それは安堵。自分は間違っていなかったという安堵で白夜は安心の表情を浮かべる。しかしそれもつかの間、
「いや、だったら何で開かないんだ?約束の時間も合っているはずだし……ん~、もしかしてこれは校門じゃないのか?」
それしか考えられないと白夜は思考を止めて、学園守るように作られた外壁を見渡す。
「よし、これくらいの高さなら楽勝だな」
白夜が外壁を見渡していた理由は自分が飛び越えられる高さかどうかの計算であり予想。
外壁の高さはおよそ18メートル。横の厚さは柵の隙間から見る限り約49センチ。常人ならばこれを前にして飛び越えるなどという発想は思い浮かばない。しかし彼なら、波乱な人生を歩んできた霧谷白夜ならそれが可能なのである。
「せいっ!」
白夜は助走をすることなく一瞬しゃがむと脚に力を加えて跳躍した。
その光景はまさに驚愕。白夜が飛んだ高さは電柱を楽々と超え、軽々と外壁を飛び越えた。
「ふぅ、こんなもんかな」
白夜は何事も無かったかのように着地する。肉体強化をしていない中、衝撃音を立てることなく着地するその様は一流の暗殺者のごとく無音であった。
「それにしても広過ぎだろ。何でこんなにも入り口作る必要があるんだ」
白夜の目の前は無数の扉で歓迎されていた。その数は見えるだけでも14個もあり、いくら学園であっても多すぎな感じがする。
「学園長は一体何を考えてるのかさっぱりわからないよ。校門は開かないし、広過ぎるし、扉多すぎるし、そして迷子になりそうだし……あれ?俺ここに来てまだ一つも良いことがないぞ」
白夜が予想していた波乱な学園生活がもう始まっているかもしれない。ここに来てからの出来事は只々運が悪いだけなのか、それとも意図的なものなのかは見当もつかないが、歓迎されていない事は確かだった。
「学園長が誘ったくせに。はぁ、ほんとあの人は昔からいい加減だな」
白夜はこの校舎の何処かにいるであろう学園長の顔を思い浮かべながら怒りと諦めが混じった溜息を漏らした。
白夜と学園長との付き合いは白夜が幼少期のころから知り合っており、そこそこ長い。それこそほどほどに信頼している程に。
「まあ無事敷地内に入れたことだし、ここの生徒さんを見つけて目的地まで連れて行ってもらって、あとは学園長会って文句をいうだけ────」
「止まりなさいっ!!!」
「?」
突然木の陰から芯の通った力強い声が白夜の場に轟いた。
「私はあまりヒーローごっこは好まないけど、さすがにこの学園に危険を及ぼすかもしれない輩を見過ごせるほど外道では無いわ」
────可憐。
彼女はまさに可憐の一言で尽きるだろう。端正な顔立ちであり、男が望む全ての欲望を体現したかのようなそのスタイルは真の美少女であり、真っ青に染まった髪は神々しさすら感じさせるもの。
10人中10人が美少女答えるほどの美貌を持ち合わせた少女が白夜に視線を向けている。青髪の少女に視線を向けられるだけで男なら喜ぶこの状況に出くわした白夜だが、少女の瞳は絶対零度かのような冷たい視線で白夜を見詰めていた。
「私見てたわ。貴方がこの学園に不法侵入するところを」
「あー、見てたのか」
その少女の剣幕っぷりは恐怖すら感じるほどなのだが、対して白夜は関心が無いとばかりに冷静に言葉を返す。その様子に少女は一瞬目が揺らぐも、すぐに白夜を強く睨んだ。
「この学園は武の才能を持った子達、謂わば英雄の卵が集う施設よ。そんな所に侵入するという事は私達を殺す為しか考えられない」
「なにっ!?」
白夜は少女と出会って初めて感情という感情を表情に浮かべた。そしてそれを見た少女は『やっぱり』と、白夜の動揺を図星を突かれたからと勘違いした。
(武の才能を持った子達?英雄の卵?何言ってんだこの子は。ここは唯学問を学ぶところじゃ無いのか?)
