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第四話【師匠からの最後の試練】
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「リアは転生者の癖に飲み込みが遅いのう。」キルエルさんの声が冷静に返ってきた。
「どっから転生しても分かるかい!!!だいたい、騎士団はわかるとして軍って何?」リアは激昂しながらも問いかけた。
「軍はのぅ。他国へ向けた暗殺部隊じゃ。まぁ、最近は騎士団と張り合って、領地にでる怪物を討伐しとるらしいがのう。本来は戦争の為の軍隊。騎士団は王国を守るのを基本とするが軍は外で戦うのじゃ。」キルエルさんの声は重々しく、冷たい。
「何よ・・・それ。私に人を殺せっていうの?」リアの声には驚愕と怒りが籠もっていた。
「そうじゃよ。」キルエルさんの答えは冷徹で、彼女を更に怒らせた。
「そうじゃよって…正気じゃないよ。」リアは目を輝かせ、その怒りと共に声を荒げた。
彼女の心には、混沌とした感情が渦巻いていた。
キルエルさんは祭服のボタンを外して上半身を露わにした。その瞬間、リアの目が見慣れない刺青に引きつけられた。彼の胸には黒い龍のような刺青が鮮やかに浮かび上がっていた。その刺青の周りには黒い血管が脈々と縦横に広がっている。
「何…それ。」リアが困惑しながら問うた。
キルエルさんは深い溜息をつきながら答えた。
「呪いじゃよ。」キルエルさんは重々しい表情で言った。
「呪い!?」リアは目を丸くし、驚きの声を漏らした。
「儂は本来神の国の不老不死の家系の生まれじゃ。歳をとる事も死ぬ事もない。じゃが、リアの知ってる世界の儂は死んでおるのじゃろ?この10年で色んな話を聞いた中で儂は生きたいと思うてしもた。最初はただ面白いかもと思うて育てた娘じゃったが、いつの間にか成長を見届けたいと思うようになってしまったんじゃ。」キルエルさんは静かに語り始めた。
「待って、キルエルさん。また情報がいっぱい過ぎる。呪いはどこで受けたの?」リアは戸惑いを隠せない表情で尋ねた。
「儂はのぅ。神の国で暮らしておったんじゃが、暇すぎて外の世界に遊びに来てしまったんじゃ。隣国のケイロス帝国に最初はおった。しかし、欲をかいた帝王は儂に呪いをかけたんじゃ。儂の生気を吸い取る呪いじゃ。不老不死といえども過多に生気を吸い取られると老いてしまようでのう。困っておった。復讐しようにも生気を吸い取られ身動きを封じられる。じゃから、ここメロウト王国に仕え、辺境伯としてケイロス帝国の進軍を防いでおるのじゃ。悪あがきじゃがの。」
『待ってください。読者の皆さん。いや、果たして私に読者がついているのかどうかわかりませんが、原作にないとんでもない話が出てきました。作者様、流石です。貴方は変わり者です。間違いありません!!ただの乙女ゲームの話で終わらせる気なんてないんですね!?そうなんですね!?
私が甘かったー…。ちょっとした病気やケガを治せる聖女アイドルとして売り出して小銭をがっぽり稼ごうと思ってた私が甘かったです。
どうしてお世話になってるキルエルさんの命を人質にとってしまわれるのですか!!
神はどうして聖女に人殺しを要求するのですか!?
こんなのアリかよ!!!人でなし!!!』
「もー!!分かったよ。軍に入ってケイロス帝王を倒せば良いんだよね。」
リアは諦めと怒りに満ちた声を上げると同時にキルエルさんを睨みつけた。
「いや違う。」
「どうして!?私の力を使ってケイロス帝王を倒せば、あなたも呪いから解放されるんじゃないの!?」
キルエルさんは穏やかな表情でリアの熱い問いかけに答える。
「解放されるかもしれん。しかし、簡単に解決できる問題じゃないのじゃ。」
リアはキルエルさんの言葉に耳を傾けるが、まだ納得することはできなかった。
「え!?じゃあ何!?」リアは驚きの声を上げた。
「儂からの最後の試練がケイロス帝国を滅亡させる事じゃ。軍へはリアが王城へ入りたそうにしておるから提案しただけじゃよ。」キルエルさんは淡々と語った。
「えー!?私一人で滅ぼしにいくの!?」リアの声には戸惑いがにじんでいた。
「左様。今のお前さんなら造作もない事じゃよ。」キルエルさんは自信に満ちた笑みを浮かべた。
断り辛い。リアの視線は自然とキルエルさんの胸元に向けられる。あの龍の刻印みたいなものが本当にキルエルさんを苦しめているのなら、助けるしかないじゃない!!!
「キルエルさん。私に戦える催眠術みたいなのかけれませんか…。私の体ならいくらでも差し出すんで、どうかこの意識を封印してください。正直、恐くて逃げたいです。」リアは懇願するような表情で言った。
「ふむ。これだけ毎日体を鍛えておるというのに、精神はまるで赤子じゃのう。」キルエルさんは深くため息をついた。
「面目ないです。私は乙女なんです。ピュアな乙女なんです!!」リアは慌てふためくように自己を弁解した。
「あるにはある。自分の意識とは反し、体が勝手に動き、与えられた使命だけを全うする術がのぅ。」キルエルさんがそう言うと、不思議な微笑みを浮かべた。
「一度使ったら解けないとか、そういう感じですか?」リアが興味津々の声で尋ねた。
「いや、そうではない。解き方を忘れてもうたんじゃ。」キルエルさんは淡々と答えた。
キルエルさんの言葉にずっこけてしまった。
「いつか思い出して解いてもらえますか?」リアが不安げな表情で尋ねた。
「む、むぅ…、よかろう。なんじゃったかのぅ。まぁ最悪、神の国へ戻ればわかる事じゃ。安心せい。」キルエルさんは微笑みを浮かべ、少し考えた後に答えた。
「じゃあお願いします。」リアはほっとした表情で頷いた。
「リアよ。本当に良いのか?儂が裏切ってそのままにしておく可能性だってあるぞい?」キルエルさんが慎重に問いかける。
「良いですよ。これからくる辛い現実をしばらく見ずに済むなら本望です。」リアはしみじみと答えた。
「儂との生活、そんなに辛かったかいのぅ・・・。」キルエルさんがしょぼんとした表情を浮かべる。
それはいつものボケがこめられた演技に過ぎない。このお爺さんはとってもお茶目なのだ。
「良いから早くかけてください!!さぁ!!」リアは焦りを隠せず、キルエルさんに催促する。
キルエルさんは右手を私にかざした。すると手の平に虹色の魔法陣が浮かびあがった。その魔法陣が顔に直撃してきたので、思わずバッと目を閉じた。
しかし、目は自分の意志と反して開かれてしまう。体を動かそうとしても、動いてくれない。力を振り絞っても、体が自由にならない。
「我、キルエル・クラリアスが命じる。生きろ。」
キルエルの厳しい声がリアの耳に響く。その声に従わずして生きることはできないという本能がリアの心に刻まれたようだった。そこで初めて、リアは自らの呼吸を意識した。知らないうちに息が止まっていたのだ。ていうかギ●スかよ。
「我、キルエル・クラリアスが命じる。メロウト王国の者と愛する者はいかなる理由があれど殺さぬ事。」
「我、キルエル・クラリアスが命じる。愛する者の命令は絶対に聞くこと。」
「我、キルエル・クラリアスが命じる。毎日しっかり食事と睡眠をとること。」
リアは深く頷いた。それは大切な命令だ。このように、命令を繰り返し重ねることが必要なのだろう。しかし、その次の言葉に彼女の心は一瞬で凍りついた。
「我、キルエル・クラリアスが命じる。ケイロス帝国を滅ぼせ。」
『えっ!?待って、キルエルさん。帝国を滅ぼさなくても、ケイロス帝王さえやっちゃえば良いんじゃないの?国民も皆殺し!?そんなの聞いてないよ!?』
リアの心の叫びは絶望に満ちていた。キルエルの怒りに理解はある。しかし、罪のない子供たちまで巻き込むのは許されない。
「では、行くが良い。」
「はい。朝日が昇りましたが、睡眠をとれとの事ですから寝ます。」
心の中でずっこけてしまった。こんな状況でも睡眠をとる必要があるなんて、まさに物事は常識に反している。
「う、うむ。そうか。」
私の体は歯磨きをして、パジャマに着替えて、しっかりと布団に入り、意識を閉じた。
『私、ちゃんと生きていけるのかな…、待って、私の聖なる力で、あの呪いとりあえず解いちゃえば良かったんじゃないの!?私の馬鹿~~~~!!」思わず心の中で呟いてしまった。不安と疑問が彼女の心を埋め尽くしていく。
「どっから転生しても分かるかい!!!だいたい、騎士団はわかるとして軍って何?」リアは激昂しながらも問いかけた。
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「何よ・・・それ。私に人を殺せっていうの?」リアの声には驚愕と怒りが籠もっていた。
「そうじゃよ。」キルエルさんの答えは冷徹で、彼女を更に怒らせた。
「そうじゃよって…正気じゃないよ。」リアは目を輝かせ、その怒りと共に声を荒げた。
彼女の心には、混沌とした感情が渦巻いていた。
キルエルさんは祭服のボタンを外して上半身を露わにした。その瞬間、リアの目が見慣れない刺青に引きつけられた。彼の胸には黒い龍のような刺青が鮮やかに浮かび上がっていた。その刺青の周りには黒い血管が脈々と縦横に広がっている。
「何…それ。」リアが困惑しながら問うた。
キルエルさんは深い溜息をつきながら答えた。
「呪いじゃよ。」キルエルさんは重々しい表情で言った。
