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シーズン1
107.慌ただしい後日談。
翌朝、使用人たちが慌ただしく動き回る物音で目を覚ました。ベッドの中で目をこすりながら、僕はゆっくりと体を起こす。外から差し込む柔らかな朝の光がカーテンの隙間を通り抜け、部屋を穏やかに照らしていた。
「おはよう……。何かあったの?」
僕は部屋の中を行き交う使用人の一人に声をかけた。彼女はぎょっとした表情を見せ、慌てて頭を下げた。
「いえ、たいしたことでは……」
その時、ドアが静かに開き、ミレーヌが現れた。彼女はすぐに僕の元へと歩み寄り、そっと僕を抱き上げた。その腕の温もりに、昨夜の疲れが少しずつ癒されていくのを感じる。
「ミレーヌ、何があったの?」
僕は彼女の表情を見上げながら尋ねた。彼女の顔には穏やかな笑みが浮かんでいたが、その奥にはどこか気遣いの色が見え隠れしていた。
「あまりたいしたことではありませんよ。ただ、メイシール様の容態を異常に心配なさった旦那様が、朝起きるなりお医者様を呼び、奥様のお世話を手厚く手配しているだけでございます。」
その答えに僕は驚きつつも、すぐに肩をすくめた。
「ほんとにたいしたことないや。活躍した僕たちに労いの言葉一つないよ。これってネグレクトだよね。」
ミレーヌは優しく微笑みながら、僕の頭を撫でた。その仕草には母親のような優しさが溢れていた。
「メアルーシュ様、あなたの活躍は決して忘れられていません。今は少しだけ、奥様のことに集中しているのです。」
「でも、少しくらい感謝してほしいな……。」
僕は唇を尖らせて不満を漏らしたが、彼女の眼差しに心が和らぎ、自然とため息が漏れた。
すると、扉が再び開き、ゼノが姿を現した。彼はまだ疲れが残っているのか、どこかよろけた足取りで部屋に入ってきた。その顔には深いクマが刻まれており、昨夜の疲労が色濃く残っている。
「ミレーヌ、変わります。あなたはもう少し休んでください。」
ゼノは低い声で言いながら、真剣な目でミレーヌを見つめた。
「いえ、そんなやわな体をしておりませんので、大丈夫ですよ。」
ミレーヌは一瞬戸惑いながらも微笑みを浮かべて答える。しかしゼノは首を軽く振り、真剣な表情を崩さない。
「そんなこと言わずに、少し休んでください。昨日の夜からほとんど寝ていないでしょう?」
その言葉にミレーヌは小さくため息をつき、僕をゼノに渡した。
「分かりました。でも、無理はしないでくださいね。」
ゼノの腕の中に移ると、彼の手の温かさと大きさが伝わってきた。その感触に、安心感がじんわりと広がる。
「もちろん、無理はしませんよ。」
ゼノが穏やかに微笑むと、ミレーヌも安心したように頷き、静かに部屋を後にした。
ゼノは僕を抱えたまま椅子に腰を下ろし、優しく僕を見下ろしながら口を開いた。
「坊ちゃん、昨夜は魔力を分けていただきありがとうございました。」
「うわ。不潔な体で僕に触らないでくれる?絶対やらしいことしてたじゃん。」
僕は茶化すように言い、彼をからかった。
「なっ!? いえ、別にそんなことは……。」
ゼノは慌てて否定したが、その様子が面白くて、僕は小さく笑った。
「冗談だよ。ミレーヌと結婚したんだってね。おめでとう。」
僕の言葉に、ゼノは一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに柔らかな笑みを見せた。
「ありがとう、坊ちゃん。これからも二人であなたを守っていきます。」
その言葉に、僕の心は穏やかになり、ゼノの胸に顔を埋めた。彼の心臓の鼓動が規則的に伝わり、そのリズムが僕の心を落ち着かせた。
「でも、死なないでほしい。」
僕は小さな声で呟いた。その言葉にゼノは一瞬驚き、眉をひそめた。
「え? 私、死んでしまうのでしょうか? 過労死ですか?」
