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シーズン1
51.お叱りを受ける二人
レッドナイト公爵邸へ向かう馬車の中。揺れる車内で、私とユリは肩を並べて座っていた。息子のメアルーシュは私の膝の上で穏やかに眠っている。馬車が静かに進む中、突然、ミレーヌが前の座席から鋭い視線を投げかけてきた。
「…だからあれほど!お二人は心のうちを話すべきだとおっしゃったではありませんか!」
その声はまるで雷のように車内を震わせた。思わず背筋が伸び、私はメアルーシュを抱える手に力が入った。ユリも同様に、慌てて視線を逸らしながら小さく咳払いをする。
「ミレーヌ、落ち着いて…。」
私が何とかその場を取り繕おうとするが、彼女はさらに声を荒げた。
「落ち着けるわけがありません!この一年、私はどれほど心配したかお分かりですか!?奥様も、旦那様も、互いに疑い合い、家族が崩壊しかけていたんですよ!?」
ミレーヌの瞳には怒りと失望、そして深い悲しみが滲んでいた。
ユリはその言葉に反応し、硬い表情を浮かべながら唇を引き結んだ。彼は何か言い返そうとしたが、ミレーヌの勢いに圧倒され、口を閉じてしまう。
「奥様、あの日、公爵邸を飛び出したときのことを覚えていますか?まさかこんな理由で…。私は情けない気持ちでいっぱいです。」
ミレーヌの声は怒りから徐々に震えを帯び、最後には涙ぐみながら続けた。
「そして旦那様、貴方もです!何故もっと早く奥様と向き合わなかったのですか?浮気を疑う前に、話し合うべきだったのではありませんか?貴方たちは家族でしょう!どうして心のうちを隠し合うんですか!」
彼女の声が絞り出すように高くなり、最後には肩を震わせていた。
私は息子をそっと撫でながら、ユリに視線を送った。ユリもまた、苦渋の表情を浮かべて黙り込んでいた。
「すみません…。」
ユリがやっとのことで口を開き、低い声で謝罪の言葉を漏らす。その声には反省の色が濃く滲んでいた。
「そうですね…私も悪かったです…。私がもっとユリと話し合えば、こんなことには…。」
私もそっと言葉を続けるが、それ以上言葉が出てこなかった。胸の中に溜まった後悔が、言葉となって喉に引っかかるようだった。
ミレーヌは深く息を吐き、しばらく私たちを見つめてから、少しだけトーンを落として言った。
「お二人とも、これからはどうか、家族としてお互いに向き合ってください。もうこんな状況が二度と訪れないように…。」
事件の被害者であるミレーヌは、私たちに向ける目線に怒りと困惑が混ざっていた。その視線を受けて、私は居心地の悪さに背筋が少し伸びた。馬車の中での叱責を終えた後も、ミレーヌの表情には納得しきれないものが残っている。
「本当に、ミレーヌには頭が上がらないわ。」
そう言いながら、私はミレーヌの手をそっと握りしめた。彼女はため息をつき、少しだけ肩をすくめた。
「私が怒るのも、すべてお二人のためですからね。」
その言葉に含まれる優しさを感じ、私は心がじんわりと温かくなった。
その後、ミレーヌがユリの下で働くことになったと堂々と私に話してくれた。彼女の言葉には自信があり、ユリへの信頼も滲んでいた。
「本当に無理をさせてしまってごめんなさいね。」
私がそう言うと、ミレーヌは首を振った。
「いえ、私が決めたことですから。ただ、ユリドレ様がずっとお嬢様のそばにいらしたことは知っておいてください。」
その言葉に、私は一瞬驚きで目を見開いた。ユリの顔を見ると、彼はあからさまに視線を逸らし、少し不機嫌そうに唇を引き結んでいた。
「そうなの?」
問いかける私に、ユリは明らかに困惑した表情を浮かべた。
「いや…その…。」
もごもごと言い訳を考えている彼の様子を見ていると、起きてしまったメアルーシュが口を挟んだ。
「ミレーヌが話さなくても、俺が話してたよ。」
その言葉に、ユリはがっくりと肩を落とし、小声で「すみません、つい癖で…」と私に言い訳をしてきた。私は彼のそんな姿に思わず笑いがこみ上げてきて、軽く肩をすくめた。
「ユリらしいわね。でも、ありがとう。」
その言葉に、彼は少し照れたような、複雑な表情を浮かべた。
帰宅途中で、私はラズベルにこれまでのことを簡単に説明する為、国営の魔法の通信機に寄った。あの家を贈ることにしたことを伝えた。そして、明後日のレオルとのデートについても伝えると、彼女は目を丸くして驚き、すぐに声を上げた。
「奥様、勝手に何をやっているんですか!」
ラズベルの怒りには、戸惑いと恥ずかしさが混ざっているようだった。頬が少し赤くなっている彼女を見て、私は申し訳なさと共に、どうしても微笑みが浮かんでしまう。
「ごめんなさいね。でも、どうしても応援したくなっちゃったの。」
「それにしても…私はまだ心の準備が…!」
「大丈夫よ。あなたなら絶対にうまくいくわ。」
ラズベルはしばらく文句を言いながらも、次第にその頬が緩んでいき、最後には照れくさそうに小さく頷いた。その姿に、私は一抹の安心を覚えた。
夜の深まりと共に、公爵邸に到着した私たちは、馬車から降り立つと、いつも見慣れた邸宅がどこか異様に感じられた。月の光が建物を優しく照らしているものの、その静けさは普段とは異なり、不穏さを感じさせるほどだった。玄関の大きな扉をくぐり、足音が冷たく響く廊下を進むと、慣れ親しんだ部屋へと足を踏み入れた。
部屋の扉を開けた瞬間、私たちは言葉を失った。
「な、な、何がどうなってるの!?」
私が驚きの声を上げると同時に、ユリも部屋を見渡して眉間に深い皺を寄せた。部屋には無数の書類が天井近くまで積み上げられ、床一面に散乱していた。ベッドにも書類が占領し、座るどころか立つのも困難な状況だ。
「やってくれたな、ゼノ。」
ユリが低い声で呟くと、背後から静かな足音が近づいてきた。その足音に振り返ると、そこには目の下に凄まじいクマを作ったゼノが立っていた。銀色の長い髪を後ろで束ね、薄いフレームの眼鏡をかけた彼の姿は、一見すると落ち着いているように見える。しかし、その表情には怒りと疲労が色濃く滲んでいた。
「主、月に一度は家に帰られる約束でした。破ったのは主です。」
ゼノの静かな声には深い悲しみと不満が込められていた。その言葉に、ユリが軽く肩をすくめて苦笑する。
「まあ、そう怒るな。俺も忙しかったんだ。」
「それを理由に、私を一人でこの膨大な仕事に押し付けたことが正当化されるとでも?」
ゼノの声は冷静だが、その奥には激しい怒りが隠されているのがわかった。彼の目は鋭く、ユリをまっすぐに見据えている。その姿に、私は少し怯え、自然と一歩ユリの背後に下がった。
ゼノの外見はどこかユリに似ている。鋭い目つきと整った顔立ち、そして長身な体格。それでも、目の下の深いクマや疲労が全身からにじみ出る様子が、彼の負担がどれだけ大きかったかを物語っていた。
「お前も大変だったんだな。」
ユリが軽く頭を掻きながら言うと、ゼノは眼鏡をくいっと押し上げて、さらに鋭い目つきで彼を見つめた。
「大変だった、などというものではありません。主の不在がどれほどの混乱を招いたか、ご存知でしょうか?他国との交渉、領地内の案件、そして書類整理――その全てを私一人で処理した結果がこれです。」
ゼノが指し示した書類の山に、ユリは目を細めた。そしてその様子を見ていた私は、ゼノがどれだけユリに対して忠実でありながらも、怒りを抑えきれないでいるのかを感じ取った。
「済まなかった、ゼノ。だが、これには理由がある。」
ユリが低い声で謝罪を述べると、ゼノは深い溜息をついて眼鏡を外し、こめかみを指で揉み始めた。
