27 / 45
27話 想像以上
しおりを挟む
さてと、この辺りでいいかな?
街道沿いからは離れた場所、人も魔物も気配のしない森の入り口に来ていた。
「ここでするのか?」
「いや、ここからは君に決めてもらう。どういう魔法を使うかよく知らないからね。とりあえず今日はこの辺りで休もうといった場合を想定してくれ」
「なるほど、全て試験ということですね。でもせっかくだから私の魔法の腕とか見たくないですか?」
「ん?まぁそれも見てはおきたいんだけど、そっちに時間を取っていたら日が暮れてしまわないか?」
「大丈夫大丈夫、と言いたいけど魔物がすぐに見つけれる自信はないから今日はやめときます」
意外と冷静な判断もできるのか?とも思ったがこれだけで判断するのは早いな。
「じゃあ早速始めてもらおうか。一部始終を見せて貰っても大丈夫だろうか?」
「我の繰り出す偉大な魔法、とくと見よ」
「ちょっとまってくれ、魔法が絡んだ時だけ口調が変わっているんだけど、それはわざとなのか?こちらとしては常に同じほうがありがたいから話しやすい方で統一してくれると助かる」
「むぅ、わかった。我はこの調子で話すことにする。流石に初対面でこの口調は問題あると思ってたんで我慢していたんじゃがここまでくればもうパーティーに入ったも同然じゃろう」
(いや、普通にこの口調で話していたと思うんだけど・・・突っ込まない方がいいな)
『思ったより何倍も変わった方ですね。ご主人の気苦労が増えなければよいのですが』
「よし、そっちが素なんだな。中断してすまなかった。では始めてくれ」
アンナはまず休むのに適当な場所を探すためだろうか、何か祈りだした。
『どうやら周囲の地形などを把握しているようですね。原理としては・・・そうですね、ソナーのようなものでしょうか』
はぇ~、と感心しているとアンナは目を見開き、どこかへと向かって歩き出した。
(この辺りの地形は俺もあまり把握していないんだよなぁ、他の場所にすべきだったか?)
『変な先入観持たずに見ることも大事ですので一概には言えないかと』
確かに、と感心しているうちにアンナは立ちどまり、辺りを見渡しだした。
アンナに倣って俺も周囲を見渡してみるが何の変哲もない森の中といった感想しか出てこない。ここに俺の知らない何かがあるのだろうか。
そして何か集中しだしたかと思うと何か詠唱のようなものを始めた。何が始まるんだ?と思った矢先すぐに地面が軽く揺れてアンナの前の地面が盛り上がる。
そして揺れが収まると同時にこちらの方を向いてきた。
「はい、おしまいじゃ。中に入ってみて確認してみるといい。質問とかは中に入ってから聞くぞい」
ふむ、確かに。まだ見てみないと何とも言えないか。
アンナの案内の元、俺達はゆっくりと地下へと降りていく。とは言ってもそれほど深いわけではないのですぐに止まることになったのだが。
さて、一番奥にたどり着いたわけだが、広くもなく狭くもなくといった感じだ。3人が休むには十分な広さともいえる。
「これがその魔法っていうやつか。中々快適そうじゃないか」
「気を付けなければいけないことはたくさんある。まず入口を我ら以外に気付かれたらその時点でここは安全でなくなる。防護壁も貼ってはいるが同等以上の相手では心もとないからの。それに今回は周りの地形をいじりやすかったからよかったが毎回都合よくこうできるわけでもない。ま、他にも方法はないわけではないが・・・今はこれでいいじゃろう。後はこの魔法、結構魔力を使うんでの、毎日使うのは流石に我と言えども無理じゃぞ」
思ったより制限はあるのか、でも予想以上の者であることには変わりない。後気になっていることと言えば・・・
「ふむ、それで周りの様子を確認していたのか。因みに今外から見たらどうなっているんだ?」
「少し盛り上がっているように見えるくらいじゃな。そう不自然に思う者もなかろう」
「この魔法、アンナ以外にも使うことはできるのか?」
「魔法の操作に長けたものであれば使えるはずじゃ。とは言ってもそうやって何人もの者が諦めていったのを知っているがの」
少なくとも俺には無理そうだ。でもここにはもう一人、魔法の得意な奴もいる。
「なぁユカ、もしかして君ならこの魔法使えたりできないか?」
「え?うーん、結構難しそうに見えたからそういわれてもすぐにできるってことは絶対ないわ。それに魔力も相当使うんでしょ?戦闘に影響が出るかもしれないししばらくは諦めてもらいたいわ」
確かに、目的と手段が入れ替わってはいけない。しばらくは2日に1度で我慢するしかないか。これでも十分すぎるくらいだからな。
「色々と見せてもらったが想像以上だ。ぜひパーティーに入って君の腕を振るってもらいたい」
「うむ、よろしく頼むぞ。我を飽きさせないよう精進するがいい」
こうしてアンナをパーティーへ迎え入れた俺達はサウスの街へ向かう計画を立てるのであった。