「何故私達を殺そうとしたのか白状しなさい。いいえ、白状させるわ。この私が直々にね」
すると突如少女の足元に巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「後悔することね、私達を殺そうと企てたこと、私に見つかったこと、そして何より……私が【最強】なことを……」
少女は瞼を閉じ自身が望むその物を強く望む。そしてその意思と共鳴するかのように魔法陣が青白く強く光り輝くとともに、魔法陣の中から鎖で巻きつけられた柄頭が姿を現した。
「顕現せよ、《氷滅の剣》!!!」
鎖が砕かれる音とともに現れたのは薄ら日のように淡く輝く刀身。剣から発せられるのは冷気を纏ったような純青の剣気。そしてその剣はこの世のものではないかのように歪な存在感が漂っている。
「貴方は私の前にひれ伏せさせる。それが私の使命であり私の矜持、誰にも破られることのない絶対の定めだから」
少女は剣先を白夜に定めて抜刀術の構えを取る。その構えの意味は一瞬の勝利を掴む為、彼女は一片たりとも自身の勝利の未来を疑ってはいない。
「さぁ、貴方は私の【最強】の前で打ち破れるのよ!!!」
そして彼女は剣を抜いた────
5mもある黒色の柵で閉ざされたその校門の前に一人の男、霧谷白夜は固く口を結びながら表情を強張せた。
「なんていうか、これから学園生活だっていうのにまるで実感がわかないな。まあ、昔色々やらかした俺が学園に通うなんてそもそもありえない話だったし」
白夜は吐息を漏らしながらやっぱりやめとけばよかったと今更ながらに後悔の念を浮かべた。
「それにしても学ぶ為の場所なはずなのに校舎でかすぎだろ。こんなに場所取る必要あったのか?」
眼前に広がるのは膨大な広さの校舎。一つ一つの学園施設がそこら辺の中世貴族の屋敷の3倍はあるその校舎は最早その敷地だけで町一つ分はあるだろう。
白夜は広大な校舎を前に溜息と共に疑念を漏らす。それもそのはず、白夜は今まで学園生活というものを経験したことがない。
そんな彼が想像に描く学園生活とは学問を学ぶ為だけの場所だと認識している。そのため教材のみを持ちものとする生活の中で白夜はここまで施設を設ける必要性が感じられなかったのだ。
「大体ここで一体何するのか何にも聞いてないからな。っていうか本当にここが目的地なのか疑わしくなってきた」
白夜は学園長から渡された学園の場所が書かれた地図をいそいそとポケットから取り出す。
「ん~」
何を学ぶかすら知らない白夜は色々と考えているうちに増す増す不安に駆られた。そのため白夜は何度も地図を二度見した。
それもそのはず、白夜が学園に通えるよう手引きした学園長からはほぼ何も言い渡されておらず、只『安心していい、ちゃんと勉強もできて住むとこも提供できるから』としか言われていなかった。そんな状態で不安にならないのも無理はない。
「一応住所はここで間違いないようだし目的の学校がここなのは確かなんだろうけど、やっぱりなんか不安なんだよなぁ。特にこの後の俺の人生が」
白夜自身今迄中々の波乱な人生を送ってきたと自負している。しかしそんな過去すらも超えた波乱が迫っているのではないかと、先程から白夜の勘が告げている気がしてならないのだ。
「まっ、気のせいか。剣舞学園なんて物騒な名前ではあるものの、ここは学問を学ぶ場だしな。戦闘とはきっと無縁だろ」
そう自分に言い聞かせるように呟くと、白夜は校門の柵を押すため手のひらを胸の前へと持っていき、力を加えた。しかし、
「よし、これから俺の第二の人生が幕開け────ん?」
静まり返る白夜。その原因はただ一つ、目の前にそびえ立つ黒柵がビクともしなかったためだ。
「あ、あれ?」
押す────……
「あーわかったわかったなるほどなるほど。引くんだな」
引く────……
それから幾ばくか時が過ぎ、約束の時間に間に合わないと焦った白夜が何度押しても引いてもその黒柵はビクともしない。
「どうなってんだ!まさか……」
白夜はもしかして場所を間違えてしまったのかと思い詰める。しかしそれはあり得ない。何故ならついさっき何度も地図を見直したはず。けれど白夜は万が一のことと思いもう一度地図を見直す。
「あっ、てるよな」
学園の地図が書かれたその紙。そこにはしっかりと白夜の目の前が剣舞学園という印が付いていた。それは安堵。自分は間違っていなかったという安堵で白夜は安心の表情を浮かべる。しかしそれもつかの間、
「いや、だったら何で開かないんだ?約束の時間も合っているはずだし……ん~、もしかしてこれは校門じゃないのか?」
それしか考えられないと白夜は思考を止めて、学園守るように作られた外壁を見渡す。
「よし、これくらいの高さなら楽勝だな」
