43 / 128
シーズン1
43.幼き手首に宿る謎
「奥様、これを…。」
ミレーヌが差し出した小さな包みを受け取ると、その中には白い宝石が美しく埋め込まれたアンクレットが入っていた。手の中でひんやりとしたその感触に驚きながら、私は包みをしっかりと握りしめた。
「これは…?」
不思議そうに問いかけると、ミレーヌは少し疲れた表情ながらも、静かに説明を始めた。
「それは、レッドナイト家で幼少期の特殊能力者に必ず着けさせるものです。感情の高ぶりによる発火を封じるために使われます。奥様の息子様がこの力を持っているのであれば、これをつけておくことで、安心して過ごすことができるはずです。」
彼女の言葉を聞いて、私は息を呑んだ。
「ミレーヌ、これをどこで手に入れたの?」
「公爵邸に戻り、必要な物を持ち出してきました。」
ミレーヌはさらりと言ったが、服には切り傷やほころびが目立ち、その言葉が簡単なものではなかったことを物語っていた。
「…危険だったんじゃないの?」
心配そうに尋ねると、彼女は一瞬だけ視線を逸らし、小さく微笑んだ。
「少し、追跡を振り切るのに苦労しましたが、問題ありません。それよりも、奥様とメアルーシュ様の安全が最優先です。」
その一言に、胸が締め付けられるような感情が湧き上がった。
「ミレーヌ…ごめんなさい。こんな危険なことに巻き込んでしまって…。」
「いえ、奥様。」
彼女は私の目を見据えながら、言葉を続けた。
「私は奥様の力になれることが、何よりも嬉しいのです。」
アンクレットを手に取り、その白い宝石をじっと見つめた。光を受けて淡い輝きを放つそれが、私と息子を守る鍵になるのだと思うと、不思議な安堵感が心に広がった。
「メアルーシュ…これをつけてみましょうね。」
私は彼を抱き上げ、小さな足に優しくアンクレットをはめた。彼の足首にぴたりと収まるそれを確認し、胸を撫で下ろした。
「これで安心だね。」
微笑みながら息子に話しかけると、彼は無邪気な笑顔で「ママ!」と声を上げ、小さな手で私の頬を触れた。その温かさが、私の疲れた心を静かに癒してくれるようだった。
ミレーヌはボロボロの服を整えるため、私の指示で空き部屋へ向かい、しばらくしてメイド服に着替えて戻ってきた。しかし、その姿には依然として疲労の色が濃く、至る所に傷が見えた。
「ミレーヌ、今日はもうゆっくり休んで。」
私は彼女を気遣い、静かに声をかけた。
「奥様、ありがとうございます。でも、まだ私にはやるべきことが…。」
「ラズベルがいるわ。安心して休んでちょうだい。」
私の言葉に、ミレーヌは一瞬迷うような表情を見せたが、最終的に軽く頷き、その場を去った。
再び静寂が戻った部屋で、私は息子の小さな手を握りしめながら、心に渦巻く感情を整理しようと努めた。
「メアルーシュ、大丈夫よ。」
耳元でささやくと、彼はまた私に笑いかけた。その笑顔に救われながら、私は再び強さを取り戻そうと決意した。
しかし、その時、とんでもないものが目に飛び込んできた。メアルーシュの手首に現れたタトゥーを見て驚いた。それはユリの足首にあるのと同じ透明化の能力を示すものだった。
「これは…」私は戸惑いながらも、メアルーシュの手首を見つめながらつぶやいた。
「お嬢様、どうかされましたか?」
ラズベルが心配そうにのぞき込む。私は咄嗟に息子の手首のタトゥーを隠した。本来タトゥーは一人に1つだ。2つ現れるのは極まれで、それは隠しておかないと、良くない何かに巻き込まれる心配があった。
「ううん、なんでもないわ。それより、暇だから刺繍でもしようかしら。」
そう言うと、ラズベルが刺繍をするための道具を取りにパタパタと去って行った。
私はラズベルの後ろ姿を見送りながら、息子の手首のタトゥーを隠す方法を考えた。刺繍をした布を手首に巻いておけば、誰にも気づかれずに問題を解決できるだろうと思った。
――こんなにもユリの知恵が必要だなんて…。この状況、どうにかしないと…。
しばらくして裁縫道具を持ってきたラズベルはリビングのローテーブルにそれらを置いた。
「お待たせしました。」
「ありがとう。」
彼女の手際の良さに感心しながら、私は彼女の隣に座り、刺繍を始めた。
「そういえば、お嬢様。どうしてミレーヌ様はお嬢様ではなく奥様と呼ぶのですか?」
「あっ…報告忘れてたわ。レッドナイト公爵家に嫁いだのよ。」
「あ…それは失礼しました。奥様。てっきり婚約が先かと思って‥‥。」
「普通はそうよね。貴族の結婚はたくさん時間がいるもの。私の夫のユリドレはあらゆる手を尽くして最短で結婚したのよ。」
