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シーズン1
74.王都のレッドナイト公爵邸
花のお茶会が無事に終わった翌日、私たちはやっと王都のレッドナイト公爵邸に入ることができた。朝早くから荷物の運搬が始まり、馬車が何台も出入りする様子を見て、いよいよ新しい生活が始まるのだと胸が高鳴った。
門をくぐると、手入れの行き届いた庭園が私たちを出迎えた。まるで歓迎しているかのように色とりどりの花々が咲き誇り、その中央には見事な噴水が涼やかな音を奏でている。ユリが私の手を取りながらゆっくりと庭園を案内してくれる。
「ここが私たちの新しい家です、メイ。」
ユリは穏やかな微笑みを浮かべながら、誇らしげに庭園を見渡していた。
「とても素敵な場所ね。」
私は微笑みながら答えたが、心の中では別の思いが湧き上がっていた。
(庭園全体がつい最近造られたばかりなのが明らかだわ。草花たちが『植えられたばかりです!』って主張してるみたい。これ、絶対ユリが急いで準備したわね…。)
噴水の周りを歩きながら、ユリが優しく私を振り返った。
「気に入っていただけましたか?」
「もちろんよ。ここでルーと一緒に遊べるのが楽しみだわ。」
そう言いながら、私はユリに改装のことを指摘しないでおくことにした。彼の努力を無駄にするのはもったいない。
屋敷の中に入ると、広々としたホールが私たちを迎えた。高い天井には豪華なシャンデリアが輝き、壁には歴代のレッドナイト公爵家の肖像画がずらりと並んでいる。その光景に私は思わず目を見張った。
(前の人生で訪れたときには、こんな豪華なホールじゃなかったはずよね…。歴代当主の絵画もなかったし、シャンデリアなんてとんでもない。ユリがこんな装飾を好むとは思えないけど…。きっと、私やルーのために豪華にしてくれたのね。)
廊下を歩きながら各部屋を開けてみると、どの部屋も広々としていて、上品な家具が美しく配置されていた。カーテンや壁紙も新しく、どれもこの屋敷のために用意されたものだと分かる。
「まだ整えなければならない部分はたくさんありますが、少しずつ住み心地の良い家にしていきましょう。」
ユリが私の隣で静かに言った。その声には家族のために尽くそうという決意が込められている。
「そうね、私も手伝うわ。まずは、必要なものを揃えないと。」
私は微笑みながら答えた。
「ゼノとミレーヌにも手伝ってもらいましょう。彼らならこの屋敷の整備もすぐに終わるはずです。」
ユリは即座に使用人たちに指示を出し始めた。その手際の良さに、さすがはレッドナイト公爵だと改めて感心してしまう。
その時、ルーが嬉しそうに小さな足音を響かせながら駆け寄ってきた。
「ママ、パパ!ここ、おっきいね!」
彼の瞳は輝き、広々とした屋敷に純粋な興奮を隠せない様子だ。
「そうだね、ルー。新しいお部屋もいっぱいあるから、探検してみようか。」
私はしゃがみ込んでルーの頬にそっと触れながら言うと、彼はさらに嬉しそうに笑った。
「こちらがリビングルームです。」
ユリが淡々と案内を始める。扉を開けると、広々とした空間が広がり、贅沢なソファセットと美しいカーテンが目に飛び込んできた。大きな暖炉の上には、レッドナイト家の紋章が飾られている。
「すごい!ここでルー、遊べる?」
ルーは小さな手を広げて、部屋をぐるりと見渡した。
「そうだね。でも、遊ぶ時はおもちゃ箱をちゃんと持ってきてからにしようね。」
私はルーを抱き上げ、ルーに微笑んだ。
「そして、こちらが俺とメイの部屋です。」
ユリが扉を開けると、そこにはまるで宮殿の一室のような壮麗な空間が広がっていた。天井には美しい装飾が施され、壁には品のあるアートが飾られている。中央にはキングサイズのベッドが堂々と鎮座し、バスルーム、ドレスルーム、執務机、寛ぎのためのソファセット――すべてが完璧に整えられていた。
