8 / 10
過去の精算
※七話
「ねぇ、まだかな」
退屈そうな声。伸ばされた手が、何の前触れもなく胸の尖りに爪を立てる。ギリギリと音すら聞こえてきそうなほどの力に慌てて腕を引き剥がそうにも、うまく力が入らない。生ぬるい液体が内腿を伝った。
「い、……ったい、!」
「ごめんごめん、あんまり遅いから寝てるのかなって。……せっかく綺麗な色だったのに赤くなっちゃったね」
ぬろり。弄られすぎたせいで熱をもち、ジンジンと痛むその場所を、ぬるついた感覚が包み込む。気まぐれのようにやわく歯を当てられる度、妙にぞわぞわとして落ち着かない気分になった。
腰に手を回されているせいで逃げられず、それならばと頭を掴んで引き離そうにも、仕置きとばかりに強く噛みつかれてしまえば、それまでのこと。
「……ん、っ、……~~ふ、は、ァ」
「ひもひいい?」
「ぁ! っ歯ァ、立てるな……!」
「ほら見て、真っ赤になっちゃって簡単につまめる。……ああでも、桜木くんはちょっと強めに齧られた方が好きみたいかな」
かりっ。散々弄られ、赤く腫れ上がった部分に容赦なく歯が当てられる。痛みか、快感か、それすら判別もつかないまま背中が勝手に仰け反った。なんとか膝立ちで耐えていた足から、ついにかくりと力が抜ける。
「……~~~~ぁ"……ッ、が!!」
「あーあ、入っちゃった」
他人事見たいな呟きが耳に届く。けれど今はそれすらどうでもいい。
一気に、それも自重のせいか先ほどより深く入ってしまったせいで、呼吸すらも苦しくて仕方ない。息を吸うたびに腹の奥の異物を意識してしまうから、はっはっと荒い呼吸を繰り返した。
「動くよ」
「ぁ"っ、ぅ、あ、ァ……っ」
「苦しい? ははっ、薄っぺらいお腹が膨らんでる」
「……~~ぅ"……ッ、」
腹をさすっていた手がそのままぐうっと力を増し、外側から確かめるように押してくる。
「ん~、どこだったかな」
下から突き上げてくる動きは、次第に何かを探るような動きへと変わっていった。
「──~~~~ッひぁ"……!、?」
途端に走る、痛みにも似た感覚。薄い口元が弧を描いた。
「ここ気持ちいいでしょ。さっき教えた前立腺」
「し……っらない、知らない……!」
「知らない? じゃあ何回でも教えてあげるから今日で覚えて」
「ぅ"ぁ……~~っ、! あ"……っ、も、ゃ、やだ……!」
ひとたび押されてしまえば、体は呆気なく札束とシーツの中へ沈んだ。中に入ったままの熱がぐり、と狙ったように弱い場所ばかりを押しつぶす。
足はぴんと伸び切って勝手に痙攣を繰り返し、熱を帯びた肉壁を擦られる辛さに体は自然と逃げを打った。
「ほーら逃げないの」
「ぁ~……ッ! ぃっ、許し……っ、~~!」
「沢山して気持ちいいこと覚えようね」
「ひっ、ごめんなさい! ぁ"……っ、ぅ、逃げない! も、……逃げない、から、~~……ぅぁ"っ!」
けれどすぐに引き戻され、仕置きとばかりに奥を深く穿たれる。可動域の限界まで広げられた関節がギリギリと軋んで痛みを生んだ。
体の奥深くを抉られる感覚に背筋を反らし、肉壁を擦られるたび走る甘い痺れにわけもわからないまま謝罪ばかりを繰り返す。
何が正しいのか、間違っているのかなんて今この瞬間はどうだっていい。ただこの暴挙が終わってくれたらそれでよかった。
「ふふっ、変な桜木くん。僕は別に怒ってないよ」
薄い唇が白々しい言葉を吐いて弧を描く。きっと目の前にあるのはこの世で一番信用してはいけない笑顔だろう。慰めるかのように唇が優しくまなじりに触れた。
「ただ一緒に気持ちよくなりたいだけだから」
「ぁ"っ、……? っ、ひ、ぁ、あっ、ぁ──ッ、ァ──……ッ!!」
「あ、落ちちゃった。仕方ないなぁ……──起きて、ねぇ、起きろって!」
ガクガクと容赦なく揺さぶられ意識が飛ぶ。けれどその度に叩き起こされ、逃げることもできずにまた限界を迎えて同じことの繰り返し。こんなもの俺が知ってるセックスじゃない。拷問だ。
「はっ、ナカ熱くてどろっどろだ」
「ぃ……っ、ぅ、あ"、ァ、あ────……ッ!」
「そろそろ出すよ。ねぇ、桜木くん」
上擦った声。目の前の体にしがみついて、けれど爪を突き立てるような気力もなく、ずるっと汗で滑り落ちた右手はそのまま。強く腰を掴まれ、奥に熱いものを感じていた。
「好きだよ」
なんて、聞きたくもない。薄れゆく意識の中、それはそれは嬉しそうに笑う顔が憎らしくて、そこでぐるんと暗闇に落ちた。
