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28 王妃ですものキレイなだけじゃダメなのよ
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「あら?じゃあ婚約者どころか恋人もいないの?」
リリーがなんとか事実を説明し終わったあと、あからさまにがっかりとした顔で王妃はつまらなそうに扇をくるりとまわした。
「でも伯母様、元婚約者のランズフート様がなぜわざわざもう一度リリー様と婚約を急いでいるのかしりたくありませんこと?」
『面白いことがありそうでしょう?』
シシィはキラキラと瞳を輝かせる。
「そんな私が下世話なお話好きのような言い方しないでちょうだい」
『子供が出来ているわけでもないのにリリーの評判が落ちるように仕向けているのが気になるわ。よっぽどこの子のことが憎いのかしら?そんなに恨まれるようなことって何?知りたい?知りたいわ!!』
ちらりとリリーに視線を投げた王妃は思案顔になった。
心の中で下衆の勘繰りをしているのに民草の安寧を願ってやまない上品な聖母の顔である。
この二人王妃は当たり前だがシシィも王太子の従姉妹ということでそれなりの人脈があるに違いない。
リリーは二人を交互に眺めこれからのことを考えた。
二人は退屈しのぎがあればいいのかもしれないが、うまく協力してもらえればリリーにとって強い味方になるに違いない。
リリーは悲しそうな声音を作り話しだした。
「実は、何故婚約をいそいでいるのかしりたくて調べた資料をアルフォンスにとられてしまって」
アルフォンスに殴られた頬をそっと抑えて王妃を見つめる。
「あら?リリー様は何か思い当たることがあったの?」
「ええ。実はオーベアライヒ侯爵家のお金の動きが気になりまして。十年前の資料をあたって証拠づけしたかったのですけど」
「オーベアライヒ候爵家。先代の王妹カリーナ様の嫁ぎ先ね。あそこは代々派手好きなお嫁様とめぐりあわせるところなのよね。散財しすぎてとうとう悪事に手を染めたのかしら?」
ころころと鈴の音のようなかわいらしい声で笑う王妃は人の悪そうな笑みを浮かべている。
(さすがは王族。美しさの裏が読めないわ)
「おねえさま大丈夫?」
「ええ」
「おばさま他の方には意地悪ではないのよ。ただカリーナ様にいじめられていたから、カリーナ様に対してだけはちょっと、ほんのすこぉしね……」
シシィが取り繕うがそれも次の王妃の一言で台無しとなった。
「やっと今までのお礼ができそうね。うふふふふ。百倍いえ千倍、一億倍にしてかえして差し上げるわ。命以外の物すべて取り上げてやるわよ。ほーほほほほほーほーほほほほほー」
喉を開いて反り返る高笑いの見本のような高笑いをひとしきりしたあと王妃は言った。
「リリー様のお仕事は私がお手伝いして差し上げるわね」
美しい貴婦人の笑みにリリーの背中をゾクリと悪寒が走った。
こんなど迫力の貴婦人をいじめるなんてカリーナ様はどんな上手の妖怪なのか。
『失敗は許さないわよ』
聞こえてきた本音に頼る人を間違えたかと一瞬後悔したリリーであった。
リリーがなんとか事実を説明し終わったあと、あからさまにがっかりとした顔で王妃はつまらなそうに扇をくるりとまわした。
「でも伯母様、元婚約者のランズフート様がなぜわざわざもう一度リリー様と婚約を急いでいるのかしりたくありませんこと?」
『面白いことがありそうでしょう?』
シシィはキラキラと瞳を輝かせる。
「そんな私が下世話なお話好きのような言い方しないでちょうだい」
『子供が出来ているわけでもないのにリリーの評判が落ちるように仕向けているのが気になるわ。よっぽどこの子のことが憎いのかしら?そんなに恨まれるようなことって何?知りたい?知りたいわ!!』
ちらりとリリーに視線を投げた王妃は思案顔になった。
心の中で下衆の勘繰りをしているのに民草の安寧を願ってやまない上品な聖母の顔である。
この二人王妃は当たり前だがシシィも王太子の従姉妹ということでそれなりの人脈があるに違いない。
リリーは二人を交互に眺めこれからのことを考えた。
二人は退屈しのぎがあればいいのかもしれないが、うまく協力してもらえればリリーにとって強い味方になるに違いない。
リリーは悲しそうな声音を作り話しだした。
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アルフォンスに殴られた頬をそっと抑えて王妃を見つめる。
「あら?リリー様は何か思い当たることがあったの?」
「ええ。実はオーベアライヒ侯爵家のお金の動きが気になりまして。十年前の資料をあたって証拠づけしたかったのですけど」
「オーベアライヒ候爵家。先代の王妹カリーナ様の嫁ぎ先ね。あそこは代々派手好きなお嫁様とめぐりあわせるところなのよね。散財しすぎてとうとう悪事に手を染めたのかしら?」
ころころと鈴の音のようなかわいらしい声で笑う王妃は人の悪そうな笑みを浮かべている。
(さすがは王族。美しさの裏が読めないわ)
「おねえさま大丈夫?」
「ええ」
「おばさま他の方には意地悪ではないのよ。ただカリーナ様にいじめられていたから、カリーナ様に対してだけはちょっと、ほんのすこぉしね……」
シシィが取り繕うがそれも次の王妃の一言で台無しとなった。
「やっと今までのお礼ができそうね。うふふふふ。百倍いえ千倍、一億倍にしてかえして差し上げるわ。命以外の物すべて取り上げてやるわよ。ほーほほほほほーほーほほほほほー」
喉を開いて反り返る高笑いの見本のような高笑いをひとしきりしたあと王妃は言った。
「リリー様のお仕事は私がお手伝いして差し上げるわね」
美しい貴婦人の笑みにリリーの背中をゾクリと悪寒が走った。
こんなど迫力の貴婦人をいじめるなんてカリーナ様はどんな上手の妖怪なのか。
『失敗は許さないわよ』
聞こえてきた本音に頼る人を間違えたかと一瞬後悔したリリーであった。
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