私は思わず目を輝かせながら部屋を見渡した。
(なんて広くて豪華なのかしら。王宮にも引けを取らないわね…。これ、完全に私の軟禁部屋よね。いや、王妃時代も執務室にこもることが多かったし、特に気にしないけど。)
「素敵ね。ここでの生活が始まるのが楽しみだわ。」
そう言うと、ユリは満足げに微笑みながら部屋を見渡した。
「そうですね。まずは俺たちの部屋を整えましょう。それから、ルーの部屋もね。」
彼は自信に満ちた声で答えた。その表情には、家族のために最善を尽くしたという誇らしさが滲んでいる。
「そうね。ルーが快適に過ごせるようにしないと。」
私がそう言うと、ルーは嬉しそうに「ルーのおへや、どんなにするの?」と興奮した声で尋ねてきた。その純粋な笑顔を見て、私は思わず微笑んだ。
「どんなお部屋がいいか、ルーの好きなものをたくさん教えてね。」
そう促すと、ルーは勢いよく頷きながら「ぬいぐるみ!あとは、絵本!あとあと…!」と次々に思いついたものを挙げ始めた。
ユリはその横で、冷静な手つきで私たちの会話をメモに書き留めている。
「ぬいぐるみ、絵本、遊び道具ですね。他に必要そうなものはありますか?」
彼が静かに尋ねると、私は少し考え込みながら答えた。
「そうね、家具は低めのものがいいわね。あと、柔らかいラグを敷いてあげたいわ。」
「低めの家具、柔らかいラグ…了解しました。」
ユリは再びメモにペンを走らせる。
ルーは大きな目を輝かせながら「パパ!はやくつくって!」とせがむ。
ユリは優しく微笑みながら、彼の頭を軽く撫でた。
「わかったよ、ルー。すぐに準備するから、少しだけ待っててね。」
「本当にすぐに揃えるの?」
私が疑問を口にすると、ユリは自信に満ちた表情で頷いた。
「もちろんです。メイとルーの希望は、俺の最優先事項ですから。」
その後、ルーをミレーヌに預けて、執務室に足を踏み入れると、そこには整然と整えられた机と、最新の資料が揃えられていた。ユリが私のために準備してくれたのだろう。彼の細やかな気配りには、いつもながら頭が下がる思いだ。
「ここまで完璧に整えられると、やるしかないわね。」
私は軽くため息をつきながら椅子に腰を下ろし、机上の書類を手に取った。一瞥しただけで、重要性が一目瞭然の案件が目に飛び込んでくる。
「これは、急いで処理しないといけない書類ね。」
私がそう呟くと、ユリは背後で腕を組みながら少し困ったような顔をしていた。
「俺としては、新居に来たばかりですし、書類なんて放っておいて、今日くらいはゆっくり過ごしていただきたいのですが…。」
その声には、どこか不満そうな響きが混じっていた。
私はその言葉を聞き流しながら書類に目を通しつつ、笑みを浮かべた。
「でも、王都に来てからホテルでこれでもかってくらい怠けてたじゃない?私たち。それがわかってるから、こうして書類を仕分けて、資料まで揃えてくれたんでしょ?」
ユリの視線が微かに泳ぐのを見て、私は思わずクスリと笑ってしまった。
「ユリが何を考えているかなんて、だいたい察しがつくのよ。私が今やらなかったら、ユリは私を寝かせたあと徹夜で一人で処理するつもりでしょ?」
彼は目を伏せて、薄く苦笑した。
「さすがですね、メイ。俺の考えを見抜かれるのにはもう慣れてしまいましたが、これほど早いとは…。」
「さっさと終わらせて、いちゃつきたいんでしょ?」
私が軽くからかうと、ユリの耳がほんのり赤くなったのを見逃さなかった。彼は少し咳払いをしながら、あくまで冷静を装おうとした。
「俺はただ、メイに無理をさせたくないだけですよ。」
その言葉の裏には、私を気遣う彼の真心が隠れているのがわかる。そんな彼に感謝しつつも、私は書類の山に視線を戻した。
「なら、二人で一緒に終わらせましょう。早く終わらせれば、ユリの望みも叶えられるかもしれないわよ。」
