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シーズン1
28.羞恥のバスタイム
バスルームの扉が静かに閉じられると、蒸気が満ちた室内が一層熱を帯びた。白い大理石が光を反射し、浴槽の湯気が優雅に揺れている。その中で、メイシールは浴槽の端に寄りかかり、心臓の高鳴りを必死に抑えようとしていた。
「ユリ、もう十分です。私、一人でできますから…。」
彼女は湯気に隠れた彼を見上げながら、小さな声で訴えた。
だが、ユリドレは微笑むだけで、一切退く気配を見せなかった。彼の目は優しくもあり、どこか意地悪さを感じさせる輝きを帯びていた。
「恥ずかしがらないでください。俺がアナタを隅々まで綺麗にしたいだけです。」
そう言って、彼は湯桶を手に取り、湯を軽くすくった。その動作はまるで儀式のように丁寧だった。
「ちょっと待って…!」
メイシールの声は震えていた。だが、ユリドレは気にする様子もなく、彼女の肩に湯をそっと流し始める。その瞬間、湯気の中でも分かるほど彼女の肌が赤く染まった。
「じっとしていてください。」
彼の低い声が静かに響く。その言葉には抗えない圧力が含まれており、メイシールは仕方なく彼の手に身を委ねるしかなかった。
彼は滑らかなタオルを取り、泡立てながらメイシールの腕を優しく洗い始めた。その指先が滑るたび、彼女の体は敏感に反応してしまう。
「…こ、こんなところまで洗わなくても!」
彼女が声を上げると、ユリドレは軽く首を傾げ、どこか楽しげに言った。
「アナタが洗い残して風邪でも引いたら困りますからね。」
その言葉の後、彼の手が彼女の背中へと滑り込み、丁寧にマッサージするように動き始めた。彼の指先が筋肉の緊張を解きほぐすたび、メイシールの体から力が抜けていく。だが、その一方で羞恥心が全身を駆け巡り、顔を真っ赤にしたまま湯気の中で固まっていた。
「メイ、肩がこんなに凝っているなんて…。これでは公爵夫人の仕事がつらいのも無理はありません。」
彼の声には、どこか本気の心配が含まれていた。
「そ、それとこれとは関係ありません!」
必死に抗議するメイシールだったが、彼の手が今度は彼女の足元へと移動した瞬間、言葉が喉に詰まった。
ユリドレは膝をつき、彼女の足をそっと持ち上げる。その動作があまりに自然で、メイシールは抵抗するタイミングを失った。
「こんなところに小さな傷が…。」
彼が足の甲にある小さな擦り傷を指摘すると、メイシールはさらに顔を赤くして言い返した。
「そ、それくらい平気ですから!」
だが、ユリドレは聞く耳を持たず、指先で優しくその傷をなぞる。その触れ方は思いやりに溢れていたが、メイシールには余計に耐え難い羞恥心を引き起こした。
「どうしてそんなに恥ずかしがるのです?」
ユリドレは笑みを浮かべながら尋ねる。その笑みがあまりに自信に満ちていて、彼女の抗議は再び封じられてしまった。
「ユリ…お願いですから、もうやめてください。」
彼女の声は、ほとんど懇願に近いものだった。
だが、ユリドレは彼女の言葉に耳を貸さず、立ち上がるとそのまま浴槽の湯をかけて泡を流した。そして、彼女の髪に手を伸ばし、そっと撫でながら言った。
「最後に髪を洗って終わりにしましょう。それでメイの全てが完璧になります。」
その言葉に、メイシールはもう何も言えなくなり、ただ彼の手の動きを受け入れるしかなかった。
浴室には湯が流れる音と、ユリドレの優しい囁き声が響いていた。そして、湯気に包まれた空間の中で、メイシールの羞恥心と彼への複雑な感情が交錯していた。
湯気が立ち込める脱衣室に入ると、そこにはミレーヌが控えていた。驚いた私の視線を受けながらも、彼女はいつもの冷静な表情で一礼する。彼女の手には清潔なタオルがあり、私が何も言う間もなく、手際よく身体を拭き始めた。タオルの柔らかな感触が肌に触れるたびに、湯気と汗が拭われ、清々しい気持ちになる。