街道沿いからは離れた場所、人も魔物も気配のしない森の入り口に来ていた。
「ここでするのか?」
「いや、ここからは君に決めてもらう。どういう魔法を使うかよく知らないからね。とりあえず今日はこの辺りで休もうといった場合を想定してくれ」
「なるほど、全て試験ということですね。でもせっかくだから私の魔法の腕とか見たくないですか?」
「ん?まぁそれも見てはおきたいんだけど、そっちに時間を取っていたら日が暮れてしまわないか?」
「大丈夫大丈夫、と言いたいけど魔物がすぐに見つけれる自信はないから今日はやめときます」
意外と冷静な判断もできるのか?とも思ったがこれだけで判断するのは早いな。
「じゃあ早速始めてもらおうか。一部始終を見せて貰っても大丈夫だろうか?」
「我の繰り出す偉大な魔法、とくと見よ」
「ちょっとまってくれ、魔法が絡んだ時だけ口調が変わっているんだけど、それはわざとなのか?こちらとしては常に同じほうがありがたいから話しやすい方で統一してくれると助かる」
「むぅ、わかった。我はこの調子で話すことにする。流石に初対面でこの口調は問題あると思ってたんで我慢していたんじゃがここまでくればもうパーティーに入ったも同然じゃろう」
(いや、普通にこの口調で話していたと思うんだけど・・・突っ込まない方がいいな)
『思ったより何倍も変わった方ですね。ご主人の気苦労が増えなければよいのですが』
「よし、そっちが素なんだな。中断してすまなかった。では始めてくれ」
アンナはまず休むのに適当な場所を探すためだろうか、何か祈りだした。
『どうやら周囲の地形などを把握しているようですね。原理としては・・・そうですね、ソナーのようなものでしょうか』
はぇ~、と感心しているとアンナは目を見開き、どこかへと向かって歩き出した。
(この辺りの地形は俺もあまり把握していないんだよなぁ、他の場所にすべきだったか?)
『変な先入観持たずに見ることも大事ですので一概には言えないかと』
確かに、と感心しているうちにアンナは立ちどまり、辺りを見渡しだした。
アンナに倣って俺も周囲を見渡してみるが何の変哲もない森の中といった感想しか出てこない。ここに俺の知らない何かがあるのだろうか。
そして何か集中しだしたかと思うと何か詠唱のようなものを始めた。何が始まるんだ?と思った矢先すぐに地面が軽く揺れてアンナの前の地面が盛り上がる。
そして揺れが収まると同時にこちらの方を向いてきた。
「はい、おしまいじゃ。中に入ってみて確認してみるといい。質問とかは中に入ってから聞くぞい」
ふむ、確かに。まだ見てみないと何とも言えないか。
アンナの案内の元、俺達はゆっくりと地下へと降りていく。とは言ってもそれほど深いわけではないのですぐに止まることになったのだが。
さて、一番奥にたどり着いたわけだが、広くもなく狭くもなくといった感じだ。3人が休むには十分な広さともいえる。
「これがその魔法っていうやつか。中々快適そうじゃないか」
「気を付けなければいけないことはたくさんある。まず入口を我ら以外に気付かれたらその時点でここは安全でなくなる。防護壁も貼ってはいるが同等以上の相手では心もとないからの。それに今回は周りの地形をいじりやすかったからよかったが毎回都合よくこうできるわけでもない。ま、他にも方法はないわけではないが・・・今はこれでいいじゃろう。後はこの魔法、結構魔力を使うんでの、毎日使うのは流石に我と言えども無理じゃぞ」
思ったより制限はあるのか、でも予想以上の者であることには変わりない。後気になっていることと言えば・・・
「ふむ、それで周りの様子を確認していたのか。因みに今外から見たらどうなっているんだ?」
「少し盛り上がっているように見えるくらいじゃな。そう不自然に思う者もなかろう」
「この魔法、アンナ以外にも使うことはできるのか?」
「魔法の操作に長けたものであれば使えるはずじゃ。とは言ってもそうやって何人もの者が諦めていったのを知っているがの」
少なくとも俺には無理そうだ。でもここにはもう一人、魔法の得意な奴もいる。
「なぁユカ、もしかして君ならこの魔法使えたりできないか?」
「え?うーん、結構難しそうに見えたからそういわれてもすぐにできるってことは絶対ないわ。それに魔力も相当使うんでしょ?戦闘に影響が出るかもしれないししばらくは諦めてもらいたいわ」
確かに、目的と手段が入れ替わってはいけない。しばらくは2日に1度で我慢するしかないか。これでも十分すぎるくらいだからな。
「色々と見せてもらったが想像以上だ。ぜひパーティーに入って君の腕を振るってもらいたい」
「うむ、よろしく頼むぞ。我を飽きさせないよう精進するがいい」
こうしてアンナをパーティーへ迎え入れた俺達はサウスの街へ向かう計画を立てるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる