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シーズン1
20.夫婦だから、恥ずかしさも分かち合おう
「最近、俺だけ恥ずかしい思いをしているので、どうせなら一緒に恥ずかしいことをしましょう。夫婦ですし。」
ユリの言葉に、私の頭が一瞬真っ白になった。驚きと動揺で、顔が一気に赤く染まる。彼の意図が全く掴めないまま、私は口をパクパクと開けたり閉じたりしてしまう。まるで金魚や鯉のような自分の様子に、自分でも情けなくなる。
「は、はず…え?」
言葉にならない声を漏らすと、ユリがふっと笑みを浮かべ、私の耳元に唇を寄せて囁いた。
「難しい顔はいけません。気取られてしまいます。」
その低い声が耳に触れた瞬間、体中がカァッと熱くなる。意味が分からないけれど、意味が分かるような…。ユリが一瞬だけ満足げに微笑むのを見て、私は思わず目を逸らしてしまう。
「…っ!!」
反論しようとした瞬間、ユリが私を抱き上げた。その動きは自然で軽やかで、まるで私が羽毛のように軽いものにでもなったかのようだった。
「ユリ!待って…どこへ行くの!?」
「もちろん、バスルームです。」
ユリの余裕たっぷりの声に、私の抵抗はあっさりと打ち砕かれる。彼の腕の中で身じろぎするものの、彼の力強い腕がそれを許さない。気づけば、私たちは部屋に設置された広々としたバスルームに入っていた。
脱衣所にはしっかりとした仕切りがあり、そこに隠れるようにしてユリは私を下ろした。その仕切りのおかげで、着替える姿を見られる心配はない。だが、それでも心臓の高鳴りは収まらない。
「バスローブが用意されています。メイ、これに着替えてください。」
ユリの声は穏やかだが、その裏にはどこか楽しげな響きが混じっている。私は手渡されたバスローブを受け取り、仕切りの向こうで素早く着替えた。
着替えを終え、浴室へと足を踏み入れると、そこには広々とした空間が広がっていた。壁や床には滑りにくい大理石が敷かれ、天井からは温かな照明が柔らかい光を放っている。中央には大きな浴槽があり、その周りにはくつろげる竹製の家具が配置されていた。
「浴室なのにベッドまで置いてあるの…?」
驚きの声を上げると、ユリが笑みを浮かべながら火の能力を使って浴槽のお湯の温度を調整していた。その指先に宿る炎が、冷たい水を瞬時に適温へと変えていく様子は、どこか幻想的で美しかった。
「この部屋は、メイが一番リラックスできるように改装したんですよ。ほら、濡れても大丈夫な竹製のベッドもその一環です。」
彼の言葉に、私は少し呆れたような顔をしながらも、その心遣いに感謝の気持ちを抱く。だが、そのベッドの存在が何かを暗示しているようで、心がざわつく。
「そんなにじっと見ていると、俺が悪いことを企んでいるように思われますよ。」
ユリが少しだけからかうように言いながら私の手を取り、そっと浴槽の縁に座らせた。彼の目には悪戯っぽい光が宿り、その視線が私をじっと捉えて離さない。
「安心してください。ただ一緒にリラックスしたいだけですから。」
その言葉を信じたいけれど、どこか言葉の端々に含まれる謎のニュアンスに不安が募る。ユリはバスローブの襟元を少しだけ緩めると、私の肩を軽く撫でながら微笑んだ。
「浸かりますか?」
ユリが浴槽を指差して尋ねる。温かな蒸気が立ち上る浴室で、彼の声がやけに響いて聞こえた。
「浸かりません。」
私がきっぱり答えると、ユリは少しだけ口角を上げて笑い、ため息交じりに呟いた。
「では、こちらで。」
彼は突然私を抱き上げ、そのまま竹製のベッドの上に私をそっと座らせた。ふかふかのクッションが体を受け止め、驚きで心臓が跳ねる。
