救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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10話 一人旅は嫌だと思ったが

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突然の来訪者に俺は驚く。振り向くとそこには俺と同じくらいの少女がいた。

『知り合い・・・ではありませんね』

分かっているわと頭の中で突っ込み少女に対し返事をする。この間1秒もかかっていない。我ながら早くなったものだと感心している。

「あぁ、そうだが」

「そうなのですね・・・申し遅れました。私はユカ。この街に住んでいるの。両親が南東の方に仕事で行ってたんだけどあの地震のあと何も連絡が無くて困っていたのです」

「なるほど、それで調査している俺についていけばそこまで行けるのではないかと思ったのか?」

「その通りです。両親どころか街全体の情報が全く入ってきていない時点でなんとなく悪い予感はしているのですが実際にこの目で見てみたいのです」

「行きたい理由はわかったが、俺から幾つか質問をさせてくれ。まず一つ目に、俺にとって君を連れていくことに何か利点はあるのか?聞くところによると出現する魔物が変わっていると聞く。戦闘になった時に戦えるのか?」

「それについては心配ないわ。私も戦うための訓練を受けてきたから腕にはそこそこ自信があるわ。不安なら実際に見てみる?」

「いや、いずれ見ることになるだろうから今はいい。次の質問だ、君を連れていくことで不都合に感じる人がいるんじゃないか?見たところ結構いいところのお嬢さんって感じだ。そのせいでお尋ね者になるのは御免だ」

「あー、それなんだけど・・・私が両親のところに行きたいって言ったら周りには反対されたの。だからこっそり行くしかないの」

とんでもない面倒物件だ。正直戦闘できるかどうかよりもこっちの方が問題だ。こんなもの絶対却下だ。

「えぇ・・・正直に言ってくれたのは嬉しいけどそれを聞いて連れていこうって思う人はいないよね。もし連れていこうとするならそれは人攫いだ」

「やっぱりだめ?」

そんな目で見ないでくれ。可愛い子にそんなことをされると心が揺らぐ。

「駄目ったら駄目だ。どうしても行きたいなら明日までになんとかして周りを説得してくれ。俺も暇じゃないんでね」

『一つだけ貴方が連れて行きたくなる可能性を見つけました』

(なんだ?お前はこいつと一緒に行きたいのか?スケベさんめ)

『なんだか我々の知らないことまで知ってそうですしスキルのことを調べる足掛かりにできるのでは?』

(確かに、こいつに恩を売れば一般には後悔されていない書物を見る機会があるかもしれないな)

俺にとってはもっと大事なことでそれを指摘されると弱い。

「すみませんでした・・・」

「いや、ちょっと待ってくれ。こちらの言うことを1つ聞いてもらえば前向きに考える」

「はぁ、一体何をすればいいのですか?」

こちらが急に態度を変えたことに対して何やら不思議に思っているようであるが、気にしない。俺は話を続けた。

「今回の異変とは別にちょっとスキルについても調べていてね、スキルに関する書物を見たいんだけど」

そんなこと?と言わんばかりの表情でこちらを見ている。先ほどからの一連の流れ、明らかに頭のネジが飛んでいる人だ。

「えぇ、それくらいでしたら。確かに我が家には世間ではあまり流通していないような本もありますが・・・」

それって今回の地震と同じくらい大事?と目で訴えかけてきているように見える。

「本当か?じゃあ俺が何とか説得してみよう」

「何だか変な人ね、まぁ悪い人ではなさそうだけど」

『もう少し自然な流れでできなかったのですかね。少し結論を出すのが早かったばかりに面倒なことになってしまいましたね』

「じゃあ早速・・・と言いたいところだが説得するにあたって色々と聞いておきたいことがある、っとその前に俺はアンドレ。隣の村ノースから今回の地震についての調査を始めたばかりの者だ」

今回の地震の調査がどれくらい始まっているかは分からない。だが、少なくともこの街で現地に行ってまでしようとする者はいなかった。

「じゃあ早速質問だ・・・・・・」

彼女の両親のこと、彼女がどういうスキルを持っているか、そして長期間の旅をしても大丈夫なことを確認した。

「ふぅ、まぁこんなところかな。後は説得できるかどうか、やってみるだけやってみよう」

「ちょっと見直しました。きちんと考えてくださっているってのは伝わってきました」

「当たり前だ、他の人を連れていく以上責任ってのはどうしても避けられねぇ」

ユカとも少し打ち解けてきたところでいよいよ彼女の実家に向かった。今回説得しなければいけないのは彼女の世話役として任命されている執事だ。なんでも両親からの信頼も厚い中々できる人のようだ。

(急に不安になってきたなぁ)

『困ったら私を頼る気満々なのはばれてますよ。反対はしませんが私を否定しようとする以上頼りすぎるのはあまりいい傾向とは言えませんね』

あぁ、こいつはいつも正しい。そして嫌味で鬱陶しい。

「緊張しています?先程と印象が大分違っています」

「い、いや、うん、少し緊張しているがもう大丈夫だ。気遣い感謝する」

そしてユカの実家に入り、奥の部屋へと案内される。

「おかえりなさいませ、お嬢様。そちらの御仁は?」

「紹介するわ。この方はアンドレ。私を南東の街、サウスまで案内してくれる人よ」

先程まで優しい目をしていた執事の目が急に険しくなり俺の方を睨みつける。いよいよだ。
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