「理由など、私には関係ありません。結果として、私が一人で全てを処理したという事実は変わりませんので。」
その言葉には、長期間蓄積された苛立ちが込められていた。彼の冷静さの中に潜む怒りに、私もユリも圧倒される。
「…だからあれほど!お二人は心のうちを話すべきだとおっしゃったではありませんか!」
その声はまるで雷のように車内を震わせた。思わず背筋が伸び、私はメアルーシュを抱える手に力が入った。ユリも同様に、慌てて視線を逸らしながら小さく咳払いをする。
「ミレーヌ、落ち着いて…。」
私が何とかその場を取り繕おうとするが、彼女はさらに声を荒げた。
「落ち着けるわけがありません!この一年、私はどれほど心配したかお分かりですか!?奥様も、旦那様も、互いに疑い合い、家族が崩壊しかけていたんですよ!?」
ミレーヌの瞳には怒りと失望、そして深い悲しみが滲んでいた。
ユリはその言葉に反応し、硬い表情を浮かべながら唇を引き結んだ。彼は何か言い返そうとしたが、ミレーヌの勢いに圧倒され、口を閉じてしまう。
「奥様、あの日、公爵邸を飛び出したときのことを覚えていますか?まさかこんな理由で…。私は情けない気持ちでいっぱいです。」
ミレーヌの声は怒りから徐々に震えを帯び、最後には涙ぐみながら続けた。
「そして旦那様、貴方もです!何故もっと早く奥様と向き合わなかったのですか?浮気を疑う前に、話し合うべきだったのではありませんか?貴方たちは家族でしょう!どうして心のうちを隠し合うんですか!」
彼女の声が絞り出すように高くなり、最後には肩を震わせていた。
私は息子をそっと撫でながら、ユリに視線を送った。ユリもまた、苦渋の表情を浮かべて黙り込んでいた。
「すみません…。」
ユリがやっとのことで口を開き、低い声で謝罪の言葉を漏らす。その声には反省の色が濃く滲んでいた。
「そうですね…私も悪かったです…。私がもっとユリと話し合えば、こんなことには…。」
私もそっと言葉を続けるが、それ以上言葉が出てこなかった。胸の中に溜まった後悔が、言葉となって喉に引っかかるようだった。
ミレーヌは深く息を吐き、しばらく私たちを見つめてから、少しだけトーンを落として言った。
「お二人とも、これからはどうか、家族としてお互いに向き合ってください。もうこんな状況が二度と訪れないように…。」
事件の被害者であるミレーヌは、私たちに向ける目線に怒りと困惑が混ざっていた。その視線を受けて、私は居心地の悪さに背筋が少し伸びた。馬車の中での叱責を終えた後も、ミレーヌの表情には納得しきれないものが残っている。
「本当に、ミレーヌには頭が上がらないわ。」
そう言いながら、私はミレーヌの手をそっと握りしめた。彼女はため息をつき、少しだけ肩をすくめた。
「私が怒るのも、すべてお二人のためですからね。」
その言葉に含まれる優しさを感じ、私は心がじんわりと温かくなった。
その後、ミレーヌがユリの下で働くことになったと堂々と私に話してくれた。彼女の言葉には自信があり、ユリへの信頼も滲んでいた。
「本当に無理をさせてしまってごめんなさいね。」
私がそう言うと、ミレーヌは首を振った。
「いえ、私が決めたことですから。ただ、ユリドレ様がずっとお嬢様のそばにいらしたことは知っておいてください。」
その言葉に、私は一瞬驚きで目を見開いた。ユリの顔を見ると、彼はあからさまに視線を逸らし、少し不機嫌そうに唇を引き結んでいた。
「そうなの?」
問いかける私に、ユリは明らかに困惑した表情を浮かべた。
「いや…その…。」
もごもごと言い訳を考えている彼の様子を見ていると、起きてしまったメアルーシュが口を挟んだ。
「ミレーヌが話さなくても、俺が話してたよ。」
その言葉に、ユリはがっくりと肩を落とし、小声で「すみません、つい癖で…」と私に言い訳をしてきた。私は彼のそんな姿に思わず笑いがこみ上げてきて、軽く肩をすくめた。
「ユリらしいわね。でも、ありがとう。」
その言葉に、彼は少し照れたような、複雑な表情を浮かべた。
帰宅途中で、私はラズベルにこれまでのことを簡単に説明する為、国営の魔法の通信機に寄った。あの家を贈ることにしたことを伝えた。そして、明後日のレオルとのデートについても伝えると、彼女は目を丸くして驚き、すぐに声を上げた。
「奥様、勝手に何をやっているんですか!」
ラズベルの怒りには、戸惑いと恥ずかしさが混ざっているようだった。頬が少し赤くなっている彼女を見て、私は申し訳なさと共に、どうしても微笑みが浮かんでしまう。
「ごめんなさいね。でも、どうしても応援したくなっちゃったの。」
「それにしても…私はまだ心の準備が…!」
「大丈夫よ。あなたなら絶対にうまくいくわ。」
ラズベルはしばらく文句を言いながらも、次第にその頬が緩んでいき、最後には照れくさそうに小さく頷いた。その姿に、私は一抹の安心を覚えた。
夜の深まりと共に、公爵邸に到着した私たちは、馬車から降り立つと、いつも見慣れた邸宅がどこか異様に感じられた。月の光が建物を優しく照らしているものの、その静けさは普段とは異なり、不穏さを感じさせるほどだった。玄関の大きな扉をくぐり、足音が冷たく響く廊下を進むと、慣れ親しんだ部屋へと足を踏み入れた。
部屋の扉を開けた瞬間、私たちは言葉を失った。
「な、な、何がどうなってるの!?」
私が驚きの声を上げると同時に、ユリも部屋を見渡して眉間に深い皺を寄せた。部屋には無数の書類が天井近くまで積み上げられ、床一面に散乱していた。ベッドにも書類が占領し、座るどころか立つのも困難な状況だ。
「やってくれたな、ゼノ。」
ユリが低い声で呟くと、背後から静かな足音が近づいてきた。その足音に振り返ると、そこには目の下に凄まじいクマを作ったゼノが立っていた。銀色の長い髪を後ろで束ね、薄いフレームの眼鏡をかけた彼の姿は、一見すると落ち着いているように見える。しかし、その表情には怒りと疲労が色濃く滲んでいた。
「主、月に一度は家に帰られる約束でした。破ったのは主です。」
ゼノの静かな声には深い悲しみと不満が込められていた。その言葉に、ユリが軽く肩をすくめて苦笑する。
「まあ、そう怒るな。俺も忙しかったんだ。」
「それを理由に、私を一人でこの膨大な仕事に押し付けたことが正当化されるとでも?」
ゼノの声は冷静だが、その奥には激しい怒りが隠されているのがわかった。彼の目は鋭く、ユリをまっすぐに見据えている。その姿に、私は少し怯え、自然と一歩ユリの背後に下がった。
ゼノの外見はどこかユリに似ている。鋭い目つきと整った顔立ち、そして長身な体格。それでも、目の下の深いクマや疲労が全身からにじみ出る様子が、彼の負担がどれだけ大きかったかを物語っていた。
「お前も大変だったんだな。」
ユリが軽く頭を掻きながら言うと、ゼノは眼鏡をくいっと押し上げて、さらに鋭い目つきで彼を見つめた。
「大変だった、などというものではありません。主の不在がどれほどの混乱を招いたか、ご存知でしょうか?他国との交渉、領地内の案件、そして書類整理――その全てを私一人で処理した結果がこれです。」
ゼノが指し示した書類の山に、ユリは目を細めた。そしてその様子を見ていた私は、ゼノがどれだけユリに対して忠実でありながらも、怒りを抑えきれないでいるのかを感じ取った。
「済まなかった、ゼノ。だが、これには理由がある。」
ユリが低い声で謝罪を述べると、ゼノは深い溜息をついて眼鏡を外し、こめかみを指で揉み始めた。
「理由など、私には関係ありません。結果として、私が一人で全てを処理したという事実は変わりませんので。」
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