「あの…誰にも見えないとは思いますけど…。何を…?」
恥ずかしさで顔が熱くなり、目を逸らしながら問いかける。ユリは私の膝の上に自分の膝を重ね、まるで私を守るように身を寄せた。
「俺は俺のしたいようにしてるだけです。アナタに見せるこの顔こそが真実ですから。それに、お互いもう全て知り尽くしているに等しい仲ではないですか。そんなに恥ずかしがっていては体が持ちませんよ?」
ユリの目はまっすぐ私を見据え、その表情は柔らかいながらもどこか情熱的だった。その瞳に見つめられると、胸が締め付けられるような気持ちになり、返す言葉が見つからない。
「う…。」
思わず漏れた声に、ユリの笑みが少し深まる。その瞬間、私はこの時間がただの甘いひとときではないことに気付いた。
―メイシールが公爵家にきて間もない頃の、とある夜―
ベッドの上でユリは私を見下ろし、まるで舞台俳優のように演技じみた声で宣言する。
「では、始めましょうか。」
その瞬間、部屋中の空気が緊張感を孕んだ。ユリは事前に使用人を全て下がらせ、今この部屋には私たち二人きりだった。彼が私の上に覆いかぶさり、ゆっくりと顔を近づける。
「あの…本当に、また房事を…?」
私の不安げな声を遮るように、ユリの唇が私の唇に触れた。その動きは柔らかくも確固としていて、彼の決意が伝わってくる。
妊娠中なのに大丈夫なのだろうかと頭をよぎるが、彼はキス以上のことをしてこない。その優しいリズムに徐々に緊張が解け、私も彼の唇に応えるようになっていく。
――だが、しばらくすると、ユリの視線が鋭く窓の方を睨んだ。
「監視の目がついています。どうやら、俺たちが単純に性行為をしていると思わせる必要がありそうです。」
彼の声には苛立ちが混じっている。その視線の先には窓の外、暗闇の中に微かに浮かぶ魔法の目があった。
「どうして…?そういえば、何人か王城勤めの騎士がここにいましたけど、それが関係しているのですか?」
私の言葉に、ユリは一瞬目を見開き、険しい顔つきで私を見つめる。
「なんだと?…それは本当ですか?」
「はい。最初の人生で王宮に滞在する機会が多かったので、だいたいの顔は覚えています。古い人も、この先、入隊する方も。」
その答えを聞いたユリの表情がますます険しくなる。彼は私を敷いたまま、突然腕立て伏せを始めた。その動きは力強く、窓の外から見ればまるで熱のこもった房事の最中のように見えるだろう。
「困りましたね。まさか王がそこまでしているとは。よほどレッドナイト公爵家が気に入らないようですね。」
「そのようですね。」
ユリの息遣いが少しずつ荒くなり、その吐息が私の耳元にかかる。私は両手で顔を隠しながら、小さな声で訴えた。
「あの…さすがに恥ずかしいです。」
その言葉に、ユリの顔が一瞬だけ赤くなった。
「俺も…結構恥ずかしいです。ですが、あなたの体に負担をかけたくないのです。」
彼の耳まで赤く染まった顔を指の隙間から見て、私は思わず笑いそうになった。彼が本当に照れていることに気づき、その姿を愛おしく感じる。
(彼だけが頑張っているなんて、ちょっと可哀想…。)
そう思った私は、小さく息を吸い込み、提案をすることを決意した。彼と一緒にこの状況を乗り切るために。
「ユリ…疲れたらまたキスでもして下さい。」
愛情を沢山注いでくれていた彼を長い期間恐がり、拒絶した罪悪感が少しあった。しかし、彼が私にしてくれることは本当の愛情から来ているものだと今では確信できたため、心を許すことにした。
(そうよ。キスでも何でもこいだわ!夫婦なんだから!!)
