救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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26話 変わった魔法使い

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最後の一人はかわいらしい少女だった。おかしいな、書類上ではもっと年は上だったような気がするんだが。

「すみません、貴方が今回応募されたアンナさんですか?」

予想外の事態に動揺してしまい、相手が名乗る前どころか扉が閉まるかどうかというタイミングで質問してしまう。

相手の方も予期せぬタイミングの質問に戸惑ってしまい、しばらくの間奇妙な沈黙が流れる。

流石にこの状況になってしまった責任は俺にあるので俺が何とかしなければいけないと腹をくくる。

「すみません、まずはそこにおかけになってください」

少女の方も俺の発言で少し落ち着きを取り戻したのか用意されている椅子の近くまで歩いていき、ゆっくりと座った。

「さて、改めて先程は失礼なことをしてしまい申し訳ない。この通りだ」

深く頭を下げ、先程の失態を謝る。しばらく頭を下げていたが何も言い返してこないので恐る恐る頭をあげたがどうやら怒ってはいないようだった。

「謝るのもいいけど相手を困らせちゃもっと失礼だよ。しっかりして」

少女の手前、ユカに叱られる。一体何を見せられているんだとなっているかもしれない。だが切り替えなくては。

「そ、そうだな。それでは自己紹介をお願いします」

そういえば今までずっと黙っていたんだけど無口な人なのかな?

そう思っていたのだが、すぐにその予想が外れていることを悟る。

「はい、仰る通り私がアンナです。書類の内容とのギャップに驚かれたでしょうがすべて事実です、それと特技でしたっけ?魔法全般知識も実際に使うことも誰にも負けない自信はあります」

なんだかすごそうなのが来たなぁ。関心している俺のほうをちらりと見たアヤは俺がすぐに質問しないことにしびれを切らした。

「なるほど、中々興味深いですね。もしかして世間一般ではあまり知られていないようなものでもご存じだったりしますか?」

「まぁ、そうじゃな。全部知っているというわけではないが我が知らんものはお主らは存在すら知らんじゃろうから問題ないぞ」

何だか急に自慢げになってきたな。おそらく魔法のことを語らせるとこうなるのかなぁ。何はともあれこの情報はでかいぞ。

ユカも俺がまじめになったのを確認するとそれ以上口を開くことはなかった。

「ではこのような魔法もご存じですか?少人数でも十分に休息をとりつつ長旅ができるような魔法を」

「なるほど、危険な場所に行きたいということですか。おそらくこの街より南に行きたいということなのでしょう。おっとすみません、一人で納得してしまって。仰る魔法ですが確かに私はその魔法を知っていますし実際に使うこともできます」

なんと、想像以上の答えだ。これはすぐにでも試してもらいたいがその前に色々と聞いておかなければいけないことがあるな・・・

「素晴らしい。しかし、このような博識なあなたがどうして私共パーティーに応募していただいたのか。とても嬉しいのですがその点がこちらとしては気がかりです」

何と言うか弱気な質問なのだがこういう場で聞いておかないと後々困るかなぁと思い聞かずにはいられなかった。

「なんというか・・・変わった方ね。求めるものを全部持っている美少女が来たからどうすればいいのか分からなくなっているのかしら?まぁいいわ。そうね、貴方が疑問に思うのも分からなくはないわ。私が応募したのはただ一つ、貴方達と一緒にいると私の知らない世界が見れる、そう思ったからよ」

この少女の言っている知らない世界というのは何だろう。荒廃していると思われる南の土地だろうかそれとも俺の前世の世界のことだろうか、そんな疑問は消えなかったがともかく、悪い目的で近づいてきたというわけではなさそうだ。

『ちょっと信用するまでの時間が短すぎませんかね。美人は得とはよく言ったものです』

鋭い指摘は一旦さておいておこう。

「とりあえずその魔法を見せては貰えないか?その内容次第ではすぐにでもパーティーに入ってほしい」

「我の崇高な魔法をとくとみるがよい」

(魔法のこととなるとなんか変わるなぁ。今のところこれ以外に文句つけるとこはないし慣れるしかないのかなぁ)

そんなことを思っている俺をよそにアンナは勢いよく部屋の外へと飛び出す。おいおい、まだどこでやるのか言ってないぞ。

部屋を出たときに流石に気づいたのかくるっと回ってこちらを見る。

「すまん、どこでやればいいんじゃ?」

「落ち着いて、案内するから」

(見た目通りの幼さだよなぁ、本当の年齢は何歳なんだ?)

『多分書類の通りだとは思いますよ。今更聞くのも違うでしょうし、何かの機会に知れたらラッキーくらいに思いましょう』

もうそんな機会はないだろうと思いながら街の外へ向かって歩きだした。
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