軽くウィンクをすると、ユリは小さく微笑んで頷いた。
「わかりました。それでは、全力でお手伝いしますね。」
門をくぐると、手入れの行き届いた庭園が私たちを出迎えた。まるで歓迎しているかのように色とりどりの花々が咲き誇り、その中央には見事な噴水が涼やかな音を奏でている。ユリが私の手を取りながらゆっくりと庭園を案内してくれる。
「ここが私たちの新しい家です、メイ。」
ユリは穏やかな微笑みを浮かべながら、誇らしげに庭園を見渡していた。
「とても素敵な場所ね。」
私は微笑みながら答えたが、心の中では別の思いが湧き上がっていた。
(庭園全体がつい最近造られたばかりなのが明らかだわ。草花たちが『植えられたばかりです!』って主張してるみたい。これ、絶対ユリが急いで準備したわね…。)
噴水の周りを歩きながら、ユリが優しく私を振り返った。
「気に入っていただけましたか?」
「もちろんよ。ここでルーと一緒に遊べるのが楽しみだわ。」
そう言いながら、私はユリに改装のことを指摘しないでおくことにした。彼の努力を無駄にするのはもったいない。
屋敷の中に入ると、広々としたホールが私たちを迎えた。高い天井には豪華なシャンデリアが輝き、壁には歴代のレッドナイト公爵家の肖像画がずらりと並んでいる。その光景に私は思わず目を見張った。
(前の人生で訪れたときには、こんな豪華なホールじゃなかったはずよね…。歴代当主の絵画もなかったし、シャンデリアなんてとんでもない。ユリがこんな装飾を好むとは思えないけど…。きっと、私やルーのために豪華にしてくれたのね。)
廊下を歩きながら各部屋を開けてみると、どの部屋も広々としていて、上品な家具が美しく配置されていた。カーテンや壁紙も新しく、どれもこの屋敷のために用意されたものだと分かる。
「まだ整えなければならない部分はたくさんありますが、少しずつ住み心地の良い家にしていきましょう。」
ユリが私の隣で静かに言った。その声には家族のために尽くそうという決意が込められている。
「そうね、私も手伝うわ。まずは、必要なものを揃えないと。」
私は微笑みながら答えた。
「ゼノとミレーヌにも手伝ってもらいましょう。彼らならこの屋敷の整備もすぐに終わるはずです。」
ユリは即座に使用人たちに指示を出し始めた。その手際の良さに、さすがはレッドナイト公爵だと改めて感心してしまう。
その時、ルーが嬉しそうに小さな足音を響かせながら駆け寄ってきた。
「ママ、パパ!ここ、おっきいね!」
彼の瞳は輝き、広々とした屋敷に純粋な興奮を隠せない様子だ。
「そうだね、ルー。新しいお部屋もいっぱいあるから、探検してみようか。」
私はしゃがみ込んでルーの頬にそっと触れながら言うと、彼はさらに嬉しそうに笑った。
「こちらがリビングルームです。」
ユリが淡々と案内を始める。扉を開けると、広々とした空間が広がり、贅沢なソファセットと美しいカーテンが目に飛び込んできた。大きな暖炉の上には、レッドナイト家の紋章が飾られている。
「すごい!ここでルー、遊べる?」
ルーは小さな手を広げて、部屋をぐるりと見渡した。
「そうだね。でも、遊ぶ時はおもちゃ箱をちゃんと持ってきてからにしようね。」
私はルーを抱き上げ、ルーに微笑んだ。
「そして、こちらが俺とメイの部屋です。」
ユリが扉を開けると、そこにはまるで宮殿の一室のような壮麗な空間が広がっていた。天井には美しい装飾が施され、壁には品のあるアートが飾られている。中央にはキングサイズのベッドが堂々と鎮座し、バスルーム、ドレスルーム、執務机、寛ぎのためのソファセット――すべてが完璧に整えられていた。
私は思わず目を輝かせながら部屋を見渡した。
(なんて広くて豪華なのかしら。王宮にも引けを取らないわね…。これ、完全に私の軟禁部屋よね。いや、王妃時代も執務室にこもることが多かったし、特に気にしないけど。)