ゼノの冗談めかした返事に、僕は首を振りながら目を閉じた。
「いや、別に未来視したわけでも直観力が発動したわけじゃないよ。これは願い……かな。」
僕は静かに答えた。
「願い……ですか?」
ゼノは少し困惑しながらも、その言葉の重みを感じ取ったようだった。
「もう少し寝たいな。ゼノも一緒に寝よう。」
僕が誘うと、ゼノは戸惑いながらも頷き、僕と一緒にベッドに横になった。
「ねぇ、ゼノ知ってる? 僕はね、魔力を分けるだけでなくて吸うこともできるんだよ。」
その言葉にゼノは驚きの表情を浮かべた。
「は?……。」
次の瞬間、僕はゼノの魔力を吸い取り始めた。ゼノの目が大きく見開かれたが、すぐに力が抜け、静かに意識を失った。
「ごめんね、ゼノ。でも君には休息が必要だ。」
僕はゼノを気絶させた後、彼の体を安定させるために魔力を戻した。ゼノが静かに寝息を立て始めたのを確認すると、僕も隣で目を閉じる。
ゼノの手をそっと握りながら、僕は穏やかな眠りに落ちていった。
―――――――
―――――
さらに時間は巻き戻り、レッドナイト公爵邸宅が燃える前、ゼノは教会に置いてきた、ミレーヌを迎えにいっていた。
任務を一通り終えたゼノは、夕暮れに染まる街を歩きながら教会へ向かっていた。ポケットの中には、小さなベルベットの箱が入っている。その重みが、これから自分が成すべきことの意味を改めて感じさせた。
教会の扉を押し開けると、差し込む光の中にミレーヌの後ろ姿が見えた。彼女は祈るでもなく、ただ静かに教会の装飾を眺めていた。その凛とした立ち姿は、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
「次の任務内容は?」
ミレーヌはゼノの気配に気付くと振り返り、いつもの冷静な口調で尋ねた。その目は、感情を一切見せることなく、ただ淡々と彼を見つめている。
ゼノは言葉に詰まり、彼女から視線を逸らした。
「屋敷に……戻って……それから……。」
声がかすれ、はっきりと答えられない自分に苛立ちを覚える。
「なんです? 何か他に?」
ミレーヌは首をかしげながら問いかける。その表情には疑念が浮かんでいた。
ゼノは深く息を吸い込むと、静かに口を開いた。
「……ディア、私を恨んでいないのですか?」
その問いに、ミレーヌの目がわずかに揺れた。しかし、すぐに冷静さを取り戻し、彼女はゼノをじっと見据えたまま沈黙を保つ。
「私は……あなたの家族を……。」
ゼノの声は小さく、どこか震えていた。彼の心の中には、かつて自分が犯した罪が重くのしかかっている。
ミレーヌは目を閉じ、短い間を置いてから言葉を発した。
「恨んでいます。」
「……っ!」
ゼノは息を呑み、その場で固まった。彼の中で、過去の罪が改めて胸を刺す。だが次の瞬間、ミレーヌの言葉がさらに続く。
「会ってすぐに、どうして気付いてくださらなかったのですか。」
彼女の声は静かだが、その奥にはかすかな怒りと悲しみが混じっていた。
「私はすぐに気付きました。ゼノフィリアス……私の婚約者……。」
その一言に、ゼノの瞳が大きく揺れ動いた。ミレーヌの言葉は、彼の心を突き刺すようだった。
「……っ!!」
声を発することもできず、ただ彼女の顔を見つめるしかなかった。
ミレーヌは一歩近づき、彼の顔をまっすぐに見つめながら続けた。
「安心してください。恨むどころか……感謝しているんです。あの檻から私を放ってくれたことを……。それをやっと……伝えることができました。」
「何を……言って……。」
ゼノの声はかすれ、戸惑いと衝撃が入り混じった表情を浮かべていた。彼の心の中では、彼女の言葉の意味を理解しようとする思考が混乱していた。
ミレーヌは微笑むように唇をわずかに動かしたが、その笑顔はどこか切なさを伴っていた。
「あの日、あなたがいなければ、私は一生あの檻の中で生きることになっていました。それだけは、私にとって許しがたいものだった。」
彼女の言葉に、ゼノの喉が詰まる。ポケットの中の指輪の存在が、一層重く感じられた。彼は拳を握り締め、目を閉じた。
「おはよう……。何かあったの?」
僕は部屋の中を行き交う使用人の一人に声をかけた。彼女はぎょっとした表情を見せ、慌てて頭を下げた。
「いえ、たいしたことでは……」
その時、ドアが静かに開き、ミレーヌが現れた。彼女はすぐに僕の元へと歩み寄り、そっと僕を抱き上げた。その腕の温もりに、昨夜の疲れが少しずつ癒されていくのを感じる。
「ミレーヌ、何があったの?」
僕は彼女の表情を見上げながら尋ねた。彼女の顔には穏やかな笑みが浮かんでいたが、その奥にはどこか気遣いの色が見え隠れしていた。
「あまりたいしたことではありませんよ。ただ、メイシール様の容態を異常に心配なさった旦那様が、朝起きるなりお医者様を呼び、奥様のお世話を手厚く手配しているだけでございます。」
その答えに僕は驚きつつも、すぐに肩をすくめた。
「ほんとにたいしたことないや。活躍した僕たちに労いの言葉一つないよ。これってネグレクトだよね。」
ミレーヌは優しく微笑みながら、僕の頭を撫でた。その仕草には母親のような優しさが溢れていた。
「メアルーシュ様、あなたの活躍は決して忘れられていません。今は少しだけ、奥様のことに集中しているのです。」
「でも、少しくらい感謝してほしいな……。」
僕は唇を尖らせて不満を漏らしたが、彼女の眼差しに心が和らぎ、自然とため息が漏れた。
すると、扉が再び開き、ゼノが姿を現した。彼はまだ疲れが残っているのか、どこかよろけた足取りで部屋に入ってきた。その顔には深いクマが刻まれており、昨夜の疲労が色濃く残っている。
「ミレーヌ、変わります。あなたはもう少し休んでください。」
ゼノは低い声で言いながら、真剣な目でミレーヌを見つめた。
「いえ、そんなやわな体をしておりませんので、大丈夫ですよ。」
ミレーヌは一瞬戸惑いながらも微笑みを浮かべて答える。しかしゼノは首を軽く振り、真剣な表情を崩さない。
「そんなこと言わずに、少し休んでください。昨日の夜からほとんど寝ていないでしょう?」
その言葉にミレーヌは小さくため息をつき、僕をゼノに渡した。
「分かりました。でも、無理はしないでくださいね。」
ゼノの腕の中に移ると、彼の手の温かさと大きさが伝わってきた。その感触に、安心感がじんわりと広がる。
「もちろん、無理はしませんよ。」
ゼノが穏やかに微笑むと、ミレーヌも安心したように頷き、静かに部屋を後にした。
ゼノは僕を抱えたまま椅子に腰を下ろし、優しく僕を見下ろしながら口を開いた。
「坊ちゃん、昨夜は魔力を分けていただきありがとうございました。」
「うわ。不潔な体で僕に触らないでくれる?絶対やらしいことしてたじゃん。」
僕は茶化すように言い、彼をからかった。
「なっ!? いえ、別にそんなことは……。」
ゼノは慌てて否定したが、その様子が面白くて、僕は小さく笑った。
「冗談だよ。ミレーヌと結婚したんだってね。おめでとう。」
僕の言葉に、ゼノは一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに柔らかな笑みを見せた。
「ありがとう、坊ちゃん。これからも二人であなたを守っていきます。」
その言葉に、僕の心は穏やかになり、ゼノの胸に顔を埋めた。彼の心臓の鼓動が規則的に伝わり、そのリズムが僕の心を落ち着かせた。
「でも、死なないでほしい。」
僕は小さな声で呟いた。その言葉にゼノは一瞬驚き、眉をひそめた。
「え? 私、死んでしまうのでしょうか? 過労死ですか?」
ゼノの冗談めかした返事に、僕は首を振りながら目を閉じた。
「いや、別に未来視したわけでも直観力が発動したわけじゃないよ。これは願い……かな。」
僕は静かに答えた。
「願い……ですか?」
ゼノは少し困惑しながらも、その言葉の重みを感じ取ったようだった。
「もう少し寝たいな。ゼノも一緒に寝よう。」
僕が誘うと、ゼノは戸惑いながらも頷き、僕と一緒にベッドに横になった。
「ねぇ、ゼノ知ってる? 僕はね、魔力を分けるだけでなくて吸うこともできるんだよ。」
その言葉にゼノは驚きの表情を浮かべた。
「は?……。」
次の瞬間、僕はゼノの魔力を吸い取り始めた。ゼノの目が大きく見開かれたが、すぐに力が抜け、静かに意識を失った。
「ごめんね、ゼノ。でも君には休息が必要だ。」
僕はゼノを気絶させた後、彼の体を安定させるために魔力を戻した。ゼノが静かに寝息を立て始めたのを確認すると、僕も隣で目を閉じる。
ゼノの手をそっと握りながら、僕は穏やかな眠りに落ちていった。
―――――――
―――――
さらに時間は巻き戻り、レッドナイト公爵邸宅が燃える前、ゼノは教会に置いてきた、ミレーヌを迎えにいっていた。
任務を一通り終えたゼノは、夕暮れに染まる街を歩きながら教会へ向かっていた。ポケットの中には、小さなベルベットの箱が入っている。その重みが、これから自分が成すべきことの意味を改めて感じさせた。
教会の扉を押し開けると、差し込む光の中にミレーヌの後ろ姿が見えた。彼女は祈るでもなく、ただ静かに教会の装飾を眺めていた。その凛とした立ち姿は、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
「次の任務内容は?」
ミレーヌはゼノの気配に気付くと振り返り、いつもの冷静な口調で尋ねた。その目は、感情を一切見せることなく、ただ淡々と彼を見つめている。
ゼノは言葉に詰まり、彼女から視線を逸らした。
「屋敷に……戻って……それから……。」
声がかすれ、はっきりと答えられない自分に苛立ちを覚える。
「なんです? 何か他に?」
ミレーヌは首をかしげながら問いかける。その表情には疑念が浮かんでいた。
ゼノは深く息を吸い込むと、静かに口を開いた。
「……ディア、私を恨んでいないのですか?」
その問いに、ミレーヌの目がわずかに揺れた。しかし、すぐに冷静さを取り戻し、彼女はゼノをじっと見据えたまま沈黙を保つ。
「私は……あなたの家族を……。」
ゼノの声は小さく、どこか震えていた。彼の心の中には、かつて自分が犯した罪が重くのしかかっている。
ミレーヌは目を閉じ、短い間を置いてから言葉を発した。
「恨んでいます。」
「……っ!」
ゼノは息を呑み、その場で固まった。彼の中で、過去の罪が改めて胸を刺す。だが次の瞬間、ミレーヌの言葉がさらに続く。
「会ってすぐに、どうして気付いてくださらなかったのですか。」
彼女の声は静かだが、その奥にはかすかな怒りと悲しみが混じっていた。
「私はすぐに気付きました。ゼノフィリアス……私の婚約者……。」
その一言に、ゼノの瞳が大きく揺れ動いた。ミレーヌの言葉は、彼の心を突き刺すようだった。
「……っ!!」
声を発することもできず、ただ彼女の顔を見つめるしかなかった。
ミレーヌは一歩近づき、彼の顔をまっすぐに見つめながら続けた。
「安心してください。恨むどころか……感謝しているんです。あの檻から私を放ってくれたことを……。それをやっと……伝えることができました。」
「何を……言って……。」
ゼノの声はかすれ、戸惑いと衝撃が入り混じった表情を浮かべていた。彼の心の中では、彼女の言葉の意味を理解しようとする思考が混乱していた。
ミレーヌは微笑むように唇をわずかに動かしたが、その笑顔はどこか切なさを伴っていた。
「あの日、あなたがいなければ、私は一生あの檻の中で生きることになっていました。それだけは、私にとって許しがたいものだった。」
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