退屈そうな声。伸ばされた手が、何の前触れもなく胸の尖りに爪を立てる。ギリギリと音すら聞こえてきそうなほどの力に慌てて腕を引き剥がそうにも、うまく力が入らない。生ぬるい液体が内腿を伝った。
「い、……ったい、!」
「ごめんごめん、あんまり遅いから寝てるのかなって。……せっかく綺麗な色だったのに赤くなっちゃったね」
ぬろり。弄られすぎたせいで熱をもち、ジンジンと痛むその場所を、ぬるついた感覚が包み込む。気まぐれのようにやわく歯を当てられる度、妙にぞわぞわとして落ち着かない気分になった。
腰に手を回されているせいで逃げられず、それならばと頭を掴んで引き離そうにも、仕置きとばかりに強く噛みつかれてしまえば、それまでのこと。
「……ん、っ、……~~ふ、は、ァ」
「ひもひいい?」
「ぁ! っ歯ァ、立てるな……!」
「ほら見て、真っ赤になっちゃって簡単につまめる。……ああでも、桜木くんはちょっと強めに齧られた方が好きみたいかな」
かりっ。散々弄られ、赤く腫れ上がった部分に容赦なく歯が当てられる。痛みか、快感か、それすら判別もつかないまま背中が勝手に仰け反った。なんとか膝立ちで耐えていた足から、ついにかくりと力が抜ける。
「……~~~~ぁ"……ッ、が!!」
「あーあ、入っちゃった」
他人事見たいな呟きが耳に届く。けれど今はそれすらどうでもいい。
一気に、それも自重のせいか先ほどより深く入ってしまったせいで、呼吸すらも苦しくて仕方ない。息を吸うたびに腹の奥の異物を意識してしまうから、はっはっと荒い呼吸を繰り返した。
「動くよ」
「ぁ"っ、ぅ、あ、ァ……っ」
「苦しい? ははっ、薄っぺらいお腹が膨らんでる」
「……~~ぅ"……ッ、」
腹をさすっていた手がそのままぐうっと力を増し、外側から確かめるように押してくる。
「ん~、どこだったかな」
下から突き上げてくる動きは、次第に何かを探るような動きへと変わっていった。
「──~~~~ッひぁ"……!、?」
途端に走る、痛みにも似た感覚。薄い口元が弧を描いた。
「ここ気持ちいいでしょ。さっき教えた前立腺」
「し……っらない、知らない……!」
「知らない? じゃあ何回でも教えてあげるから今日で覚えて」
「ぅ"ぁ……~~っ、! あ"……っ、も、ゃ、やだ……!」
ひとたび押されてしまえば、体は呆気なく札束とシーツの中へ沈んだ。中に入ったままの熱がぐり、と狙ったように弱い場所ばかりを押しつぶす。
足はぴんと伸び切って勝手に痙攣を繰り返し、熱を帯びた肉壁を擦られる辛さに体は自然と逃げを打った。
「ほーら逃げないの」
「ぁ~……ッ! ぃっ、許し……っ、~~!」
「沢山して気持ちいいこと覚えようね」
「ひっ、ごめんなさい! ぁ"……っ、ぅ、逃げない! も、……逃げない、から、~~……ぅぁ"っ!」
けれどすぐに引き戻され、仕置きとばかりに奥を深く穿たれる。可動域の限界まで広げられた関節がギリギリと軋んで痛みを生んだ。
体の奥深くを抉られる感覚に背筋を反らし、肉壁を擦られるたび走る甘い痺れにわけもわからないまま謝罪ばかりを繰り返す。
何が正しいのか、間違っているのかなんて今この瞬間はどうだっていい。ただこの暴挙が終わってくれたらそれでよかった。
「ふふっ、変な桜木くん。僕は別に怒ってないよ」
薄い唇が白々しい言葉を吐いて弧を描く。きっと目の前にあるのはこの世で一番信用してはいけない笑顔だろう。慰めるかのように唇が優しくまなじりに触れた。
「ただ一緒に気持ちよくなりたいだけだから」
「ぁ"っ、……? っ、ひ、ぁ、あっ、ぁ──ッ、ァ──……ッ!!」
「あ、落ちちゃった。仕方ないなぁ……──起きて、ねぇ、起きろって!」
ガクガクと容赦なく揺さぶられ意識が飛ぶ。けれどその度に叩き起こされ、逃げることもできずにまた限界を迎えて同じことの繰り返し。こんなもの俺が知ってるセックスじゃない。拷問だ。
「はっ、ナカ熱くてどろっどろだ」
「ぃ……っ、ぅ、あ"、ァ、あ────……ッ!」
「そろそろ出すよ。ねぇ、桜木くん」
上擦った声。目の前の体にしがみついて、けれど爪を突き立てるような気力もなく、ずるっと汗で滑り落ちた右手はそのまま。強く腰を掴まれ、奥に熱いものを感じていた。
「好きだよ」
なんて、聞きたくもない。薄れゆく意識の中、それはそれは嬉しそうに笑う顔が憎らしくて、そこでぐるんと暗闇に落ちた。
あなたにおすすめの小説
魔性の男
makase
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。