救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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30話 目的地

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疑問は増えるばかりだが一々考えていても埒が明かない。一先ず問題を先送りにし、目の前の事態に集中することにした。

(もしかしてこの異変の解決をしないとスキルのことも分からない様になっているのかなぁ。そうだとしたらよくできてるよ、本当に)

頭の中で溜め息を吐きつつ、魔素の濃度が徐々に高くなっている街道沿いを歩いていく。

時々魔物には遭遇するが、街の周囲で出会ったものと大差はなく、身構えた割には快適な旅となった。

「この調子だと明日には着きそうだな」

持っている地図と周りの景色を比較しながら現在のおおよその位置を推測する。

「それにしてもあんなに大きな揺れがあったのにこの辺り全く変わっていない様に見えるわね」

「ふむぅ、揺れのあった場所は我らが想像しているよりも更に遠くということなのかの?」

「色々疑問は出てくると思うが結局推測の域はでないからな。目の前の敵だけに集中しよう」

そんなこんなでついに、サウスの街の前に到着する。街が近づくにつれて魔物の強さが少し強くなったようで油断していると時折痛い目にあうことも出始めた。

「いてて、ちょっと油断したかなぁ」

「いつまでもザボワダの周りにいる敵と同じ感覚でいるからそうなるのよ。あまり魔力を無駄遣いしたくないからこれからは注意して」

「まったく、こんなところで躓いているようじゃ先が思いやられるの」

お前は何も戦闘に貢献してないだろと言いたくはなったがそうなったときは寝床の安全性が失われるため、できるだけ彼女が戦闘に関わらないのが理想だ。

「これからは気を付けるよ。みんなに安心してもらえるようにしないとな」

「うむ、その意気じゃ」

「さ、俺のせいで余計な手間を掛けさせてしまったがいよいよサウスの街の中に入ろうと思う。見た感じ人気は無いので慎重に行こう」

俺達は確かに街の前にいるがとても街とは思えない程静かだ。言うならば廃墟が連なっているかのような・・・

外から見たときの感想はそれ以外に思い浮かばなかった。

「うぅ・・・依然来た時の面影すらないわ。私の依頼でここまで来たのだけれどいざ目の前にしてみると怖くなってきたわ」

俺から見てもユカの顔色はかなり悪い。今までは強がっていたということなのだろうか。

「どうする?俺一人で先に偵察してきてもいいけど」

「私とアンナさんはこの街に来たことがあるけどあんたは初めてでしょ?流石にそれはいい案とは言えないわね。それに覚悟の上でここに来ているんだもの」

「そうか?じゃあ行こう」

ゆっくりと街の中の探索を開始した。街の中というのに魔素の濃度も高く、人の気配は全く感じられなかった。

「おかしいわね、人の死体すらないなんて・・・この街を捨ててどこかへ行ったのかしら?」

「と言ってもどこに行くんだ?街の中より安全な場所ってそうなさそうだけど」

「ふむ、その可能性もありそうじゃな。しかし、魔物達に連れ去られたという線もあるかもしれんぞ」

魔物達がそのような統率された動きができるとは到底思えない。しかし、今までの常識が通用しない状況であることも確かだ。

「とりあえず何か痕跡が残っていないか探してみよう。どういうわけか魔物の姿も見えないからな」

街の周囲が高い塀に囲まれているせいかは分からないが街の中に魔物の姿はなかった。だからこそ人の姿が無いことが余計に不気味なのだが。

『一先ず人の集まりそうな場所を探してみましょう。しらみつぶしに探すのはあまり効率的ではないです。それと魔物の姿は見えませんが別れての捜査は危険を感じるのでやめた方がいいと思われます』

アンデレ指示に従い、俺達は時間はかかるが、3人まとまって捜査を開始した。この間まで人が住んでいたであろう痕跡はいくらでも見つかるがそこからが続かなかった。

2時間程漁っては見たものの特に手がかりらしいものは見つからず、徒労に終わる。

「おかしいなぁ、何も見つからないなんて」

「街の中心部はこれ以上調べても望みは薄かろうて、それよりもユカのご両親がいる場所に行く方がいいのではないか?」

確かに、本来の目的でもある。街の異様な雰囲気に圧倒されてつい見失ってしまった。

「ユカ、案内してくれ」

そしてユカの案内の元、不気味な雰囲気の街の中を進んでいった。
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