「ミレーヌ、ありがとう。でも、自分でできますから…。」
弱々しく抗議してみるが、彼女は穏やかに微笑み、首を軽く横に振るだけだった。
「メイシール様、私の仕事です。お任せください。」
その声はどこか優しく、それ以上言い返す気力を奪うほどに確信に満ちている。髪も丁寧にタオルで包まれ、湯気で湿った部分を拭き取られるたび、少しずつ気持ちが落ち着いていくのを感じた。
ミレーヌの存在が、この状況を少しだけ現実味のあるものに戻してくれた。
「ユリドレ様、差し出がましいかもしれませんが、どうかメイシール様の体に無理をさせないでください。」
拭き終わったミレーヌが振り返り、真剣な表情でユリに向き合った。その言葉には、深い忠誠心と私への気遣いが込められていた。
「分かっている。」
ユリは淡々と答えたが、その声にはどこか彼女の忠告を素直に受け入れた様子が感じられる。
「ミレーヌ、ありがとう。私は大丈夫。…それと、外の噂を鵜呑みにしないで。いつかちゃんと本当のことを話すから。」
私がそう言うと、彼女は一瞬だけ目を伏せ、静かに頷いた。その動作には、私の言葉をしっかりと受け止めたという意思が感じられた。
「畏まりました。それでは失礼致します。外の者には再び房事が始まったと伝えておきます。」
その言葉に、私は一瞬動揺してしまった。ミレーヌの冷静な態度に隠された機転を感じつつも、その直球な表現に顔が赤くなる。彼女が深々と頭を下げて退出すると、部屋に残された静寂が、余計にその言葉の響きを鮮明にしていた。
ユリが微かに笑いながら言った。
「よくできた侍女ですね。」
「えぇ。ミレーヌは…最初の人生の時に私を庇って命を落としているの。だから一番信頼できる侍女よ。」
彼の瞳に、一瞬驚きの色が浮かび、それから柔らかな表情に変わる。
「なるほど。それは確かに信頼できますね。」
そう言うと、ユリは自然な動作で私を抱き上げた。その腕の中は安心感と同時に緊張をもたらす。軽々と抱えられたことが少し恥ずかしく、顔を彼の胸に押しつけるようにして目を逸らす。
「ユリ、そんなに抱き上げなくてもいいのに…。」
小さく抗議してみるが、彼はどこ吹く風といった様子で私をベッドへと運ぶ。その瞳は穏やかで、まるで私の弱々しい声すら楽しんでいるかのようだった。
ベッドにそっと寝かされると、ユリドレは手際よく毛布をかけてくれた。その動作の丁寧さに、メイシールは思わず顔を赤くする。自分がまるで子供扱いされているようで恥ずかしい反面、その優しさに胸が温かくなる。
「ユリ…」と、メイシールは小さな声で呟いた。
「ん?」ユリドレが隣で横になり、穏やかな顔をこちらに向ける。その瞳には、微かな疲労と共に優しい光が宿っていた。
「ユリのおいたちも、聞いてみたいなって思って…。」
突然の言葉に、彼の眉が少しだけ動く。メイシールは内心でドキリとしたが、ユリドレは短く息を吐いて、目を閉じた。
「面白い話ではありませんよ。」彼の声は静かで、どこか諦めたような響きを帯びていた。
それでもメイシールは、ほんの少し笑みを浮かべ、彼に近づいた。彼女の瞳はまっすぐで、どこか愛おしさを込めて彼を見つめている。
「それでも、ユリのことをもっと知りたいの。あなたがどんな人生を歩んできたのか、どんな気持ちでここまで来たのか…全部。」
その言葉に、ユリドレの目がゆっくりと開いた。まるで彼女の瞳に吸い込まれるように視線が絡む。その真剣な眼差しに、彼の喉がわずかに動いた。
「メイ、そんなふうに言われると、引けなくなりますね。」
少し困ったような笑みを浮かべたユリドレは、静かに体を起こしてベッドの縁に座った。彼の表情から、わずかな迷いが消えていくのがわかる。
「分かりました。最初から話しますね。」
