救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

文字の大きさ
41 / 45

41話 今後の方針

しおりを挟む
「ユカがここにいると聞いたから来たんだが・・・来てないのか?」

「いや、お主が来るよりはるか前に来たぞ。もう帰ってしまったがな。それで今日は来客は無いと思い寝ていたわけなんじゃが・・・」

「あれ?それならどこかですれ違ってもいいような?」

「帰りはこの道を通るように言ってあるからな。すれ違うことはないぞ」

そう言って俺が持っているのとは違う地図を見せつける。

「すれ違わなかった理由はわかった。でも何故こんな面倒なルートを通らせるのか教えてくれないか?」

「単純よ、他の人にこの場所を特定されにくくするためね。私この街だと少し有名だから変なのが来ると困っちゃうんだよねぇ」

お前が一番変な奴だよという突っ込みを堪える。まぁ確かにその気持ちは分からないでもないからだ。今は同じパーティー仲間なので、できるだけお互いに快適に生活できるように努力しないといけないからな。これくらいの苦労は仕方ないか。

「はぁ、先にそれ言ってくれればこんな疑心暗鬼になりながら来なくてもよかったんだけどなぁ」

「始めて来る場所は少し自信なさそうに来るくらいが自然なのじゃ。言いたいことはあるじゃろうが許してくれ」

これ以上この件について話すのは野暮かと思い、話を変える。

「まぁそういうことにしておくよ。それはそうとユカもここに来たみたいなんだけどなんかしたのか?」

「ふむ?確かにユカもここに来たが・・・もしや!ここの物が気になって仕方ないのか?そうかそうか、お主も中々可愛いところあるのう」

「そんなつもりじゃ・・・いや、確かに変わったものが多いな。適当に良さそうな物教えてくれ」

「なんじゃその頼み方は、もう少し言い方があるだろうに。同じパーティーのメンバーじゃなければ追い出しておるぞ」

「すまない。迂闊だったよ。二度とこんなことは言わないから許してくれ」

確かに今の一言は良くなかったなぁと反省しつつ、そこら中に置いてある一見ガラクタにも見える物の説明を始めたアンナの話を彼女が納得するまで聞き続けた。

「・・・古市で偶然見つけたこれは・・・おっと、もうこんな時間か。すまんすまん、つい話しすぎてしもうた。どこかで止めさせても構わんかったのにお主も変わっておるの」

「失礼なことをしたお詫びでもあるさ。それに中々楽しかったよ」

「ふん、お世辞はええぞ」

お世辞じゃなくて普通に楽しめたんだけどな。きちんと知識のある人が話すのを聞くのは苦痛じゃないし寧ろ興味を惹かれる。アンナもそうなんだけどなぁ。

「じゃあこの辺で俺は帰らせてもらうよ。そういえば聞いてなかったけどまたこの街を出ることになったらついて来てくれるのか?」

そうだろうとは思っていたが一応聞いておかなければならない。パーティー加入時の契約では最低限この街に戻るまで、その後は任意でとなっているからだ。

「おぉ、そのことについてだがな。既にユカ殿には言っておるが今後ともよろしく頼むぞ。ただ出発するときは準備もあるでの、何日か前には知らせて欲しい」

「その辺は安心してくれ。よっぽど急なことでもない限りそういうことはない・・・が今は絶対とは言えないな。最低限すぐに出れる用意はしてもらえると助かる」

むぅっ、と何かを言いたそうにしていたがこちらも流石にこれは譲れないとオーラを出して黙らせた。いや、最初から黙ってはいたんだけど。

その後微妙な空気になってしまったので俺はそそくさとアンナの家を出た。家を出てすぐに後ろから紙を黙って渡された。帰りの地図だろうなと思って広げると案の定だった。

帰り道もよく分からないルートを歩かされ、気づけばもう真っ暗だった。この街は夜でも完全に真っ暗になるのは深夜なので助かったが、慣れない夜道はやはり気を遣う。次来るときはもう少し時間を意識したほうがいいな。

「おかえり~、行き違いだったみたいだけど随分と遅かったわね」

「アンナの自慢のコレクションを色々見せてもらってたらこんな時間になったんだよ」

「へぇ~、私の時もそうだったけど適当に流してたわ。よく聞いてられたわね」

「こういうの聞くのは結構慣れてるんだ。それに結構面白かったぞ」

ふーん、そうとでも言いたげなやや冷たい視線を感じ、この話題はこのくらいでよそうと思った。

しばらく微妙な間が開くかと身構えたがすぐにユカが沈黙を破った。

「それで?これからどうするの?もう休むのは十分じゃない?」

「そうだな、でもそれは俺だけじゃ決めることはできない。アンナは多分ついてくるだろうからまずは君の意見を聞きたい」

少しは考え込むかと思っていたが既に彼女の中では答えが決まっていたのだろう。間髪入れずに

「私は両親を見つけるまで帰るつもりはないわ。例え貴方が諦めたとしてもね」

「ちょ、ちょっと待ってくれ大丈夫だ。俺もそのつもりはない。その上での意見が欲しい」

「そうね、今のままでは戦力が足りない。というのが問題なのよね。私も貴方もそして多分アンナも人という括りの中では相当強い方でしょうけどそれじゃ駄目なんでしょ?」

「駄目とは言ってないけどできるだけ備えはしておきたいっていうのが本音だな」

「誰かそんな強そうな人・・・そういないわよねぇ。あれ?あんたの両親滅茶苦茶強くなかったっけ?」

「う、確かにそうなんだけど」

「ど?なによ。ふぅん、詳しくは分からないけどやたら来てほしくないってのは伝わってくるね」

「そ、そうなんだ。両親にはスキルのこと嘘ついているからな。ばれている可能性もあるけど」

「はぁ、じゃあ本当にどうしようも無いなら頼るわよ」

「それで、それ以外に何ができるかなんだけど。一先ず魔素をどうにかしないことには始まらないと思う。魔素についての研究結果とかないのかなぁ」

「ここ数百年無かったことの研究を今更している人なんていないでしょうから古い文献・・・もしかしたら私の家にあるかもしれないけど」

「本当か?」

「え、えぇ、スキルの本は無かったけど古い時代の文献みたいなのはあった気はするわ。もちろん中身は見た事ないから分からないけどね」

「それはとても助かる・・・が、ここから取りに戻るのは面倒だな」

「それは任せなさい。実家に手紙を出すわ。街の交易は復活しているからこれでしばらく待てば届くわ」

「金持ちすげぇ・・・ついでにアンナにも何か参考になりそうな本とか無いか聞いてみよう」

「確かにアンナは意外なことを知ってたりするからね。明日また面倒だけど行ってみましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

転生したら王族だった

みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。 レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

処理中です...