「素敵ね。ここでの生活が始まるのが楽しみだわ。」
そう言うと、ユリは満足げに微笑みながら部屋を見渡した。
「そうですね。まずは俺たちの部屋を整えましょう。それから、ルーの部屋もね。」
彼は自信に満ちた声で答えた。その表情には、家族のために最善を尽くしたという誇らしさが滲んでいる。
「そうね。ルーが快適に過ごせるようにしないと。」
私がそう言うと、ルーは嬉しそうに「ルーのおへや、どんなにするの?」と興奮した声で尋ねてきた。その純粋な笑顔を見て、私は思わず微笑んだ。
「どんなお部屋がいいか、ルーの好きなものをたくさん教えてね。」
そう促すと、ルーは勢いよく頷きながら「ぬいぐるみ!あとは、絵本!あとあと…!」と次々に思いついたものを挙げ始めた。
ユリはその横で、冷静な手つきで私たちの会話をメモに書き留めている。
「ぬいぐるみ、絵本、遊び道具ですね。他に必要そうなものはありますか?」
彼が静かに尋ねると、私は少し考え込みながら答えた。
「そうね、家具は低めのものがいいわね。あと、柔らかいラグを敷いてあげたいわ。」
「低めの家具、柔らかいラグ…了解しました。」
ユリは再びメモにペンを走らせる。
ルーは大きな目を輝かせながら「パパ!はやくつくって!」とせがむ。
ユリは優しく微笑みながら、彼の頭を軽く撫でた。
「わかったよ、ルー。すぐに準備するから、少しだけ待っててね。」
「本当にすぐに揃えるの?」
私が疑問を口にすると、ユリは自信に満ちた表情で頷いた。
「もちろんです。メイとルーの希望は、俺の最優先事項ですから。」
その後、ルーをミレーヌに預けて、執務室に足を踏み入れると、そこには整然と整えられた机と、最新の資料が揃えられていた。ユリが私のために準備してくれたのだろう。彼の細やかな気配りには、いつもながら頭が下がる思いだ。
「ここまで完璧に整えられると、やるしかないわね。」
私は軽くため息をつきながら椅子に腰を下ろし、机上の書類を手に取った。一瞥しただけで、重要性が一目瞭然の案件が目に飛び込んでくる。
「これは、急いで処理しないといけない書類ね。」
私がそう呟くと、ユリは背後で腕を組みながら少し困ったような顔をしていた。
「俺としては、新居に来たばかりですし、書類なんて放っておいて、今日くらいはゆっくり過ごしていただきたいのですが…。」
その声には、どこか不満そうな響きが混じっていた。
私はその言葉を聞き流しながら書類に目を通しつつ、笑みを浮かべた。
「でも、王都に来てからホテルでこれでもかってくらい怠けてたじゃない?私たち。それがわかってるから、こうして書類を仕分けて、資料まで揃えてくれたんでしょ?」
ユリの視線が微かに泳ぐのを見て、私は思わずクスリと笑ってしまった。
「ユリが何を考えているかなんて、だいたい察しがつくのよ。私が今やらなかったら、ユリは私を寝かせたあと徹夜で一人で処理するつもりでしょ?」
彼は目を伏せて、薄く苦笑した。
「さすがですね、メイ。俺の考えを見抜かれるのにはもう慣れてしまいましたが、これほど早いとは…。」
「さっさと終わらせて、いちゃつきたいんでしょ?」
私が軽くからかうと、ユリの耳がほんのり赤くなったのを見逃さなかった。彼は少し咳払いをしながら、あくまで冷静を装おうとした。
「俺はただ、メイに無理をさせたくないだけですよ。」
その言葉の裏には、私を気遣う彼の真心が隠れているのがわかる。そんな彼に感謝しつつも、私は書類の山に視線を戻した。
「なら、二人で一緒に終わらせましょう。早く終わらせれば、ユリの望みも叶えられるかもしれないわよ。」
軽くウィンクをすると、ユリは小さく微笑んで頷いた。
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