彼がそう言った瞬間、メイシールの胸がじんわりと温かくなった。彼の過去に触れるその瞬間が、これまで以上に彼を知るきっかけになると感じながら、彼の次の言葉を待った。
「ユリ、もう十分です。私、一人でできますから…。」
彼女は湯気に隠れた彼を見上げながら、小さな声で訴えた。
だが、ユリドレは微笑むだけで、一切退く気配を見せなかった。彼の目は優しくもあり、どこか意地悪さを感じさせる輝きを帯びていた。
「恥ずかしがらないでください。俺がアナタを隅々まで綺麗にしたいだけです。」
そう言って、彼は湯桶を手に取り、湯を軽くすくった。その動作はまるで儀式のように丁寧だった。
「ちょっと待って…!」
メイシールの声は震えていた。だが、ユリドレは気にする様子もなく、彼女の肩に湯をそっと流し始める。その瞬間、湯気の中でも分かるほど彼女の肌が赤く染まった。
「じっとしていてください。」
彼の低い声が静かに響く。その言葉には抗えない圧力が含まれており、メイシールは仕方なく彼の手に身を委ねるしかなかった。
彼は滑らかなタオルを取り、泡立てながらメイシールの腕を優しく洗い始めた。その指先が滑るたび、彼女の体は敏感に反応してしまう。
「…こ、こんなところまで洗わなくても!」
彼女が声を上げると、ユリドレは軽く首を傾げ、どこか楽しげに言った。
「アナタが洗い残して風邪でも引いたら困りますからね。」
その言葉の後、彼の手が彼女の背中へと滑り込み、丁寧にマッサージするように動き始めた。彼の指先が筋肉の緊張を解きほぐすたび、メイシールの体から力が抜けていく。だが、その一方で羞恥心が全身を駆け巡り、顔を真っ赤にしたまま湯気の中で固まっていた。
「メイ、肩がこんなに凝っているなんて…。これでは公爵夫人の仕事がつらいのも無理はありません。」
彼の声には、どこか本気の心配が含まれていた。
「そ、それとこれとは関係ありません!」
必死に抗議するメイシールだったが、彼の手が今度は彼女の足元へと移動した瞬間、言葉が喉に詰まった。
ユリドレは膝をつき、彼女の足をそっと持ち上げる。その動作があまりに自然で、メイシールは抵抗するタイミングを失った。
「こんなところに小さな傷が…。」
彼が足の甲にある小さな擦り傷を指摘すると、メイシールはさらに顔を赤くして言い返した。
「そ、それくらい平気ですから!」
だが、ユリドレは聞く耳を持たず、指先で優しくその傷をなぞる。その触れ方は思いやりに溢れていたが、メイシールには余計に耐え難い羞恥心を引き起こした。
「どうしてそんなに恥ずかしがるのです?」
ユリドレは笑みを浮かべながら尋ねる。その笑みがあまりに自信に満ちていて、彼女の抗議は再び封じられてしまった。
「ユリ…お願いですから、もうやめてください。」
彼女の声は、ほとんど懇願に近いものだった。
だが、ユリドレは彼女の言葉に耳を貸さず、立ち上がるとそのまま浴槽の湯をかけて泡を流した。そして、彼女の髪に手を伸ばし、そっと撫でながら言った。
「最後に髪を洗って終わりにしましょう。それでメイの全てが完璧になります。」
その言葉に、メイシールはもう何も言えなくなり、ただ彼の手の動きを受け入れるしかなかった。
浴室には湯が流れる音と、ユリドレの優しい囁き声が響いていた。そして、湯気に包まれた空間の中で、メイシールの羞恥心と彼への複雑な感情が交錯していた。
湯気が立ち込める脱衣室に入ると、そこにはミレーヌが控えていた。驚いた私の視線を受けながらも、彼女はいつもの冷静な表情で一礼する。彼女の手には清潔なタオルがあり、私が何も言う間もなく、手際よく身体を拭き始めた。タオルの柔らかな感触が肌に触れるたびに、湯気と汗が拭われ、清々しい気持ちになる。
「ミレーヌ、ありがとう。でも、自分でできますから…。」
弱々しく抗議してみるが、彼女は穏やかに微笑み、首を軽く横に振るだけだった。
「メイシール様、私の仕事です。お任せください。」