「呪い!?」リアは目を丸くし、驚きの声を漏らした。
「儂は本来神の国の不老不死の家系の生まれじゃ。歳をとる事も死ぬ事もない。じゃが、リアの知ってる世界の儂は死んでおるのじゃろ?この10年で色んな話を聞いた中で儂は生きたいと思うてしもた。最初はただ面白いかもと思うて育てた娘じゃったが、いつの間にか成長を見届けたいと思うようになってしまったんじゃ。」キルエルさんは静かに語り始めた。
「待って、キルエルさん。また情報がいっぱい過ぎる。呪いはどこで受けたの?」リアは戸惑いを隠せない表情で尋ねた。
「儂はのぅ。神の国で暮らしておったんじゃが、暇すぎて外の世界に遊びに来てしまったんじゃ。隣国のケイロス帝国に最初はおった。しかし、欲をかいた帝王は儂に呪いをかけたんじゃ。儂の生気を吸い取る呪いじゃ。不老不死といえども過多に生気を吸い取られると老いてしまようでのう。困っておった。復讐しようにも生気を吸い取られ身動きを封じられる。じゃから、ここメロウト王国に仕え、辺境伯としてケイロス帝国の進軍を防いでおるのじゃ。悪あがきじゃがの。」
『待ってください。読者の皆さん。いや、果たして私に読者がついているのかどうかわかりませんが、原作にないとんでもない話が出てきました。作者様、流石です。貴方は変わり者です。間違いありません!!ただの乙女ゲームの話で終わらせる気なんてないんですね!?そうなんですね!?
私が甘かったー…。ちょっとした病気やケガを治せる聖女アイドルとして売り出して小銭をがっぽり稼ごうと思ってた私が甘かったです。
どうしてお世話になってるキルエルさんの命を人質にとってしまわれるのですか!!
神はどうして聖女に人殺しを要求するのですか!?
こんなのアリかよ!!!人でなし!!!』
「もー!!分かったよ。軍に入ってケイロス帝王を倒せば良いんだよね。」
リアは諦めと怒りに満ちた声を上げると同時にキルエルさんを睨みつけた。
「いや違う。」
「どうして!?私の力を使ってケイロス帝王を倒せば、あなたも呪いから解放されるんじゃないの!?」
キルエルさんは穏やかな表情でリアの熱い問いかけに答える。
「解放されるかもしれん。しかし、簡単に解決できる問題じゃないのじゃ。」
リアはキルエルさんの言葉に耳を傾けるが、まだ納得することはできなかった。
「え!?じゃあ何!?」リアは驚きの声を上げた。
「儂からの最後の試練がケイロス帝国を滅亡させる事じゃ。軍へはリアが王城へ入りたそうにしておるから提案しただけじゃよ。」キルエルさんは淡々と語った。
「えー!?私一人で滅ぼしにいくの!?」リアの声には戸惑いがにじんでいた。
「左様。今のお前さんなら造作もない事じゃよ。」キルエルさんは自信に満ちた笑みを浮かべた。
断り辛い。リアの視線は自然とキルエルさんの胸元に向けられる。あの龍の刻印みたいなものが本当にキルエルさんを苦しめているのなら、助けるしかないじゃない!!!
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「あるにはある。自分の意識とは反し、体が勝手に動き、与えられた使命だけを全うする術がのぅ。」キルエルさんがそう言うと、不思議な微笑みを浮かべた。
「一度使ったら解けないとか、そういう感じですか?」リアが興味津々の声で尋ねた。
「いや、そうではない。解き方を忘れてもうたんじゃ。」キルエルさんは淡々と答えた。
キルエルさんの言葉にずっこけてしまった。
「いつか思い出して解いてもらえますか?」リアが不安げな表情で尋ねた。
「む、むぅ…、よかろう。なんじゃったかのぅ。まぁ最悪、神の国へ戻ればわかる事じゃ。安心せい。」キルエルさんは微笑みを浮かべ、少し考えた後に答えた。
「じゃあお願いします。」リアはほっとした表情で頷いた。
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それはいつものボケがこめられた演技に過ぎない。このお爺さんはとってもお茶目なのだ。
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『えっ!?待って、キルエルさん。帝国を滅ぼさなくても、ケイロス帝王さえやっちゃえば良いんじゃないの?国民も皆殺し!?そんなの聞いてないよ!?』
リアの心の叫びは絶望に満ちていた。キルエルの怒りに理解はある。しかし、罪のない子供たちまで巻き込むのは許されない。
「では、行くが良い。」
「はい。朝日が昇りましたが、睡眠をとれとの事ですから寝ます。」
心の中でずっこけてしまった。こんな状況でも睡眠をとる必要があるなんて、まさに物事は常識に反している。
「う、うむ。そうか。」
私の体は歯磨きをして、パジャマに着替えて、しっかりと布団に入り、意識を閉じた。
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