救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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43話 転機

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翌日、昨日に引き続き朝早くからアンナの家に集まり、1冊の本に群がっていた。

「昨日お主が帰った後読んでみたが中々興味深かったぞ。おかげで寝不足なんじゃが・・・」

「俺は途中までしか見ていないけど期待できそうだな。俺が気になったのはまずはここだ」

古びた本のなにやら魔物らしきものとそれに立ち向かう人が描かれていたページを開く。

「ここの絵はまぁともかく、このページに書いていることが魔素という言葉は使われていないけどそれっぽく見えるんだ」

「ふんふん、確かにそうね。魔素の症状ってまぁ当然だけど独特だからね。そういう風に見てもいいんじゃない?」

「そんな状況でもこうやって魔物に立ち向かえているってのは何か対抗策でもあったんじゃないかって思ったわけよ」

「曖昧じゃのう、その結論は続きのページ見てからじゃ。我はもう読んでおるからの・・・お主はこのページだけを見て喜んでおったが少し早かった気はするぞ」

確かに、判断が早すぎた気はする。でももし収穫がないなら今日来た時点で一言言っているだろうし大丈夫だよな?

「じゃ、じゃあ開くぞ」

少し手を震わせながらゆっくりと次のページを開く。前のページと同じような絵が描かれているのは変わらないけど少し様子が違うな?

「なになに?人の魔物化のことか?」

「恐らくこの時代に生きていたものの日記のようなものじゃな。このページは魔物達に戦いを挑んでから何日か経ったあとの話のようじゃ」

「このページを見ると当時の人も魔物化に苦しんでいたような描写になっているな」

「でもそうでない人もいる。その原因がなにかについて書かれているのかしら?」

「まぁまだ個人差ってこともある。サウスの街でもそうだったからな」

「ほれさっさと続きを読むがよい」

「そんなに焦らなくても・・・うーん、見た感じ魔法を使ってなさそうな人から魔物化しているような」

その後のページをめくっていくと徐々に魔物に立ち向かう人が減っていくが何とか魔物を撃退することに成功してそこでこの本は終わった。

「うーん、確定的ではないけど魔法を使うことと魔物化の予防に何か関係がありそうだな」

「我なりに魔物化の原理について考えてみたんじゃが魔素によって体内の魔力の流れがおかしくなることが原因と踏んでいるんじゃが・・・もう一人のお主、どう思うかの?」

『魔物の魔力の流れと魔素を摂取し続けたときの影響を比較してみます。少々時間をいただきますので話を続けててください』

「解析に時間かかるから話進めててだって」

「その間また別の説でも考えるとするかの」

ああだこうだと独自の理論を次々と展開するアンナ、どこからそんなに思いつくんだろう。

結局、アンデレの解析が終わるまでの間、ずっとしゃべり続けていた。どれも一理ありそうなものばかりで改めてアンナの知識の深さに脱帽した。

「その辺でいったん終わりにしようか、解析が終わったって」

「むぅ、まだ話したかったが仕方ないのう。答え合わせといこうかの」

『アンナ殿の言う通り、魔素を吸収しすぎると身体に流れる魔力の流れに異常が出ることは確かなようです。魔素が魔力の流れをせき止めるようなイメージですね』

(なぁ、一々俺が言い直すのも面倒だからこの説明の間だけお前が直接しゃべってくれ)

『畏まりました』

「初めましてお嬢様方。普段ご主人様の元でお二人のことはよく拝見させてもらっています」

急に畏まった言葉に二人は驚いたがすぐに元に戻る。尤も、そのことを俺は知る由は無いのだが。

「お主がもう一つの人格か、随分と丁寧な奴じゃの」

「びっくりしたぁ、急に口調が変わるんだもん。貴方が出てきたってことは一々言い直すのが面倒になったってこと?」

「おっしゃる通りです。会話をスムーズにするためご主人様が提案されました」

「気が聞くところもあるんじゃなの。あやつの意見が聞けない状態なのは良くないがの」

「私は説明とあなた方の質問への受け答えが終わりましたらまた戻りますのでその後でお願いします」

「ふむ、わかった。では早速説明を頼もうか」

「ではまずは結論から。アンナ殿の推測通り魔素を体内に取り込み過ぎると意識を失い魔物になる・・・ここでは魔物化とでも言いましょうか。原因としては魔素を取り込み過ぎると身体に流れる魔力の流れが阻害されて人としての姿を保てなくなるようですね。実際にその場面を見たわけではないので推測ですが・・・」

「それで普段から魔力を多く使う者達はその影響を受けにくいってことか?」

「そうですね。魔素を強い魔力の流れで押し出すようなイメージでしょうか」

「ふむむむそんなことが・・・中々興味深いのう。しかし実際にそうなる確証はないのじゃろう?」

「おっしゃる通りですね。あくまでも計算から導き出された答えというわけです」

「わかった。では実際に試してみるとしよう」

「しかし誰で試すのですか?そのような危険な実験に付き合ってくれる方はいない気もしますが・・・」

「おるであろう、ここに」

アンナは自信を指さし自信ありげに答えた。
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