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1話 突然の転生
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俺の名前は斎藤信二、どこにでもいるサラリーマンだ。毎日、残業ばかりの日々にはうんざりしている。だがもう俺にはこの現状を変えようと思う気は残っていない。ただ、毎日通勤して仕事して残業をして帰宅して寝てを繰り返すだけの存在だ。
「はぁ、今日も残業かぁ。これで今週も定時で変えれる日は無かったな」
「まぁまぁ、今日はそんなに残ってないから2時間くらい頑張ればいけるかもしれませんよ」
同僚の浩平はこうはいっているが目は笑っていない。そして2人でため息をついた。
必死の頑張りもあり、なんとか2時間後には今日の分を終わらせる。もう冬が近いということもあって辺りはすっかり暗くなっていた。
「もう暗くなってますね。まぁ暗くなる前に変えれることなんて数えるほどしかなかった気もしますが」
「もうちょっと早く帰りてぇよなぁ。せめてもう一人くらいうちの部署に来てくれれば・・・」
人件費をケチることしか考えていないうちの会社では絶望的であるが、実際に今の人数では毎日残業するしかないのだ。
愚痴をこぼしつつ、駅まで歩きそこで同僚と別れる。今日は終電よりは大分早いためまだ人もそれなりにいた。
そして電車に揺られ、乗り継ぎをして最寄りの駅に到着する。ここまで来ると人通りもほとんどない。虫の鳴き声のする道を1人ゆっくり帰る。見慣れた光景だ。
しかし、気づけば周囲の状況が何かおかしかった。周りが暗いのはいつものことだが灯りが一つも見えない。何か違う世界に来てしまったかのような風にも感じた。
明らかにおかしいと感じ、足を止めて周囲を見渡してみるがやはり何も見えない。ならばと小走りで移動してみたがそれでも何も変わらなかった。
とうとう死んでしまったか?と思い始めた頃、徐々に周りが明るくなってきていることに気付く。そして目の前には髭を長く伸ばした老人がこちらを見ていた。
老人は日本人っぽくはなく、というかこの世の者とは思えないほどの神々しさを感じた。もしかしたら本当に神なのか?と思っているとその老人は俺に対して語りだした。
「すまない。少々強引ではあったがこちらに来てもらった」
どういうことだ?そう思う隙も無く老人は話しを続ける。
「君にはこれからこの世界とは違う別の世界に転生してもらう。そしてその世界に訪れる危機から救って欲しい」
突然のことに頭がついていかない。しばらくするとだんだんこの老人の言っていることが分かってきたが脳がこの状況を拒否し続けていた。
「えぇっと、異世界に転生して世界を救うと。何のとりえもない俺が?」
「そこは心配戦でもいい。こちらも丸腰の君を放り出すようなことはせんよ。君は赤ん坊からやり直してもらう。そして10歳になる時に前世の記憶が甦るようにしよう。その頃に新しい身体に備わったスキルも徐々に開花していくからそれを上手く使って欲しい」
「なるほど、それはまぁいいとして幾つか質問してもいいか?」
「そうじゃな。お主に協力してもらうのだからそれくらいはしてやらないとな。幾つでも言ってみよ」
「じゃあ遠慮なく。異世界に行ったら元の世界には戻れない?」
「そうじゃな。というかもう戻れない。すまないことをしたと思っているがこれも仕方ないことと受け入れて欲しい」
「それはいいよ。どうせ戻っても碌なことはないからな。それに戻れないってわかったほうが割り切れる」
「ほっほ、じゃあ次の質問は何かね?」
「赤ん坊からやり直すと言ったがちゃんとした環境で育てられるんだな?」
「安心せぇ。その辺りは抜かりないわい」
「世界を救った後は自由なのか?」
「そうじゃな。というか向こうの世界に着いたら基本的にはこちらからは干渉はできん」
「後は・・・生まれ持つスキルとかは教えてくれるのか?あとスキルがあるってことは魔法もあるのか?」
「それは実際に使ってみてのお楽しみということに。言葉で説明するより実際に使った方が理解も早いじゃろうて。心配戦でもええ、それなりに使えるスキルを多く渡すから寧ろ快適になるじゃろう。魔法の件じゃが、もちろんあるぞ。向こうで色々学ぶと良い」
咄嗟に思いつくのはこれくらいだ。後はまぁ向こうに行って前世の記憶を思い出してからでもいいだろう。
「わかった。じゃあお願いする」
「忘れて貰っちゃ困るから最後にもう一度言うぞ。これから向かう世界を救ってくれ。どんな危機かは向こうに着いたらわかるだろう。まぁ嫌でも関わることになるじゃろうがな。それでは、新たな人生が良きものとなることを祈っているぞ」
言い終わると同時に何やら呪文のようなものを唱えだし、俺の周りに魔法陣が現れる。魔法陣はどんどん明るくなっていき、目の前にいるはずの老人すら見えなくなった。
(何はともあれクソみたいな人生をやり直せてラッキーなのかな?次の人生は後悔しない様に頑張らないと・・・)