白夜が外壁を見渡していた理由は自分が飛び越えられる高さかどうかの計算であり予想。
外壁の高さはおよそ18メートル。横の厚さは柵の隙間から見る限り約49センチ。常人ならばこれを前にして飛び越えるなどという発想は思い浮かばない。しかし彼なら、波乱な人生を歩んできた霧谷白夜ならそれが可能なのである。
「せいっ!」
白夜は助走をすることなく一瞬しゃがむと脚に力を加えて跳躍した。
その光景はまさに驚愕。白夜が飛んだ高さは電柱を楽々と超え、軽々と外壁を飛び越えた。
「ふぅ、こんなもんかな」
白夜は何事も無かったかのように着地する。肉体強化をしていない中、衝撃音を立てることなく着地するその様は一流の暗殺者のごとく無音であった。
「それにしても広過ぎだろ。何でこんなにも入り口作る必要があるんだ」
白夜の目の前は無数の扉で歓迎されていた。その数は見えるだけでも14個もあり、いくら学園であっても多すぎな感じがする。
「学園長は一体何を考えてるのかさっぱりわからないよ。校門は開かないし、広過ぎるし、扉多すぎるし、そして迷子になりそうだし……あれ?俺ここに来てまだ一つも良いことがないぞ」
白夜が予想していた波乱な学園生活がもう始まっているかもしれない。ここに来てからの出来事は只々運が悪いだけなのか、それとも意図的なものなのかは見当もつかないが、歓迎されていない事は確かだった。
「学園長が誘ったくせに。はぁ、ほんとあの人は昔からいい加減だな」
白夜はこの校舎の何処かにいるであろう学園長の顔を思い浮かべながら怒りと諦めが混じった溜息を漏らした。
白夜と学園長との付き合いは白夜が幼少期のころから知り合っており、そこそこ長い。それこそほどほどに信頼している程に。
「まあ無事敷地内に入れたことだし、ここの生徒さんを見つけて目的地まで連れて行ってもらって、あとは学園長会って文句をいうだけ────」
「止まりなさいっ!!!」
「?」
突然木の陰から芯の通った力強い声が白夜の場に轟いた。
「私はあまりヒーローごっこは好まないけど、さすがにこの学園に危険を及ぼすかもしれない輩を見過ごせるほど外道では無いわ」
────可憐。
彼女はまさに可憐の一言で尽きるだろう。端正な顔立ちであり、男が望む全ての欲望を体現したかのようなそのスタイルは真の美少女であり、真っ青に染まった髪は神々しさすら感じさせるもの。
10人中10人が美少女答えるほどの美貌を持ち合わせた少女が白夜に視線を向けている。青髪の少女に視線を向けられるだけで男なら喜ぶこの状況に出くわした白夜だが、少女の瞳は絶対零度かのような冷たい視線で白夜を見詰めていた。
「私見てたわ。貴方がこの学園に不法侵入するところを」
「あー、見てたのか」
その少女の剣幕っぷりは恐怖すら感じるほどなのだが、対して白夜は関心が無いとばかりに冷静に言葉を返す。その様子に少女は一瞬目が揺らぐも、すぐに白夜を強く睨んだ。
「この学園は武の才能を持った子達、謂わば英雄の卵が集う施設よ。そんな所に侵入するという事は私達を殺す為しか考えられない」
「なにっ!?」
白夜は少女と出会って初めて感情という感情を表情に浮かべた。そしてそれを見た少女は『やっぱり』と、白夜の動揺を図星を突かれたからと勘違いした。
(武の才能を持った子達?英雄の卵?何言ってんだこの子は。ここは唯学問を学ぶところじゃ無いのか?)
「何故私達を殺そうとしたのか白状しなさい。いいえ、白状させるわ。この私が直々にね」
すると突如少女の足元に巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「後悔することね、私達を殺そうと企てたこと、私に見つかったこと、そして何より……私が【最強】なことを……」
少女は瞼を閉じ自身が望むその物を強く望む。そしてその意思と共鳴するかのように魔法陣が青白く強く光り輝くとともに、魔法陣の中から鎖で巻きつけられた柄頭が姿を現した。
「顕現せよ、《氷滅の剣》!!!」
鎖が砕かれる音とともに現れたのは薄ら日のように淡く輝く刀身。剣から発せられるのは冷気を纏ったような純青の剣気。そしてその剣はこの世のものではないかのように歪な存在感が漂っている。
「貴方は私の前にひれ伏せさせる。それが私の使命であり私の矜持、誰にも破られることのない絶対の定めだから」
少女は剣先を白夜に定めて抜刀術の構えを取る。その構えの意味は一瞬の勝利を掴む為、彼女は一片たりとも自身の勝利の未来を疑ってはいない。
「さぁ、貴方は私の【最強】の前で打ち破れるのよ!!!」
そして彼女は剣を抜いた────
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