「メイ。気持ちは嬉しいですけど…その、あまり誘惑しないで下さい。本当にアナタの体に負担をかけたくなります。話し合いどころではなくなります。」
彼は何かを我慢しているかのような辛そうな顔を浮かべながら腕立て伏せの速度をあげていた。次第に彼の体から汗が滴り落ち、美しい筋肉がバスローブの間からチラリチラリと見え隠れし、私の心臓がバクバクと高鳴ってしまう。
―――そうだった。忘れてはいけない。この人が本当に私のことを愛してくれている可能性が高いということを。愛するに至ったきっかけがイマイチわからないので100%信じることはできないけれど、彼に殺されないということだけは確かなはず。
あまり刺激しないように、気を付けてあげないと‥‥。
ユリの言葉に、私の頭が一瞬真っ白になった。驚きと動揺で、顔が一気に赤く染まる。彼の意図が全く掴めないまま、私は口をパクパクと開けたり閉じたりしてしまう。まるで金魚や鯉のような自分の様子に、自分でも情けなくなる。
「は、はず…え?」
言葉にならない声を漏らすと、ユリがふっと笑みを浮かべ、私の耳元に唇を寄せて囁いた。
「難しい顔はいけません。気取られてしまいます。」
その低い声が耳に触れた瞬間、体中がカァッと熱くなる。意味が分からないけれど、意味が分かるような…。ユリが一瞬だけ満足げに微笑むのを見て、私は思わず目を逸らしてしまう。
「…っ!!」
反論しようとした瞬間、ユリが私を抱き上げた。その動きは自然で軽やかで、まるで私が羽毛のように軽いものにでもなったかのようだった。
「ユリ!待って…どこへ行くの!?」
「もちろん、バスルームです。」
ユリの余裕たっぷりの声に、私の抵抗はあっさりと打ち砕かれる。彼の腕の中で身じろぎするものの、彼の力強い腕がそれを許さない。気づけば、私たちは部屋に設置された広々としたバスルームに入っていた。
脱衣所にはしっかりとした仕切りがあり、そこに隠れるようにしてユリは私を下ろした。その仕切りのおかげで、着替える姿を見られる心配はない。だが、それでも心臓の高鳴りは収まらない。
「バスローブが用意されています。メイ、これに着替えてください。」
ユリの声は穏やかだが、その裏にはどこか楽しげな響きが混じっている。私は手渡されたバスローブを受け取り、仕切りの向こうで素早く着替えた。
着替えを終え、浴室へと足を踏み入れると、そこには広々とした空間が広がっていた。壁や床には滑りにくい大理石が敷かれ、天井からは温かな照明が柔らかい光を放っている。中央には大きな浴槽があり、その周りにはくつろげる竹製の家具が配置されていた。
「浴室なのにベッドまで置いてあるの…?」
驚きの声を上げると、ユリが笑みを浮かべながら火の能力を使って浴槽のお湯の温度を調整していた。その指先に宿る炎が、冷たい水を瞬時に適温へと変えていく様子は、どこか幻想的で美しかった。
「この部屋は、メイが一番リラックスできるように改装したんですよ。ほら、濡れても大丈夫な竹製のベッドもその一環です。」
彼の言葉に、私は少し呆れたような顔をしながらも、その心遣いに感謝の気持ちを抱く。だが、そのベッドの存在が何かを暗示しているようで、心がざわつく。
「そんなにじっと見ていると、俺が悪いことを企んでいるように思われますよ。」
ユリが少しだけからかうように言いながら私の手を取り、そっと浴槽の縁に座らせた。彼の目には悪戯っぽい光が宿り、その視線が私をじっと捉えて離さない。
「安心してください。ただ一緒にリラックスしたいだけですから。」
その言葉を信じたいけれど、どこか言葉の端々に含まれる謎のニュアンスに不安が募る。ユリはバスローブの襟元を少しだけ緩めると、私の肩を軽く撫でながら微笑んだ。
「浸かりますか?」
ユリが浴槽を指差して尋ねる。温かな蒸気が立ち上る浴室で、彼の声がやけに響いて聞こえた。
「浸かりません。」
私がきっぱり答えると、ユリは少しだけ口角を上げて笑い、ため息交じりに呟いた。
「では、こちらで。」
彼は突然私を抱き上げ、そのまま竹製のベッドの上に私をそっと座らせた。ふかふかのクッションが体を受け止め、驚きで心臓が跳ねる。
「あの…誰にも見えないとは思いますけど…。何を…?」
恥ずかしさで顔が熱くなり、目を逸らしながら問いかける。ユリは私の膝の上に自分の膝を重ね、まるで私を守るように身を寄せた。
「俺は俺のしたいようにしてるだけです。アナタに見せるこの顔こそが真実ですから。それに、お互いもう全て知り尽くしているに等しい仲ではないですか。そんなに恥ずかしがっていては体が持ちませんよ?」
ユリの目はまっすぐ私を見据え、その表情は柔らかいながらもどこか情熱的だった。その瞳に見つめられると、胸が締め付けられるような気持ちになり、返す言葉が見つからない。
「う…。」
思わず漏れた声に、ユリの笑みが少し深まる。その瞬間、私はこの時間がただの甘いひとときではないことに気付いた。
―メイシールが公爵家にきて間もない頃の、とある夜―
ベッドの上でユリは私を見下ろし、まるで舞台俳優のように演技じみた声で宣言する。
「では、始めましょうか。」
その瞬間、部屋中の空気が緊張感を孕んだ。ユリは事前に使用人を全て下がらせ、今この部屋には私たち二人きりだった。彼が私の上に覆いかぶさり、ゆっくりと顔を近づける。
「あの…本当に、また房事を…?」
私の不安げな声を遮るように、ユリの唇が私の唇に触れた。その動きは柔らかくも確固としていて、彼の決意が伝わってくる。
妊娠中なのに大丈夫なのだろうかと頭をよぎるが、彼はキス以上のことをしてこない。その優しいリズムに徐々に緊張が解け、私も彼の唇に応えるようになっていく。
――だが、しばらくすると、ユリの視線が鋭く窓の方を睨んだ。
「監視の目がついています。どうやら、俺たちが単純に性行為をしていると思わせる必要がありそうです。」
彼の声には苛立ちが混じっている。その視線の先には窓の外、暗闇の中に微かに浮かぶ魔法の目があった。
「どうして…?そういえば、何人か王城勤めの騎士がここにいましたけど、それが関係しているのですか?」
私の言葉に、ユリは一瞬目を見開き、険しい顔つきで私を見つめる。
「なんだと?…それは本当ですか?」
「はい。最初の人生で王宮に滞在する機会が多かったので、だいたいの顔は覚えています。古い人も、この先、入隊する方も。」
その答えを聞いたユリの表情がますます険しくなる。彼は私を敷いたまま、突然腕立て伏せを始めた。その動きは力強く、窓の外から見ればまるで熱のこもった房事の最中のように見えるだろう。
「困りましたね。まさか王がそこまでしているとは。よほどレッドナイト公爵家が気に入らないようですね。」
「そのようですね。」
ユリの息遣いが少しずつ荒くなり、その吐息が私の耳元にかかる。私は両手で顔を隠しながら、小さな声で訴えた。
「あの…さすがに恥ずかしいです。」
その言葉に、ユリの顔が一瞬だけ赤くなった。
「俺も…結構恥ずかしいです。ですが、あなたの体に負担をかけたくないのです。」
彼の耳まで赤く染まった顔を指の隙間から見て、私は思わず笑いそうになった。彼が本当に照れていることに気づき、その姿を愛おしく感じる。
(彼だけが頑張っているなんて、ちょっと可哀想…。)
そう思った私は、小さく息を吸い込み、提案をすることを決意した。彼と一緒にこの状況を乗り切るために。
「ユリ…疲れたらまたキスでもして下さい。」
愛情を沢山注いでくれていた彼を長い期間恐がり、拒絶した罪悪感が少しあった。しかし、彼が私にしてくれることは本当の愛情から来ているものだと今では確信できたため、心を許すことにした。
(そうよ。キスでも何でもこいだわ!夫婦なんだから!!)
「メイ。気持ちは嬉しいですけど…その、あまり誘惑しないで下さい。本当にアナタの体に負担をかけたくなります。話し合いどころではなくなります。」
彼は何かを我慢しているかのような辛そうな顔を浮かべながら腕立て伏せの速度をあげていた。次第に彼の体から汗が滴り落ち、美しい筋肉がバスローブの間からチラリチラリと見え隠れし、私の心臓がバクバクと高鳴ってしまう。
―――そうだった。忘れてはいけない。この人が本当に私のことを愛してくれている可能性が高いということを。愛するに至ったきっかけがイマイチわからないので100%信じることはできないけれど、彼に殺されないということだけは確かなはず。
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