破壊、略奪、支配、エロ。これが大人のファンタジー

一心腐乱

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序章　始まりで擦り潰される

6.転生した世界、そこは

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「それでは何か質問はありますか？」

　女神は遠足にでも行くかの様に目を輝かせて俺を見た。
ちなみに女神は今は服を着ている。錫杖と同じで手に出現させた。
光に包まれて、一瞬で衣替えみたいな話はなかった。その後は自分で着替えてた。
　俺がビリビリに破ったワンピースではなく、紺色のゆったり目の長袖ワンピースだ。スカート部分はひざ下まである。足元はふくらはぎくらいまでの長さのブーツを履いてる。
　胸元は多少開いているが、全体的に露出が減って俺としてはあまり面白くない。
なんとなく女神というか、魔法使い的な雰囲気がある。

　女神は俺にも服を出してくれた。
首元がボタンで開くようになっている厚手の半袖カットソー。それに黒っぽいデニムのパンツ。
革のサンダルもくれた。
　なんだか街の住人Ａみたいな格好だ、と誰かツッコんでくれることを期待し、俺は他の事に頭を巡らせた。

「うーん・・・・。」

　それっぽく顎に手を当てて考えてみたが、現状ではまだよくわからない。
女神もいるんだから、なんとかなるだろう。

「質問も特にないですかね。行ってみないとわからないし。」

「そうですか、わかりました。全く私の事に触れてこないですが、あなたの所有物になった私もついていきますのでよろしくお願いします。」

　女神はいつ私の事を聞いてくるんだろうともじもじしていたが、スルーしてやった。

「それと・・・お願いが一つあります。」

　突然の女神の申し出に俺は驚いた。

「な、なんですか？」

「あの・・・その・・・私はあなたの所有物になったので、敬語とかやめてもらえると嬉しいです。命令とかしてくれたら嬉しいです。」

　言い終わると女神は赤面した顔を両手で隠した。
とことんドＭだな、この女神・・・・。

「それでは参りましょう！！」

　掛け声とともに女神は手に錫杖を現わして、大きく振るった。
錫杖は大理石のようなものでできていて、先端上部に女神を模した細かなレリーフの細工がしてある。
そのレリーフの女神の瞳のない目が光り、次第に大きくなったその光は真っ白な空間をさらに白く飲み込んだ。
さながら音のない爆発に巻き込まれたようなそんな気分になる。
まぶしすぎて目を閉じてしまったが、次に目を開いた時には・・・・。
俺は期待に胸を膨らませ、高鳴る胸の鼓動をしっかりと感じていた。

さあ、転生の時間だ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「もういいですよ。」

　隣から女神の声がした。
目を閉じてから、どれだけの時間がたったのか、よくわからない。
なんだか変な感覚だったのは間違いなく、時間の感覚もまるでない。
眠っていた意識を覚まさせてくれたような、女神の声に身体の全ての感覚が起動し始める。
耳には辺り一面から小鳥のさえずりが聞こる。
「サァーーーー」と木々の葉が風になびいて音楽を奏でいて、まだ目を開けていない俺の瞼の裏に心地よく揺れているのが映る。
きっと、あるあるな感じで町はずれの森の中なのだろう。
肌が感じる気候も良くて、春ような心地よい季節なのだろう。
俺の新たな1歩を踏み出すにはこの上ない雰囲気だ。
まるで世界が俺を歓迎してくれているように感じながら、俺はそれを味わうようにゆっくりと、ゆっくりと目を開けた。

「は？」

　思わず、悪い疑問の感嘆詞が喉を鳴らす。
眼下に広がるは全くの予想に反した景色だった。
さえずっていた小鳥だと思っていたそれは、なんか鳩のような鳥の頭と羽を持つ裸の男だのだ。
さらには深緑の木々のざわめきだと思ったものは、幹に気持ち悪い顔が浮かんでいる木が、ざわざわと音を立てて葉のついたぶっとい枝をこちらに向けてくる音だった。
目の前以外にもそれは大勢いて、すでに囲まれている。

「ホラー！？気持ちわる！」

　目の前まで近づいてきた枝を、俺は目を背けて右手で払った。
バキッ。

「えっ？」

　手に枝が当たったと思ったら何やら鈍い音がした。
俺はすぐに視線を戻す。
　目の前からぶっとい枝は無くなっていて、それどころかホラーな木からその枝は無くなっていた。右奥をよく見たら、その枝が他のホラーな木に突き刺さっていた。
　俺はすぐにピンと来た。
そうだ。俺のレベルはMAX。ステータスも全てMAX。
俺は拳を握りしめれば沸いてくる力に自信を持つ。
　ケンカ？そんなことしたことあるわけないじゃん。この前まで童貞だよ。そんな度胸あるわけないじゃん。

　ホラーな木はたくさんいてジワリジワリと近づいてくる。
ジワリジワリというのは実はただ遅いだけだ。
　俺は口元をにやりと綻ばせながら、握った拳を目の前のホラーな木の幹に叩きつけた。
ちょっと痛いかなと怯んだが、全く痛くはなかった。
俺の拳は簡単にその直径1メートルくらいある幹を貫通、そして右半分をえぐり取っていた。
　まるで豆腐でも殴っているかのような感覚だった。
　その強さを認識した俺は心がゾクゾクと震えるのを感じた。

「おりゃあああああ！」

　次の瞬間、俺はまさに千切っては投げ、千切っては投げた。
ホラーな木は伐採された森林の様に、その身体を地面にばらまき、動かなくなった。
無意識で一緒に鳥頭の男も千切ってた。

　人間じゃないから、まあいいだろ。

カオスゲージ
〔Law and order法と秩序 ++[81]+++++++ Chaos混沌〕

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