その声はどこか優しく、それ以上言い返す気力を奪うほどに確信に満ちている。髪も丁寧にタオルで包まれ、湯気で湿った部分を拭き取られるたび、少しずつ気持ちが落ち着いていくのを感じた。
ミレーヌの存在が、この状況を少しだけ現実味のあるものに戻してくれた。
「ユリドレ様、差し出がましいかもしれませんが、どうかメイシール様の体に無理をさせないでください。」
拭き終わったミレーヌが振り返り、真剣な表情でユリに向き合った。その言葉には、深い忠誠心と私への気遣いが込められていた。
「分かっている。」
ユリは淡々と答えたが、その声にはどこか彼女の忠告を素直に受け入れた様子が感じられる。
「ミレーヌ、ありがとう。私は大丈夫。…それと、外の噂を鵜呑みにしないで。いつかちゃんと本当のことを話すから。」
私がそう言うと、彼女は一瞬だけ目を伏せ、静かに頷いた。その動作には、私の言葉をしっかりと受け止めたという意思が感じられた。
「畏まりました。それでは失礼致します。外の者には再び房事が始まったと伝えておきます。」
その言葉に、私は一瞬動揺してしまった。ミレーヌの冷静な態度に隠された機転を感じつつも、その直球な表現に顔が赤くなる。彼女が深々と頭を下げて退出すると、部屋に残された静寂が、余計にその言葉の響きを鮮明にしていた。
ユリが微かに笑いながら言った。
「よくできた侍女ですね。」
「えぇ。ミレーヌは…最初の人生の時に私を庇って命を落としているの。だから一番信頼できる侍女よ。」
彼の瞳に、一瞬驚きの色が浮かび、それから柔らかな表情に変わる。
「なるほど。それは確かに信頼できますね。」
そう言うと、ユリは自然な動作で私を抱き上げた。その腕の中は安心感と同時に緊張をもたらす。軽々と抱えられたことが少し恥ずかしく、顔を彼の胸に押しつけるようにして目を逸らす。
「ユリ、そんなに抱き上げなくてもいいのに…。」
小さく抗議してみるが、彼はどこ吹く風といった様子で私をベッドへと運ぶ。その瞳は穏やかで、まるで私の弱々しい声すら楽しんでいるかのようだった。
ベッドにそっと寝かされると、ユリドレは手際よく毛布をかけてくれた。その動作の丁寧さに、メイシールは思わず顔を赤くする。自分がまるで子供扱いされているようで恥ずかしい反面、その優しさに胸が温かくなる。
「ユリ…」と、メイシールは小さな声で呟いた。
「ん?」ユリドレが隣で横になり、穏やかな顔をこちらに向ける。その瞳には、微かな疲労と共に優しい光が宿っていた。
「ユリのおいたちも、聞いてみたいなって思って…。」
突然の言葉に、彼の眉が少しだけ動く。メイシールは内心でドキリとしたが、ユリドレは短く息を吐いて、目を閉じた。
「面白い話ではありませんよ。」彼の声は静かで、どこか諦めたような響きを帯びていた。
それでもメイシールは、ほんの少し笑みを浮かべ、彼に近づいた。彼女の瞳はまっすぐで、どこか愛おしさを込めて彼を見つめている。
「それでも、ユリのことをもっと知りたいの。あなたがどんな人生を歩んできたのか、どんな気持ちでここまで来たのか…全部。」
その言葉に、ユリドレの目がゆっくりと開いた。まるで彼女の瞳に吸い込まれるように視線が絡む。その真剣な眼差しに、彼の喉がわずかに動いた。
「メイ、そんなふうに言われると、引けなくなりますね。」
少し困ったような笑みを浮かべたユリドレは、静かに体を起こしてベッドの縁に座った。彼の表情から、わずかな迷いが消えていくのがわかる。
「分かりました。最初から話しますね。」
彼がそう言った瞬間、メイシールの胸がじんわりと温かくなった。彼の過去に触れるその瞬間が、これまで以上に彼を知るきっかけになると感じながら、彼の次の言葉を待った。
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