22 / 52
22.優しい竜王
しおりを挟む
ティルを抜いた俺はアノンのお母さんの前に行くとアノンが心配そうな声をかけてきた。
「翔…お母さんの封印解けそう?」
「うん!大丈夫だよ、すぐ封印を解いてあげるからね!」
そう言い俺はティルに願いを告げる。
(ティル!アノンのお母さんの封印を解いてくれ!!)
(分かってるわよ!)
投げやり気味にそう言う彼女の声が聞こえたかと思うと頭の中に文字が浮かぶ。
3→2
間違いなく残りの願いを叶えられる数のことだろう。
これが0になった時は装備者の命が奪われることになっているが俺にはあの能力があるから大丈夫だろう。
アノンのお母さんの方を確認する。すると、石の体にメキメキメキと亀裂が入ったかと思うと石の部分が弾け飛び、中から白いドラゴンの体が表れた。
中から出てきた白いドラゴン、聖竜王であるアノンのお母さんは純白の鱗に包まれており、姿形も美しかった。
ドラゴンを見てきれいだなと思うとは思わなかった。
少しの間見とれているとお母さんが口を開いた。
「私の封印を解いてくれたのはあなたですか?」
竜の中でもトップに君臨するはずの竜王の一体であるにも関わらずアノンのお母さんはとても礼儀正しい人、いや竜だった。
「あ、はい!そうです、もう体調のほうは大丈夫ですか?」
「ありがとうございます、私は聖竜王のウェールと言います。ウェールとお呼びください。
あなたのお名前をお聞きしても?」
「俺の名前は宇佐田翔です、あなたの娘さんのアノンに頼まれてきました。」
そう言うといままでタイミングを伺っていたアノンが我慢できずにウェールに向かって飛び出した。
「お母さん!」
ウ「アノン!」
ウェールさんもすぐアノンに気付き、人化を行いアノンに抱きついた。
ウェールさんはアノンと同じで白い髪に黄色い目のとても綺麗なお姉さんのような姿だった。
「ごめんね!お母さん!もう言いつけ破らないから!」
「うんうん!もういいのよ、それよりあなたも無事で良かったわ!」
そう言いあいながら抱き合う二人に思わず涙を誘われた。
「まさか、私の呪いが誰かを助ける日がくるなんてね、ほんとつくづくマスターといると初めての事ばかり起こるわね!」
「よかったですね!アノンちゃん!」
「これこそ家族のあるべき姿ですね!」
それぞれ別の反応を示しながらしばらくの間、二人が落ち着くまで見守っていた。
「本当に何から何までありがとうございます。
このお礼に何かさせて頂きたいのですが。」
「それでは、アノンと一緒に冒険をしたいのですがアノンを連れて行ってもよろしいですか?」
その言葉にウェールは少し寂しそうな顔をしたが
「アノンにも私以外との関わりを持って広い世界を見てほしいと思っていたのです。むしろこちらからお願いします。」
と言い頭を下げてきた。
「ありがとうございます。頼もしい仲間が増えて俺も嬉しいです。」
ウェールはニッコリ笑い、ふとアノンに尋ねた。
「ところでアノン、翔さんとはどこで会ったの?」
その質問にアノンはビクッとした後に
「奴隷市場…」
と小声で言った。
その途端、ウェールは急に今までの優しい雰囲気を消し去りアノンに詰め寄った。
「なぜそんなところで会うの!!どういうことか説明しなさい!」
そして簡単にアノンが経緯を説明した。その間ウェールさんは俯いて黙って聞いていたが、話が終わった後矛先が俺に向いた。
「翔さん、あなたが奴隷市場に行った理由をお聞きしてもいいですか?」
「俺たちが奴隷市場に行ったのは、手っ取り早く強い仲間が欲しかったからです。アノン以外にもそこにいるリーシアも同じ奴隷市場で買いました。」
即答した俺をさらにフォローするようにリーシアも続く。
「主様のおっしゃることは本当です。現に市場の中で一番強いのは私とアノンちゃんでした。それに、主様はアノンちゃんのお母さんの話を聞いてすぐ助けると判断されたのです。ですから、主様は立派な方だと私が証言します!」
そう言いニコッと俺に笑いかける。
リーシアは本当に良い子だな~、どっかのカンナにも見習ってほしいと思っていると
「そうです!翔さんはちょっと意地悪してくることはありますけど本当に困ってるときは助けてくれたり気を遣ってくれるような良い人なんです!」
珍しくちゃんとしたこともカンナが言った。
カンナがストレートにほめてくるのが新鮮だったため少し照れてしまう。
「なるほど、疑ってしまって申し訳ありませんでした。翔さんは人として素晴らしい方なのですね、買ってくれたのがあなたみたいな人で良かったです。」
そしてアノンの方に向き直ると、俺に言った時より怖い顔で
「少しアノンと話をしてきますので皆さんはお待ちください。アノン、ついてきなさい。」
こう言った。
アノンはもうすでに泣きそうな顔をしながら母親のあとについて行く。
そして、見えないところまで行ったあとウェールさんの怒鳴る声が聞こえてきた。
しばらくして、初めの優しそうな雰囲気に戻ったウェールさんと現在進行形で泣いているアノンが戻ってきた。
普段優しいお母さんが怒ると怖いよね…
俺達はいまだ泣き続けるアノンに同情しながら落ち着くまで待つことにした。
「翔…お母さんの封印解けそう?」
「うん!大丈夫だよ、すぐ封印を解いてあげるからね!」
そう言い俺はティルに願いを告げる。
(ティル!アノンのお母さんの封印を解いてくれ!!)
(分かってるわよ!)
投げやり気味にそう言う彼女の声が聞こえたかと思うと頭の中に文字が浮かぶ。
3→2
間違いなく残りの願いを叶えられる数のことだろう。
これが0になった時は装備者の命が奪われることになっているが俺にはあの能力があるから大丈夫だろう。
アノンのお母さんの方を確認する。すると、石の体にメキメキメキと亀裂が入ったかと思うと石の部分が弾け飛び、中から白いドラゴンの体が表れた。
中から出てきた白いドラゴン、聖竜王であるアノンのお母さんは純白の鱗に包まれており、姿形も美しかった。
ドラゴンを見てきれいだなと思うとは思わなかった。
少しの間見とれているとお母さんが口を開いた。
「私の封印を解いてくれたのはあなたですか?」
竜の中でもトップに君臨するはずの竜王の一体であるにも関わらずアノンのお母さんはとても礼儀正しい人、いや竜だった。
「あ、はい!そうです、もう体調のほうは大丈夫ですか?」
「ありがとうございます、私は聖竜王のウェールと言います。ウェールとお呼びください。
あなたのお名前をお聞きしても?」
「俺の名前は宇佐田翔です、あなたの娘さんのアノンに頼まれてきました。」
そう言うといままでタイミングを伺っていたアノンが我慢できずにウェールに向かって飛び出した。
「お母さん!」
ウ「アノン!」
ウェールさんもすぐアノンに気付き、人化を行いアノンに抱きついた。
ウェールさんはアノンと同じで白い髪に黄色い目のとても綺麗なお姉さんのような姿だった。
「ごめんね!お母さん!もう言いつけ破らないから!」
「うんうん!もういいのよ、それよりあなたも無事で良かったわ!」
そう言いあいながら抱き合う二人に思わず涙を誘われた。
「まさか、私の呪いが誰かを助ける日がくるなんてね、ほんとつくづくマスターといると初めての事ばかり起こるわね!」
「よかったですね!アノンちゃん!」
「これこそ家族のあるべき姿ですね!」
それぞれ別の反応を示しながらしばらくの間、二人が落ち着くまで見守っていた。
「本当に何から何までありがとうございます。
このお礼に何かさせて頂きたいのですが。」
「それでは、アノンと一緒に冒険をしたいのですがアノンを連れて行ってもよろしいですか?」
その言葉にウェールは少し寂しそうな顔をしたが
「アノンにも私以外との関わりを持って広い世界を見てほしいと思っていたのです。むしろこちらからお願いします。」
と言い頭を下げてきた。
「ありがとうございます。頼もしい仲間が増えて俺も嬉しいです。」
ウェールはニッコリ笑い、ふとアノンに尋ねた。
「ところでアノン、翔さんとはどこで会ったの?」
その質問にアノンはビクッとした後に
「奴隷市場…」
と小声で言った。
その途端、ウェールは急に今までの優しい雰囲気を消し去りアノンに詰め寄った。
「なぜそんなところで会うの!!どういうことか説明しなさい!」
そして簡単にアノンが経緯を説明した。その間ウェールさんは俯いて黙って聞いていたが、話が終わった後矛先が俺に向いた。
「翔さん、あなたが奴隷市場に行った理由をお聞きしてもいいですか?」
「俺たちが奴隷市場に行ったのは、手っ取り早く強い仲間が欲しかったからです。アノン以外にもそこにいるリーシアも同じ奴隷市場で買いました。」
即答した俺をさらにフォローするようにリーシアも続く。
「主様のおっしゃることは本当です。現に市場の中で一番強いのは私とアノンちゃんでした。それに、主様はアノンちゃんのお母さんの話を聞いてすぐ助けると判断されたのです。ですから、主様は立派な方だと私が証言します!」
そう言いニコッと俺に笑いかける。
リーシアは本当に良い子だな~、どっかのカンナにも見習ってほしいと思っていると
「そうです!翔さんはちょっと意地悪してくることはありますけど本当に困ってるときは助けてくれたり気を遣ってくれるような良い人なんです!」
珍しくちゃんとしたこともカンナが言った。
カンナがストレートにほめてくるのが新鮮だったため少し照れてしまう。
「なるほど、疑ってしまって申し訳ありませんでした。翔さんは人として素晴らしい方なのですね、買ってくれたのがあなたみたいな人で良かったです。」
そしてアノンの方に向き直ると、俺に言った時より怖い顔で
「少しアノンと話をしてきますので皆さんはお待ちください。アノン、ついてきなさい。」
こう言った。
アノンはもうすでに泣きそうな顔をしながら母親のあとについて行く。
そして、見えないところまで行ったあとウェールさんの怒鳴る声が聞こえてきた。
しばらくして、初めの優しそうな雰囲気に戻ったウェールさんと現在進行形で泣いているアノンが戻ってきた。
普段優しいお母さんが怒ると怖いよね…
俺達はいまだ泣き続けるアノンに同情しながら落ち着くまで待つことにした。
3
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる