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シーズン1
100.ミレーヌの過去②
その日、大広間は異様な喧騒に包まれていた。普段は静まり返り、豪奢な装飾が煌びやかに輝いているはずの部屋から、怒号や悲鳴、そして何かが倒れる音が漏れ聞こえてくる。
私は急いで大広間へと向かい、扉を開けた。目に飛び込んできたのは、床に転がる婚約者の少年の能力封じのアンクレットだった。その光景に、私の心臓は一瞬で凍りついた。アンクレットが外れるなど、あり得ないはずだったからだ。
その先に目をやると、メイドや執事たち、そして私の両親や妹が気が狂ったように笑い、叫び、倒れ込んでいる。その異様な光景に私は立ち尽くし、どうしてこんなことになったのか理解が追いつかなかった。ただ一つだけ分かったのは――彼の力が発動してしまったのだということ。
婚約者の少年は大広間の片隅で震えていた。彼の銀髪は乱れ、瞳には恐怖と混乱が滲んでいる。彼は私に気づくと、驚きと罪悪感が入り混じったような表情を浮かべた。その瞳が一瞬だけ私を捉えたかと思うと、彼は突然叫んだ。
「来ないで!」
彼の叫び声は、大広間の中に虚しく響き渡った。その瞬間、彼は踵を返し、走り出した。まるで自分の存在そのものを否定するように。
「待って!!!」
私は咄嗟に叫んだ。彼を追いかけようと足を踏み出したが、身体が重く感じられた。混乱と恐怖で頭が真っ白になり、足が思うように動かなかった。それでも、どうにか彼の背中を追おうと、声を振り絞った。
「逃げないで!あなたのせいじゃない!」
けれど、私の声は届かなかった。彼は振り返ることもなく、屋敷の外へと消えていった。
その時、突然、煙の匂いが鼻をついた。振り返ると、どこからか炎が広がり始めていた。カーテンが燃え上がり、絨毯を舐めるように炎が走る。その場に立ち尽くしていた私は、ようやく現実に引き戻された。
「みんなっ!まだ中にいるのに!」
両親も、メイドも、執事も、そして妹も――大広間の中にはまだ多くの人々が取り残されていた。だが、彼らは狂気の中に囚われ、自力で逃げることもできない。
私は必死で炎の中を走り、誰かを助けようと目を凝らした。その時、妹が視界に入った。まだ小さい彼女は、気が触れたように泣き叫びながら倒れていた。私の足は自然と彼女に向かい、咄嗟に抱き上げた。
「しっかりして!ここから逃げるのよ!」
妹を背負い、炎の中を必死で駆け抜けた。熱気と煙が肌を焼き、喉が痛む。燃え崩れる梁や家具が行く手を阻むたびに、何度も心が折れそうになった。
その時、ふと心の中に囁きが聞こえた。
――このまま逃げ出したら、私も解放される。
この家のしきたり、厳しい教育、愛されない現実。全部から逃げられる。
「逃げたい…ここから逃げたい!」
心の中で叫びながらも、私は妹を背負う手を緩めることはなかった。彼女を見捨てることなど、どうしてもできなかったのだ。背中に感じる妹の震えと嗚咽が、私を前へ進ませた。
どうにかして屋敷の外に飛び出すと、外の空気が一気に私を包み込んだ。肺に入る冷たい空気が痛いほどで、思わず膝をついた。振り返ると、屋敷全体が炎に包まれていた。
「私は…逃げられたの…?」
目の前の燃え盛る屋敷を見つめながら、私は涙を流した。それが妹を助けられた安堵の涙なのか、それとも束縛から解放された喜びなのか、はたまた家族を失った悲しみなのか、自分でも分からなかった。ただ、心の中には様々な感情が渦巻いていた。
私は妹を背負い、必死に走り続けた。
両足が悲鳴を上げ、心臓が弾けそうなほど鼓動を刻む。それでも、止まるわけにはいかなかった。
――逃げなきゃ…今逃げなきゃ、一生自由になれない!
