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シーズン1
49.幼き預言者、家族の運命を握る小さな手
メアルーシュの手から突然放たれた火の玉が、私の頬をかすめて消えた。
時間が止まったような静寂が訪れた。心臓が跳ね上がるほど驚いた私は、息子を振り返った。
「ルー…?」
封じのアンクレットが床に落ちているのが視界に入る。息子はそれに気づいた様子もなく、ただ困惑した表情で私を見上げていた。その小さな瞳には、まるで「助けて」とでも言うような必死さが浮かんでいた。その姿に胸が締め付けられるようだった。
そして、視界の端に不自然な影が映る。振り返ると、そこには黒いボディースーツを纏ったユリが立っていた。彼の姿は暗闇の中でも際立っていて、その鋭い目が私を射抜いてくる。手には刃物が握られ、もう片方の手は空中で微かに動き、先ほど飛んだ火の玉を消した余韻を残しているようだった。
「ユリ…?」
思わず彼の名前を呼ぶと、その瞬間、彼が一歩前に踏み出した。その動きに反射的に後ずさりしてしまう。緊張感が一気に高まり、全身が硬直するのを感じた。まるで全ての感覚が研ぎ澄まされ、彼の一挙一動が脅威となって私に迫ってくる。
「どうして…私たちを…?」
震える声でそう問いかける。けれど、ユリは答えない。ただその目でじっと私を見つめている。そこには怒りとも悲しみとも取れる複雑な感情が混じっていて、彼が何を考えているのか全く分からなかった。
そのときだった。
「父さん待って!!母さんと父さんは誤解してるんだ!!俺の足を見て!!」
突然、息子が強い声で叫んだ。その幼い声には、信じられないほどの力強さが宿っていた。彼の言葉に驚き、私は視線を彼の足に向ける。
息子の左足首に視線を移すと、そこには青白く輝く鎖のタトゥーが浮かび上がっていた。それも二重に絡まるように刻まれている。見た瞬間、息が止まるかのような衝撃が胸を突き刺した。
「…ルー…これ…。」
言葉が出ない。目の前の現実が信じられなかった。ブルービショップ家の特殊能力の証が、こんなにも幼い息子に現れるなんて。それが何を意味するのか、どうしてそんなことが起きたのか、頭の中が混乱でいっぱいになる。
ユリもまた、その光景に目を奪われていた。彼の目には驚きがはっきりと浮かび、手にしていた刃物が力なく床に落ちた。カランと硬質な音が部屋に響く。その音が部屋の静寂を一瞬破ったが、再び沈黙が訪れる。
「…間に合った…。」
息子が小さな声で呟いた。その声は疲れ果てたようでもあり、安堵のようでもあり、感情をはっきりと読み取ることはできなかった。けれど、その体が小刻みに震えているのが分かる。
「ルー…。」
私は息子を反射的に抱きしめた。その小さな体は火の玉を放った後の余韻なのか、微かに熱を帯びているように感じられた。息子の体温と鼓動が、私の胸の中で静かに響いてくる。
「ルー、一体何が…?」
問いかける声は震えていた。けれど、息子は何も答えない。ただ私の胸の中で小さく震えながら身を任せている。ユリはその様子を見つめるだけで、何も言葉を発さなかった。
私は息子をぎゅっと抱きしめたまま、ユリの顔を見た。彼の目には今まで見たことのないような感情が渦巻いていた。戸惑い、怒り、そして哀しみ――それらが入り混じり、彼自身もどうしていいか分からないといった表情だった。
「ルー!何があったの!?」
「ルー!何があった?!」
私はすぐに息子に駆け寄り、その小さな体を抱きしめた。彼の体はまだ微かに熱を帯びていて、何が起きたのかまるで理解できないまま、ただその存在を守ろうとするしかなかった。その時、ユリもまた息子に駆け寄り、私たちは同時にルーを抱きしめた。
その瞬間、私とユリの手が偶然触れ合い、お互いの温かさを感じた。その奇妙な一体感に、私たちは自然と顔を見合わせる。
「ふ、二人とも…痛い…。」
ルーの小さな声が震えながら響いた。私たちはハッと気づき、同時に彼の体から手を離した。
「ごめん。」
「すまない。」
謝罪の言葉が重なり、私たちは再び顔を見合わせる。だが、その視線の先にあるものは、怒りや疑念ではなく、戸惑いと何かを悟り始めたような静かな思いだった。
その沈黙を破ったのは、意外にも息子の言葉だった。
「二人とも、浮気なんてしていない。」
「「え?」」
私とユリは同時に驚きの声を漏らし、目を丸くして息子を見た。その言葉が何を意味するのか、すぐには理解できなかった。ただ、その真剣な瞳が嘘を言っていないことだけは分かった。
ルーは小さく深呼吸をしてから、私たちを見つめ、静かに語り始めた。
「父さんは今、母さんを殺してしまって、俺を育てることを放棄した。それが俺の一度目の人生だった。」
その言葉に、私の体は一気に冷たくなった。信じられない話が、息子の口から淡々と語られる。
「馬鹿な…俺が…。」
「ユリ…。」
ユリの声は震えていた。彼は呆然とした表情でルーを見つめ、私もまた言葉を失い、ただ聞き入るしかなかった。
「二度目の人生では、ここに回帰してすぐ父さんに、母さんが父さんの浮気を疑ってるって話をしたんだ。でも、父さんはそれで病んでしまって…母さんを自由にするって言って勝手に自害した。」
その告白に、私の胸が締め付けられた。ユリが私を自由にするために自ら命を絶つなど、想像もできない未来だった。
「母さんは、父さんの後を追うように誰かに殺してもらったみたいだった。それで、俺はまた孤独になって、今度は別の誰かに殺されてしまった。だから、二人とも、ちゃんと生きて助けてほしいんだ…だめかな?」
ルーの声は弱々しかったが、必死さが伝わる。その小さな体が震えているのを感じ、私の目から涙が溢れた。
「すまない…。待ってくれ…頭を整理させてくれ。」
「まさかルーを置いて死んじゃうなんて…。」
ユリは動揺し、私もまた深い悲しみで言葉を絞り出すことしかできなかった。彼の話は信じられないほど残酷で、胸をえぐるような現実だった。
「分かった。とりあえず、俺はメイを殺さない。それから、ルーを放置しない。先に誓おう。」
ユリが固い声でそう宣言した。その瞳には、迷いを捨てた強い意志が宿っていた。
「えぇ、私もルーを置いて死んだりしないわ。」
私は涙を拭いながらそう答えた。ユリと私は、お互いに誓いを交わし、息子の未来を守る決意を新たにした。
その言葉に、ルーは安堵の表情を浮かべ、小さな声で呟いた。
「良かった…。もう生きることに疲れそうだよ。」
その言葉が、彼がどれほどの苦しみを抱えていたかを物語っていた。彼の体を優しく抱き寄せ、その小さな背中を撫でながら、私は心の中で強く誓った。
――この子を、必ず守る。絶対に守り抜く。
ユリもまた、ルーを見つめながら深く頷いた。その目には、かつて見たことのない優しさと覚悟が宿っていた。
長い人生を繰り返し生きた2歳の息子は、まだ赤子のはずなのに、大人のような疲れ切った表情を浮かべていた。その表情を見るたび、私は胸が締め付けられるような思いだった。この幼い子が背負っている重さ、それがどれほどのものなのかを想像するだけで涙が溢れそうだった。
「ごめんなさい…私が…いけないのかしら…。そうよね、勘違いしてしまって…。」
私は声を震わせながら呟いた。あの時、ユリの浮気を疑ってしまった自分の浅慮を思い返し、自責の念が押し寄せてきた。だが、ルーの告白が嘘とは思えない。あの別館で見た黒髪の赤ちゃん…一体誰の子供だったのだろう。
ユリがゆっくりと口を開いた。
「正直、驚きでしかありません。俺も…メイの浮気を疑っていました。」
その言葉を聞いた瞬間、私は目を見開き、思わず息を呑んだ。
「え?」
信じられない。まさかユリも同じように疑っていたなんて…。彼の真摯な目を見つめながら、私はどうしていいかわからなくなった。混乱が渦巻く中、私の心はさらに揺さぶられた。
時間が止まったような静寂が訪れた。心臓が跳ね上がるほど驚いた私は、息子を振り返った。
「ルー…?」
封じのアンクレットが床に落ちているのが視界に入る。息子はそれに気づいた様子もなく、ただ困惑した表情で私を見上げていた。その小さな瞳には、まるで「助けて」とでも言うような必死さが浮かんでいた。その姿に胸が締め付けられるようだった。
そして、視界の端に不自然な影が映る。振り返ると、そこには黒いボディースーツを纏ったユリが立っていた。彼の姿は暗闇の中でも際立っていて、その鋭い目が私を射抜いてくる。手には刃物が握られ、もう片方の手は空中で微かに動き、先ほど飛んだ火の玉を消した余韻を残しているようだった。
「ユリ…?」
思わず彼の名前を呼ぶと、その瞬間、彼が一歩前に踏み出した。その動きに反射的に後ずさりしてしまう。緊張感が一気に高まり、全身が硬直するのを感じた。まるで全ての感覚が研ぎ澄まされ、彼の一挙一動が脅威となって私に迫ってくる。
「どうして…私たちを…?」
震える声でそう問いかける。けれど、ユリは答えない。ただその目でじっと私を見つめている。そこには怒りとも悲しみとも取れる複雑な感情が混じっていて、彼が何を考えているのか全く分からなかった。
そのときだった。
「父さん待って!!母さんと父さんは誤解してるんだ!!俺の足を見て!!」
突然、息子が強い声で叫んだ。その幼い声には、信じられないほどの力強さが宿っていた。彼の言葉に驚き、私は視線を彼の足に向ける。
息子の左足首に視線を移すと、そこには青白く輝く鎖のタトゥーが浮かび上がっていた。それも二重に絡まるように刻まれている。見た瞬間、息が止まるかのような衝撃が胸を突き刺した。
「…ルー…これ…。」
言葉が出ない。目の前の現実が信じられなかった。ブルービショップ家の特殊能力の証が、こんなにも幼い息子に現れるなんて。それが何を意味するのか、どうしてそんなことが起きたのか、頭の中が混乱でいっぱいになる。
ユリもまた、その光景に目を奪われていた。彼の目には驚きがはっきりと浮かび、手にしていた刃物が力なく床に落ちた。カランと硬質な音が部屋に響く。その音が部屋の静寂を一瞬破ったが、再び沈黙が訪れる。
「…間に合った…。」
息子が小さな声で呟いた。その声は疲れ果てたようでもあり、安堵のようでもあり、感情をはっきりと読み取ることはできなかった。けれど、その体が小刻みに震えているのが分かる。
「ルー…。」
私は息子を反射的に抱きしめた。その小さな体は火の玉を放った後の余韻なのか、微かに熱を帯びているように感じられた。息子の体温と鼓動が、私の胸の中で静かに響いてくる。
「ルー、一体何が…?」
問いかける声は震えていた。けれど、息子は何も答えない。ただ私の胸の中で小さく震えながら身を任せている。ユリはその様子を見つめるだけで、何も言葉を発さなかった。
私は息子をぎゅっと抱きしめたまま、ユリの顔を見た。彼の目には今まで見たことのないような感情が渦巻いていた。戸惑い、怒り、そして哀しみ――それらが入り混じり、彼自身もどうしていいか分からないといった表情だった。
「ルー!何があったの!?」
「ルー!何があった?!」
私はすぐに息子に駆け寄り、その小さな体を抱きしめた。彼の体はまだ微かに熱を帯びていて、何が起きたのかまるで理解できないまま、ただその存在を守ろうとするしかなかった。その時、ユリもまた息子に駆け寄り、私たちは同時にルーを抱きしめた。
その瞬間、私とユリの手が偶然触れ合い、お互いの温かさを感じた。その奇妙な一体感に、私たちは自然と顔を見合わせる。
「ふ、二人とも…痛い…。」
ルーの小さな声が震えながら響いた。私たちはハッと気づき、同時に彼の体から手を離した。
「ごめん。」
「すまない。」
謝罪の言葉が重なり、私たちは再び顔を見合わせる。だが、その視線の先にあるものは、怒りや疑念ではなく、戸惑いと何かを悟り始めたような静かな思いだった。
その沈黙を破ったのは、意外にも息子の言葉だった。
「二人とも、浮気なんてしていない。」
「「え?」」
私とユリは同時に驚きの声を漏らし、目を丸くして息子を見た。その言葉が何を意味するのか、すぐには理解できなかった。ただ、その真剣な瞳が嘘を言っていないことだけは分かった。
ルーは小さく深呼吸をしてから、私たちを見つめ、静かに語り始めた。
「父さんは今、母さんを殺してしまって、俺を育てることを放棄した。それが俺の一度目の人生だった。」
その言葉に、私の体は一気に冷たくなった。信じられない話が、息子の口から淡々と語られる。
「馬鹿な…俺が…。」
「ユリ…。」
ユリの声は震えていた。彼は呆然とした表情でルーを見つめ、私もまた言葉を失い、ただ聞き入るしかなかった。
「二度目の人生では、ここに回帰してすぐ父さんに、母さんが父さんの浮気を疑ってるって話をしたんだ。でも、父さんはそれで病んでしまって…母さんを自由にするって言って勝手に自害した。」
その告白に、私の胸が締め付けられた。ユリが私を自由にするために自ら命を絶つなど、想像もできない未来だった。
「母さんは、父さんの後を追うように誰かに殺してもらったみたいだった。それで、俺はまた孤独になって、今度は別の誰かに殺されてしまった。だから、二人とも、ちゃんと生きて助けてほしいんだ…だめかな?」
ルーの声は弱々しかったが、必死さが伝わる。その小さな体が震えているのを感じ、私の目から涙が溢れた。
「すまない…。待ってくれ…頭を整理させてくれ。」
「まさかルーを置いて死んじゃうなんて…。」
ユリは動揺し、私もまた深い悲しみで言葉を絞り出すことしかできなかった。彼の話は信じられないほど残酷で、胸をえぐるような現実だった。
「分かった。とりあえず、俺はメイを殺さない。それから、ルーを放置しない。先に誓おう。」
ユリが固い声でそう宣言した。その瞳には、迷いを捨てた強い意志が宿っていた。
「えぇ、私もルーを置いて死んだりしないわ。」
私は涙を拭いながらそう答えた。ユリと私は、お互いに誓いを交わし、息子の未来を守る決意を新たにした。
その言葉に、ルーは安堵の表情を浮かべ、小さな声で呟いた。
「良かった…。もう生きることに疲れそうだよ。」
その言葉が、彼がどれほどの苦しみを抱えていたかを物語っていた。彼の体を優しく抱き寄せ、その小さな背中を撫でながら、私は心の中で強く誓った。
――この子を、必ず守る。絶対に守り抜く。
ユリもまた、ルーを見つめながら深く頷いた。その目には、かつて見たことのない優しさと覚悟が宿っていた。
長い人生を繰り返し生きた2歳の息子は、まだ赤子のはずなのに、大人のような疲れ切った表情を浮かべていた。その表情を見るたび、私は胸が締め付けられるような思いだった。この幼い子が背負っている重さ、それがどれほどのものなのかを想像するだけで涙が溢れそうだった。
「ごめんなさい…私が…いけないのかしら…。そうよね、勘違いしてしまって…。」
私は声を震わせながら呟いた。あの時、ユリの浮気を疑ってしまった自分の浅慮を思い返し、自責の念が押し寄せてきた。だが、ルーの告白が嘘とは思えない。あの別館で見た黒髪の赤ちゃん…一体誰の子供だったのだろう。
ユリがゆっくりと口を開いた。
「正直、驚きでしかありません。俺も…メイの浮気を疑っていました。」
その言葉を聞いた瞬間、私は目を見開き、思わず息を呑んだ。
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