真っ白な世界はいつまで続いていたのだろうか。そんなことすら途中からはわからなくなっていく。そして自分という存在を再び認識するのはおよそ10年後になった。
信二のいなくなった後老人はぽつりとつぶやく。
「儂の見立てだとあの者がその気になれば世界を救ってくれる・・・はず。どのような過程を踏むかはわからぬがな」
「はぁ、今日も残業かぁ。これで今週も定時で変えれる日は無かったな」
「まぁまぁ、今日はそんなに残ってないから2時間くらい頑張ればいけるかもしれませんよ」
同僚の浩平はこうはいっているが目は笑っていない。そして2人でため息をついた。
必死の頑張りもあり、なんとか2時間後には今日の分を終わらせる。もう冬が近いということもあって辺りはすっかり暗くなっていた。
「もう暗くなってますね。まぁ暗くなる前に変えれることなんて数えるほどしかなかった気もしますが」
「もうちょっと早く帰りてぇよなぁ。せめてもう一人くらいうちの部署に来てくれれば・・・」
人件費をケチることしか考えていないうちの会社では絶望的であるが、実際に今の人数では毎日残業するしかないのだ。
愚痴をこぼしつつ、駅まで歩きそこで同僚と別れる。今日は終電よりは大分早いためまだ人もそれなりにいた。
そして電車に揺られ、乗り継ぎをして最寄りの駅に到着する。ここまで来ると人通りもほとんどない。虫の鳴き声のする道を1人ゆっくり帰る。見慣れた光景だ。
しかし、気づけば周囲の状況が何かおかしかった。周りが暗いのはいつものことだが灯りが一つも見えない。何か違う世界に来てしまったかのような風にも感じた。
明らかにおかしいと感じ、足を止めて周囲を見渡してみるがやはり何も見えない。ならばと小走りで移動してみたがそれでも何も変わらなかった。
とうとう死んでしまったか?と思い始めた頃、徐々に周りが明るくなってきていることに気付く。そして目の前には髭を長く伸ばした老人がこちらを見ていた。
老人は日本人っぽくはなく、というかこの世の者とは思えないほどの神々しさを感じた。もしかしたら本当に神なのか?と思っているとその老人は俺に対して語りだした。
「すまない。少々強引ではあったがこちらに来てもらった」
どういうことだ?そう思う隙も無く老人は話しを続ける。
「君にはこれからこの世界とは違う別の世界に転生してもらう。そしてその世界に訪れる危機から救って欲しい」
突然のことに頭がついていかない。しばらくするとだんだんこの老人の言っていることが分かってきたが脳がこの状況を拒否し続けていた。
「えぇっと、異世界に転生して世界を救うと。何のとりえもない俺が?」
「そこは心配戦でもいい。こちらも丸腰の君を放り出すようなことはせんよ。君は赤ん坊からやり直してもらう。そして10歳になる時に前世の記憶が甦るようにしよう。その頃に新しい身体に備わったスキルも徐々に開花していくからそれを上手く使って欲しい」
「なるほど、それはまぁいいとして幾つか質問してもいいか?」
「そうじゃな。お主に協力してもらうのだからそれくらいはしてやらないとな。幾つでも言ってみよ」
「じゃあ遠慮なく。異世界に行ったら元の世界には戻れない?」
「そうじゃな。というかもう戻れない。すまないことをしたと思っているがこれも仕方ないことと受け入れて欲しい」
「それはいいよ。どうせ戻っても碌なことはないからな。それに戻れないってわかったほうが割り切れる」
「ほっほ、じゃあ次の質問は何かね?」
「赤ん坊からやり直すと言ったがちゃんとした環境で育てられるんだな?」
「安心せぇ。その辺りは抜かりないわい」
「世界を救った後は自由なのか?」
「そうじゃな。というか向こうの世界に着いたら基本的にはこちらからは干渉はできん」
「後は・・・生まれ持つスキルとかは教えてくれるのか?あとスキルがあるってことは魔法もあるのか?」
「それは実際に使ってみてのお楽しみということに。言葉で説明するより実際に使った方が理解も早いじゃろうて。心配戦でもええ、それなりに使えるスキルを多く渡すから寧ろ快適になるじゃろう。魔法の件じゃが、もちろんあるぞ。向こうで色々学ぶと良い」
咄嗟に思いつくのはこれくらいだ。後はまぁ向こうに行って前世の記憶を思い出してからでもいいだろう。
「わかった。じゃあお願いする」
「忘れて貰っちゃ困るから最後にもう一度言うぞ。これから向かう世界を救ってくれ。どんな危機かは向こうに着いたらわかるだろう。まぁ嫌でも関わることになるじゃろうがな。それでは、新たな人生が良きものとなることを祈っているぞ」
言い終わると同時に何やら呪文のようなものを唱えだし、俺の周りに魔法陣が現れる。魔法陣はどんどん明るくなっていき、目の前にいるはずの老人すら見えなくなった。
(何はともあれクソみたいな人生をやり直せてラッキーなのかな?次の人生は後悔しない様に頑張らないと・・・)
真っ白な世界はいつまで続いていたのだろうか。そんなことすら途中からはわからなくなっていく。そして自分という存在を再び認識するのはおよそ10年後になった。
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