その思いだけが、私を前へと突き動かしていた。
ゴールドキング家で受けた厳しい教育の中で、体力だけは磨かれていた。それが唯一の救いだった。走り疲れると歩き、それでも進む足を止めなかった。街の明るい灯りから遠ざかるように、あえて暗い森の中を選んで進む。木々の間を抜ける冷たい夜風が頬を打つ中、妹のか細い息遣いだけが私の耳に響いていた。
――この子…助かるのだろうか…?
背中で感じる妹の衰弱ぶりに、胸が締め付けられた。それでも、私は彼女を降ろすことができなかった。降ろしたら、きっと二度と抱き上げる力が残らないと思ったからだ。
次第に足の感覚がなくなり、息をするたびに胸が苦しくなっていく。日が暮れ、世界が闇に包まれていった時、ふと気づいた。
「真っ暗…もうすぐ、ゴールドキング領を抜け出せる…。」
胸に湧き上がる安堵と達成感。だが、それもつかの間、領地の門が目の前に現れた。門の前に立つ兵士たちを見て、私は一瞬迷ったが、次の瞬間には雷を放っていた。兵士たちの精神を一瞬朦朧とさせ、その間に門を越えた。
「外に出られた!」
広がる外の世界。その事実に心が踊り、わずかな体力を振り絞って駆け出した。風が髪をなびき、これまで味わったことのない自由の感覚が私を包み込む。だが――すぐに足がもつれ、私は地面に倒れ込んだ。
――もう…これ以上…動けない…
身体が重く、指先一つ動かせない。背中の妹はまだ生きているのか、それとも――。
――これで、終わりなのかな…。
目の前がぼやけていく中、ふと、蛍火のような優しい光が視界を覆った。それは、ふわふわと漂う温かな光だった。
――あれ…これが死後の世界?
そう思った瞬間、目に飛び込んできたのは長い桃色の髪を持つ女性だった。
「ゴールドキング家の子が、どうしてこんなところに。」
彼女の声は穏やかで、それなのに力強さを感じさせた。だが、私は条件反射のように妹を抱きかかえ、距離を取った。
「こ、こないで!」
震える声で叫ぶ私に、彼女は何も言わず、ただ優しく微笑んだ。その微笑みに、どこか不思議な安心感を覚える。
「私は自由になりたいの!」
その言葉に、女性は小首を傾げながら問い返した。
「自由…?」
「そうよ!もう…嫌なの…貴族は嫌!」
胸の中に溜まったものが一気に溢れ出す。これまで声に出すことすらできなかった本音。それを聞いた彼女は、ふと立ち止まり、穏やかに問いかけた。
「今の現状が自由なの?」
その言葉に、私は一瞬息を呑んだ。
「今は…」
そう呟くと、彼女はゆっくりと近づき、私の手を取った。
「や、やめて!」
体が硬直する中、彼女は私の指にそっと何かをはめた。その瞬間、不思議な感覚が広がり、彼女はどこからか鏡を取り出し、それを私に向けた。
鏡に映ったのは――茶髪に茶色の瞳の少女。
「え?」
思わず目を見開いた私に、彼女は優しく笑って言った。
「魔法の指輪だよ。それをつけていれば、ゴールドキング家の人間だとバレない。」
「どうして…私にこんなことを…?」
問いかける私に、彼女は少しだけ目を伏せた。
「自由に…なってほしくて。」
「あなたも…自由じゃないの?」
その言葉に、彼女は少しだけ寂しそうに微笑み、答えた。
「えぇ。自由じゃない。私も見えない鎖に繋がれている。」
彼女の言葉に胸が締め付けられるようだった。そして、彼女は静かに言葉を続けた。
「あなたの名前は?」
「ミレーヌディア。」
「では、今日からはミレーヌと名乗りなさい。そして、私の家に来なさい。メイドとして働いて、自由になるための資金を貯めるといい。」
「あなたは…?」
「ん?私かい?私はメデュール・ブルービショップ。ブルービショップ伯爵家の女主人…かな。」
その言葉に、私の心に希望の光が差し込んだのだった。
私は急いで大広間へと向かい、扉を開けた。目に飛び込んできたのは、床に転がる婚約者の少年の能力封じのアンクレットだった。その光景に、私の心臓は一瞬で凍りついた。アンクレットが外れるなど、あり得ないはずだったからだ。
その先に目をやると、メイドや執事たち、そして私の両親や妹が気が狂ったように笑い、叫び、倒れ込んでいる。その異様な光景に私は立ち尽くし、どうしてこんなことになったのか理解が追いつかなかった。ただ一つだけ分かったのは――彼の力が発動してしまったのだということ。
婚約者の少年は大広間の片隅で震えていた。彼の銀髪は乱れ、瞳には恐怖と混乱が滲んでいる。彼は私に気づくと、驚きと罪悪感が入り混じったような表情を浮かべた。その瞳が一瞬だけ私を捉えたかと思うと、彼は突然叫んだ。
「来ないで!」
彼の叫び声は、大広間の中に虚しく響き渡った。その瞬間、彼は踵を返し、走り出した。まるで自分の存在そのものを否定するように。
「待って!!!」
私は咄嗟に叫んだ。彼を追いかけようと足を踏み出したが、身体が重く感じられた。混乱と恐怖で頭が真っ白になり、足が思うように動かなかった。それでも、どうにか彼の背中を追おうと、声を振り絞った。
「逃げないで!あなたのせいじゃない!」
けれど、私の声は届かなかった。彼は振り返ることもなく、屋敷の外へと消えていった。
その時、突然、煙の匂いが鼻をついた。振り返ると、どこからか炎が広がり始めていた。カーテンが燃え上がり、絨毯を舐めるように炎が走る。その場に立ち尽くしていた私は、ようやく現実に引き戻された。
「みんなっ!まだ中にいるのに!」
両親も、メイドも、執事も、そして妹も――大広間の中にはまだ多くの人々が取り残されていた。だが、彼らは狂気の中に囚われ、自力で逃げることもできない。
私は必死で炎の中を走り、誰かを助けようと目を凝らした。その時、妹が視界に入った。まだ小さい彼女は、気が触れたように泣き叫びながら倒れていた。私の足は自然と彼女に向かい、咄嗟に抱き上げた。
「しっかりして!ここから逃げるのよ!」
妹を背負い、炎の中を必死で駆け抜けた。熱気と煙が肌を焼き、喉が痛む。燃え崩れる梁や家具が行く手を阻むたびに、何度も心が折れそうになった。
その時、ふと心の中に囁きが聞こえた。
――このまま逃げ出したら、私も解放される。
この家のしきたり、厳しい教育、愛されない現実。全部から逃げられる。
「逃げたい…ここから逃げたい!」
心の中で叫びながらも、私は妹を背負う手を緩めることはなかった。彼女を見捨てることなど、どうしてもできなかったのだ。背中に感じる妹の震えと嗚咽が、私を前へ進ませた。
どうにかして屋敷の外に飛び出すと、外の空気が一気に私を包み込んだ。肺に入る冷たい空気が痛いほどで、思わず膝をついた。振り返ると、屋敷全体が炎に包まれていた。
「私は…逃げられたの…?」
目の前の燃え盛る屋敷を見つめながら、私は涙を流した。それが妹を助けられた安堵の涙なのか、それとも束縛から解放された喜びなのか、はたまた家族を失った悲しみなのか、自分でも分からなかった。ただ、心の中には様々な感情が渦巻いていた。
私は妹を背負い、必死に走り続けた。
両足が悲鳴を上げ、心臓が弾けそうなほど鼓動を刻む。それでも、止まるわけにはいかなかった。
――逃げなきゃ…今逃げなきゃ、一生自由になれない!
その思いだけが、私を前へと突き動かしていた。
ゴールドキング家で受けた厳しい教育の中で、体力だけは磨かれていた。それが唯一の救いだった。走り疲れると歩き、それでも進む足を止めなかった。街の明るい灯りから遠ざかるように、あえて暗い森の中を選んで進む。木々の間を抜ける冷たい夜風が頬を打つ中、妹のか細い息遣いだけが私の耳に響いていた。
――この子…助かるのだろうか…?
背中で感じる妹の衰弱ぶりに、胸が締め付けられた。それでも、私は彼女を降ろすことができなかった。降ろしたら、きっと二度と抱き上げる力が残らないと思ったからだ。
次第に足の感覚がなくなり、息をするたびに胸が苦しくなっていく。日が暮れ、世界が闇に包まれていった時、ふと気づいた。
「真っ暗…もうすぐ、ゴールドキング領を抜け出せる…。」
胸に湧き上がる安堵と達成感。だが、それもつかの間、領地の門が目の前に現れた。門の前に立つ兵士たちを見て、私は一瞬迷ったが、次の瞬間には雷を放っていた。兵士たちの精神を一瞬朦朧とさせ、その間に門を越えた。
「外に出られた!」
広がる外の世界。その事実に心が踊り、わずかな体力を振り絞って駆け出した。風が髪をなびき、これまで味わったことのない自由の感覚が私を包み込む。だが――すぐに足がもつれ、私は地面に倒れ込んだ。
――もう…これ以上…動けない…
身体が重く、指先一つ動かせない。背中の妹はまだ生きているのか、それとも――。
――これで、終わりなのかな…。
目の前がぼやけていく中、ふと、蛍火のような優しい光が視界を覆った。それは、ふわふわと漂う温かな光だった。
――あれ…これが死後の世界?
そう思った瞬間、目に飛び込んできたのは長い桃色の髪を持つ女性だった。
「ゴールドキング家の子が、どうしてこんなところに。」
彼女の声は穏やかで、それなのに力強さを感じさせた。だが、私は条件反射のように妹を抱きかかえ、距離を取った。
「こ、こないで!」
震える声で叫ぶ私に、彼女は何も言わず、ただ優しく微笑んだ。その微笑みに、どこか不思議な安心感を覚える。
「私は自由になりたいの!」
その言葉に、女性は小首を傾げながら問い返した。
「自由…?」
「そうよ!もう…嫌なの…貴族は嫌!」
胸の中に溜まったものが一気に溢れ出す。これまで声に出すことすらできなかった本音。それを聞いた彼女は、ふと立ち止まり、穏やかに問いかけた。
「今の現状が自由なの?」
その言葉に、私は一瞬息を呑んだ。
「今は…」
そう呟くと、彼女はゆっくりと近づき、私の手を取った。
「や、やめて!」
体が硬直する中、彼女は私の指にそっと何かをはめた。その瞬間、不思議な感覚が広がり、彼女はどこからか鏡を取り出し、それを私に向けた。
鏡に映ったのは――茶髪に茶色の瞳の少女。
「え?」
思わず目を見開いた私に、彼女は優しく笑って言った。
「魔法の指輪だよ。それをつけていれば、ゴールドキング家の人間だとバレない。」
「どうして…私にこんなことを…?」
問いかける私に、彼女は少しだけ目を伏せた。
「自由に…なってほしくて。」
「あなたも…自由じゃないの?」
その言葉に、彼女は少しだけ寂しそうに微笑み、答えた。
「えぇ。自由じゃない。私も見えない鎖に繋がれている。」
彼女の言葉に胸が締め付けられるようだった。そして、彼女は静かに言葉を続けた。
「あなたの名前は?」
「ミレーヌディア。」
「では、今日からはミレーヌと名乗りなさい。そして、私の家に来なさい。メイドとして働いて、自由になるための資金を貯めるといい。」
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