救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

文字の大きさ
42 / 45

42話 可能性を探して

しおりを挟む
翌朝、昨日ならまだすやすやしていた時間に俺とユカはアンナの元へと向かっていた。

「全く、面倒なことしてくれたよな」

「アンナなりの拘りってことにしましょうよ」

「お前は優しいんだか、余裕があるんだか分からないけどそういうところ羨ましいよ」

今日は回り道をしていないのですぐに目的地にたどり着く。昨日は地図と睨めっこ続きだったからこれの3倍時間かかったような気もする。

「ふわぁ・・・おー、お二人さん。朝から揃ってどうしたんじゃ?」

ゆっくりと扉が開くとアンナは眠そうに出てきた。

「物知りのお前にちょっと聞きたいことができてね、おじゃましてもいいか?」

「それは構わんが・・・ちょっと準備というものも必要じゃ、昨日の部屋で適当に時間を潰しててくれ」

そう言って奥へと消えていった。もちろん消えてなんていないが、妙に暗い部屋にいるアンナの姿がそう見えたのだ。

「まだ寝てたみたいだね。ちょっと迷惑だったかな?」

「そうは言ってももう10時だぞ、昼過ぎに来たらまた昨日みたいなことになるよ」

「確かにそうねぇ、まぁ今は私達のパーティーの一員なわけだからあまりにもだらけた生活されても困ると言えばそうね」

奥へと進みながら改めて散らかった部屋を見渡す。やっぱりこんな中で生活しているのはある意味すごい。

部屋に着いてからは話す話題もなくなっていき、妙に気まずい時間が10分程続いた。いい加減来てくれないかなぁと痺れを切らしそうになった時、ようやく準備を終えたアンナが部屋へと入ってきた。

「待たせたの。さて今日の要件を聞かせてもらおうかの」

「物知りなアンナなら昔の文献とかにも詳しいかなと思ったんだ。この部屋には色々なものがあるからそういったものももしかしたらないかとね」

「なるほどな、だが知っているならもうお主らに話しておるぞ」

まぁそうだよなと落胆しそうになったが話はまだ終わっていなかった。

「しかし、ここにある本を全部読んだわけではないからの。もしかしたら整理していない場所にあるかもしれん」

「今一番可能性のありそうなのはここだからぜひ探させてほしい」

「それでこちらからもお願いなんじゃが・・・本を探すついでにこの家の掃除手伝ってはくれぬか?」

アンナは目をうるうるとさせてこちらへ訴えかける。妙に惹かれてしまう表情だった。

「うぅ、上手いこと掃除させるつもりだな。仕方ない、掃除はやるからここの本は俺が見たいものは全部見せてもらうぞ」

アンナの顔が引きつる。うん?何か見られたくない物でもあるのか?

「わ、わかった。だが読む前に一言声をかけてくれ。ものによっては扱いが難しいものもあるでの」

謎の間について突っ込むか迷ったがともかくこれでやることは決まった。早速掃除を開始することにした。

「あー、ちょっと私はパス。あんまり掃除とかやったことないんだよね。お二人で頑張って~」

引き留める間もなくそそくさと出て行ってしまった。まぁ確かに慣れないことさせて余計に手間が増えるよりはマシ・・・なのか?まぁそういうことにしよう。

『なんだか上手く逃げられたようにも見えますが・・・』

やっぱりそう思うか?うーん、今度会ったときに聞いてみるか。

「ほれ、なにをぼーっとしておる。さっさと始めるぞ」

アンナの指示の元、積み上げられた本や魔道具などをそれぞれの場所へと持ち運ぶ。なんだかんだあって実際に運んだのはほとんど俺だったんだが・・・

『力仕事なるとそうなるのは仕方ないでしょう。魔法で動かすこともできますが繊細な魔力の操作が必要ですし何より普通に運んだ方が楽ですからね』

なら運ぶの手伝ってくれよと思ったが、目の前にいるのはひ弱なお嬢さんだ。そう言い聞かせ続けて何とか物を分類ごとに分けるところまでは終わった。

「ご苦労であった。後は我に任せよ。さて、今ならお主もどこに何があるかある程度分かるじゃろう。存分に探すとええぞ」

そういえば物を動かしたのはほとんど俺だったな。アンナが勝手にやっていればまた聞き直す羽目にもなっていたしアンナの奴そこまで考えて・・・?

『単に楽したかっただけですよ』

確かにそうだな。そんなやつじゃないのは知っていたはずなのに、まったくこんな調子じゃいつか詐欺にでも会うんじゃないのか?

おっと、今集中するべきはこれじゃないな。

(どの辺りに良さそうな本あったか覚えているか?)

『あの辺りの本はかなり古そうでしたよ。それと右の方の山にあるものは文献などが載っていそうでした』

アンデレ案内の元、めぼしい本を片っ端から漁っていった。

そしてついにそれっぽい内容の本を見つける。

「んんん?これもしかして」

「どうした?ついに見つかったか?」

聞きつけたアンナがすぐに横に来る。たまに思うけどこいつ距離感ないよな。

「まぁこれを見てくれ・・・と言いたいけどもうこんな時間か、明日ユカも一緒に見たほうがいいかな?今日は帰るから気になるなら今夜でも見ていてくれ」

一旦宿へと戻り既に帰っていたユカに今日の出来事を伝える。ついでに掃除になると帰った理由も聞いてみたがこれについては上手くはぐらかされてしまった。

「まぁともかくこれ見ればこれからの方針も決まる・・・はずだ」

「もっと自信持ちなさいよねぇ」

「そんなこと言われても・・・全部見る時間は無かったんだからそうとしか言えない」

歯切れの悪い返ししかできなかったのでユカはあまり納得してなかったがまぁ明日まではこのままでいてもらうしかない。

さて、明日からは忙しくなるかもしれないし早めに寝るかぁ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

転生したら王族だった

みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。 レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

処理中です...