「畏まりました。では奥様とお呼び致しますね。」
私に背を向けてソファーに座る息子、メアルーシュが妙に静かだった。その静けさは、いつもは元気に声を上げたり、おもちゃを投げたりする彼からは想像もつかないものだった。私は針仕事の手を止め、不安な気持ちに駆られながら彼の様子を伺った。
「ルー?」
声をかけても振り向かない。私はそっと立ち上がり、息を殺して彼の背後に近づいた。
息子の背中越しに目を凝らすと、彼の手元には何もなく、ただじっと何かを見つめているようだった。その瞬間、何か異様な気配を感じ、私は息子を守るように立ち上がり、周囲を見回した。
「誰も…いないわよね。」
私は小声でつぶやきながら、部屋の隅やカーテンの影を確認した。ユリの透明化の能力が頭をよぎり、背筋に冷たいものが走った。だが、どこを探しても誰の姿もない。
「ルー、パパがいたの?」
私は息子の肩を優しく撫でながら尋ねた。メアルーシュはその問いに首を大きく左右に振り、無邪気な笑みを浮かべた。
「そっか、パパはいないのね。」
私は息を吐き、胸の中の緊張をわずかに緩めた。
ソファーに戻り、針仕事に集中しようとしたが、息子の静けさがどうしても頭から離れなかった。刺繍枠を手に取り、針と糸を丁寧に動かしながらも、心の中は不安と疑念で渦巻いていた。
「これで大丈夫よね。」
夜遅くになり、ようやく完成した刺繍入りの布をメアルーシュの手首に巻いた。その布には魔除けの意味を込めて精一杯の想いを刺繍していた。
息子の小さな手首に布を巻きつけると、彼は眠そうに目をこすりながらも嬉しそうに微笑んだ。その純粋な笑顔を見て、私は一瞬だけ心が軽くなった。
「これで少しは安全よ。ルー、安心してね。」
その言葉は、息子だけでなく、自分自身に向けたものでもあった。
刺繍を巻き終えた後、ふと息子の手首に能力の兆候が現れることが、レッドナイト家の血筋では異例であることを思い出した。
「普通は足首に現れるはずなのに、どうして手首なのかしら。」
ユリが説明していた「染色体異常」という言葉が頭をよぎる。異国人との混血である彼の存在が、どれほど特異であるのかを思い知らされた。
その夜、私は久しぶりに新聞と本を広げ、ホワイトホスト王国の歴史や背景をもう一度読み返していた。鎖国国家であるこの国では、異国との交流が制限されている。しかし、例外として許されるのがレッドナイト家とブルービショップ家だった。
―――――護衛…そして魔石の商売。
その一言が、私の胸にざわめきをもたらした。魔石に秘められた能力を異国に売るために護衛が必要だという理由があり、その役目をレッドナイト公爵家に任せていた。
―――――ゴールドキング公爵家は…どうして介入してこないのかしら。」
私は思わず独り言を漏らした。あの家はこの国で最も大きな勢力を持つと言われているのに、何故かこの取引や護衛には一切関わらない。それが不自然でならなかった。
―――――王妃だった頃…私はゴールドキング家を警戒していた。」
過去の記憶がよみがえる。何度も彼らの企みを警戒して動いてきたはずなのに、彼らが直接的に動いてきたことは一度もなかった。
―――――何か裏があるのかもしれない。
私は針仕事を再び始めながら、心の中に新たな疑念が浮かんできた。この国の仕組みが自分の中で再び解けない謎となり、頭を支配していった。
ミレーヌが差し出した小さな包みを受け取ると、その中には白い宝石が美しく埋め込まれたアンクレットが入っていた。手の中でひんやりとしたその感触に驚きながら、私は包みをしっかりと握りしめた。
「これは…?」
不思議そうに問いかけると、ミレーヌは少し疲れた表情ながらも、静かに説明を始めた。
「それは、レッドナイト家で幼少期の特殊能力者に必ず着けさせるものです。感情の高ぶりによる発火を封じるために使われます。奥様の息子様がこの力を持っているのであれば、これをつけておくことで、安心して過ごすことができるはずです。」
彼女の言葉を聞いて、私は息を呑んだ。
「ミレーヌ、これをどこで手に入れたの?」
「公爵邸に戻り、必要な物を持ち出してきました。」
ミレーヌはさらりと言ったが、服には切り傷やほころびが目立ち、その言葉が簡単なものではなかったことを物語っていた。
「…危険だったんじゃないの?」
心配そうに尋ねると、彼女は一瞬だけ視線を逸らし、小さく微笑んだ。
「少し、追跡を振り切るのに苦労しましたが、問題ありません。それよりも、奥様とメアルーシュ様の安全が最優先です。」
その一言に、胸が締め付けられるような感情が湧き上がった。
「ミレーヌ…ごめんなさい。こんな危険なことに巻き込んでしまって…。」
「いえ、奥様。」
彼女は私の目を見据えながら、言葉を続けた。
「私は奥様の力になれることが、何よりも嬉しいのです。」
アンクレットを手に取り、その白い宝石をじっと見つめた。光を受けて淡い輝きを放つそれが、私と息子を守る鍵になるのだと思うと、不思議な安堵感が心に広がった。
「メアルーシュ…これをつけてみましょうね。」
私は彼を抱き上げ、小さな足に優しくアンクレットをはめた。彼の足首にぴたりと収まるそれを確認し、胸を撫で下ろした。
「これで安心だね。」
微笑みながら息子に話しかけると、彼は無邪気な笑顔で「ママ!」と声を上げ、小さな手で私の頬を触れた。その温かさが、私の疲れた心を静かに癒してくれるようだった。
ミレーヌはボロボロの服を整えるため、私の指示で空き部屋へ向かい、しばらくしてメイド服に着替えて戻ってきた。しかし、その姿には依然として疲労の色が濃く、至る所に傷が見えた。
「ミレーヌ、今日はもうゆっくり休んで。」
私は彼女を気遣い、静かに声をかけた。
「奥様、ありがとうございます。でも、まだ私にはやるべきことが…。」
「ラズベルがいるわ。安心して休んでちょうだい。」
私の言葉に、ミレーヌは一瞬迷うような表情を見せたが、最終的に軽く頷き、その場を去った。
再び静寂が戻った部屋で、私は息子の小さな手を握りしめながら、心に渦巻く感情を整理しようと努めた。
「メアルーシュ、大丈夫よ。」
耳元でささやくと、彼はまた私に笑いかけた。その笑顔に救われながら、私は再び強さを取り戻そうと決意した。
しかし、その時、とんでもないものが目に飛び込んできた。メアルーシュの手首に現れたタトゥーを見て驚いた。それはユリの足首にあるのと同じ透明化の能力を示すものだった。
「これは…」私は戸惑いながらも、メアルーシュの手首を見つめながらつぶやいた。
「お嬢様、どうかされましたか?」
ラズベルが心配そうにのぞき込む。私は咄嗟に息子の手首のタトゥーを隠した。本来タトゥーは一人に1つだ。2つ現れるのは極まれで、それは隠しておかないと、良くない何かに巻き込まれる心配があった。
「ううん、なんでもないわ。それより、暇だから刺繍でもしようかしら。」
そう言うと、ラズベルが刺繍をするための道具を取りにパタパタと去って行った。
私はラズベルの後ろ姿を見送りながら、息子の手首のタトゥーを隠す方法を考えた。刺繍をした布を手首に巻いておけば、誰にも気づかれずに問題を解決できるだろうと思った。
――こんなにもユリの知恵が必要だなんて…。この状況、どうにかしないと…。
しばらくして裁縫道具を持ってきたラズベルはリビングのローテーブルにそれらを置いた。
「お待たせしました。」
「ありがとう。」
彼女の手際の良さに感心しながら、私は彼女の隣に座り、刺繍を始めた。
「そういえば、お嬢様。どうしてミレーヌ様はお嬢様ではなく奥様と呼ぶのですか?」
「あっ…報告忘れてたわ。レッドナイト公爵家に嫁いだのよ。」
「あ…それは失礼しました。奥様。てっきり婚約が先かと思って‥‥。」
「普通はそうよね。貴族の結婚はたくさん時間がいるもの。私の夫のユリドレはあらゆる手を尽くして最短で結婚したのよ。」
「畏まりました。では奥様とお呼び致しますね。」
私に背を向けてソファーに座る息子、メアルーシュが妙に静かだった。その静けさは、いつもは元気に声を上げたり、おもちゃを投げたりする彼からは想像もつかないものだった。私は針仕事の手を止め、不安な気持ちに駆られながら彼の様子を伺った。
「ルー?」
声をかけても振り向かない。私はそっと立ち上がり、息を殺して彼の背後に近づいた。
息子の背中越しに目を凝らすと、彼の手元には何もなく、ただじっと何かを見つめているようだった。その瞬間、何か異様な気配を感じ、私は息子を守るように立ち上がり、周囲を見回した。
「誰も…いないわよね。」
私は小声でつぶやきながら、部屋の隅やカーテンの影を確認した。ユリの透明化の能力が頭をよぎり、背筋に冷たいものが走った。だが、どこを探しても誰の姿もない。
「ルー、パパがいたの?」
私は息子の肩を優しく撫でながら尋ねた。メアルーシュはその問いに首を大きく左右に振り、無邪気な笑みを浮かべた。
「そっか、パパはいないのね。」
私は息を吐き、胸の中の緊張をわずかに緩めた。
ソファーに戻り、針仕事に集中しようとしたが、息子の静けさがどうしても頭から離れなかった。刺繍枠を手に取り、針と糸を丁寧に動かしながらも、心の中は不安と疑念で渦巻いていた。
「これで大丈夫よね。」
夜遅くになり、ようやく完成した刺繍入りの布をメアルーシュの手首に巻いた。その布には魔除けの意味を込めて精一杯の想いを刺繍していた。
息子の小さな手首に布を巻きつけると、彼は眠そうに目をこすりながらも嬉しそうに微笑んだ。その純粋な笑顔を見て、私は一瞬だけ心が軽くなった。
「これで少しは安全よ。ルー、安心してね。」
その言葉は、息子だけでなく、自分自身に向けたものでもあった。
刺繍を巻き終えた後、ふと息子の手首に能力の兆候が現れることが、レッドナイト家の血筋では異例であることを思い出した。
「普通は足首に現れるはずなのに、どうして手首なのかしら。」
ユリが説明していた「染色体異常」という言葉が頭をよぎる。異国人との混血である彼の存在が、どれほど特異であるのかを思い知らされた。
その夜、私は久しぶりに新聞と本を広げ、ホワイトホスト王国の歴史や背景をもう一度読み返していた。鎖国国家であるこの国では、異国との交流が制限されている。しかし、例外として許されるのがレッドナイト家とブルービショップ家だった。
―――――護衛…そして魔石の商売。
その一言が、私の胸にざわめきをもたらした。魔石に秘められた能力を異国に売るために護衛が必要だという理由があり、その役目をレッドナイト公爵家に任せていた。
―――――ゴールドキング公爵家は…どうして介入してこないのかしら。」
私は思わず独り言を漏らした。あの家はこの国で最も大きな勢力を持つと言われているのに、何故かこの取引や護衛には一切関わらない。それが不自然でならなかった。
―――――王妃だった頃…私はゴールドキング家を警戒していた。」
過去の記憶がよみがえる。何度も彼らの企みを警戒して動いてきたはずなのに、彼らが直接的に動いてきたことは一度もなかった。
―――――何か裏があるのかもしれない。
私は針仕事を再び始めながら、心の中に新たな疑念が浮かんできた。この国の仕組みが自分の中で再び解けない謎となり、頭を支配していった。
あなたにおすすめの小説
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
離宮に隠されるお妃様
agapē【アガペー】
恋愛
私の妃にならないか?
侯爵令嬢であるローゼリアには、婚約者がいた。第一王子のライモンド。ある日、呼び出しを受け向かった先には、女性を膝に乗せ、仲睦まじい様子のライモンドがいた。
「何故呼ばれたか・・・わかるな?」
「何故・・・理由は存じませんが」
「毎日勉強ばかりしているのに頭が悪いのだな」
ローゼリアはライモンドから婚約破棄を言い渡される。
『私の妃にならないか?妻としての役割は求めない。少しばかり政務を手伝ってくれると助かるが、後は離宮でゆっくり過ごしてくれればいい』
愛し愛される関係。そんな幸せは夢物語と諦め、ローゼリアは離宮に隠されるお妃様となった。
王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする
葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。
そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった!
ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――?
意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
お兄様はやさしく笑って、逃げ道だけをなくしていく
星乃和花
恋愛
縁談に悩む子爵令嬢リゼットが助けを求めたのは、名門侯爵家の長男アルフレッド。
穏やかでやさしく、理想のお兄様のような彼は、「君のことは僕が見ている」と甘く手を差し伸べてくれる。
送り迎え、花や手紙、完璧なエスコート。
守られているだけのはずが、気づけば周囲には「彼女はもうノースウェル侯爵家のもの」という空気ができあがっていて――。
ふわふわ優しいのに、実はかなり策略家。
やさしく逃げ道をなくしてくるお兄様系ヒーローに、恋愛に疎い令嬢がじわじわ囲い落とされていく、甘くて幸せな溺愛ラブストーリー。
――「待つよ」と言いながら、外堀はきっちり埋めてくる――
(完結済ー本編10話+後日談2話)
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。