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第一章 悪の拠点づくり
45.どの世界でも女子高生は強烈
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「・・・・。」
いきなり自分で自分の事をかわいいといってきたペルペトゥア。しかし、言いにくい名前だ。
ちなみにスパニッシュ系の女の子に名付けられる名前だ。意味は『永遠』から来てるらしい。
スパニッシュ系で名づけられる名前で有名なのはペネロペだ。ペネロペだったら、俺頑張っちゃうんだけどなあ。ペネロペって名は、なんか卑猥な感じもする。前世ではあの有名な女優さんは意外と濡れ場も多かったし。
「あれ?
図星でした?やだなあー。でも仕方ないっかー。私だもんっ。
そうですね、もうすぐ山を登ると巡礼の村があるはずです。そこででしたら、お茶くらい付き合いますよー。」
「・・・・。」
バカっぽいペルペトゥアに、早くも引き気味な俺だった。
「じゃあ、決まりということですね。
そういえば、乗っていた馬が死んでしまってましたね。
私の後ろに乗ってくださいね。」
「・・・・。」
あまりの自己肯定力の高さとご都合よろしい考えに、言葉を失っていた俺。
いつの間にか、山の中の村に乗せてくれるらしい。まあ・・・ありがたい・・・。
「キチク!
騎士さんがこの先の村まで乗せてくれるって!」
少し離れたところからネロが叫びながら近づいてくる。どうやらあっちでも話がまとまっていたらしい。
「あれ、なんだい?キチクはそのお嬢ちゃんに乗せてもらうのかい?
役得だねえ。うわぉ。」
状況を察して、ネロは騎士の所に戻っていく。
カラっとしている性格のネロ。いつもならばいいのだが、今日はなんだかさみしく感じる。
こんなめんどくさそうな子の所に置いていかないでえ・・・。
「じゃあ、おにいちゃん。後ろに乗ってください。」
ペルペトゥアは手早く馬に跨って俺に促す。すごいな、見事だ。
あ、でも今パンツ見えた。白か。
「あ!おにいちゃん今パンツ見たでしょ!
礼儀がなってないなあ!ミニスカートの子が馬に乗るときは見ないようにするのが常識でしょ
」
・・・・・・・聞いたことも見たこともありません。そもそも馬はミニスカートで乗るものじゃありません。
「あ、ごめん。」
とりあえず、俺は心なく謝り、作り笑いしておく。
「もうー。18歳のパンツは高いんだからね。次見たら、お代をもらうからねっ。」
「・・・・・。」
どんどん言葉を失う俺。なんなんだ、この子は。新人類なのか。
道中、俺が話さないことをいいことに、一人でベラベラしゃべってる。
「――――それでね、ついに神官学校を卒業して今日初めてこの修験の道に挑戦なんだあ。
とは言っても、お父様がまだ一人では危ないからって、騎士を5人もつけてくれたの。」
「神官学校はね、ルグザンガンド中の学校で一番羨ましがられる所なの。もちろん貴族でないと入れないし、能力もないとダメ。そして最大の関門はね、なんと可愛くないと入れないの。
だから、私に声をかけたのも恥ずかしいことじゃないよ。むしろ、当然のことよ、おにいちゃん。」
「でも神官学校は全寮制で、12歳からずっと男子禁制だったのー。騎士さんたちは全然話してくれないから男の人と話すのは久しぶり。ああなんだか、とっても楽しいわあ。おにいちゃんのおかげね。」
いろいろツッコミ所があるが、テンポが速すぎてツッコむ隙を与えてもらえない。
くっ、俺としたことが屈辱だ。
「お嬢様。そろそろ村に着きます。
先に宿を確保してまいります。」
お付きの騎士の一人が伝えてきて、そのまま馬を駆けて先に走っていった。
俺はペルペトゥアの背中越しに前を見ると、遠くの方に闇夜に浮かぶ明るい灯りが見えた。
木の柵で覆われていて森の中に開かれた小さな村という感じと思ったが、中に入ってみると意外と賑わっていた。
宿屋や武器屋、そして土産物屋が所狭しと立ち並ぶ。夜なのに人はかなり出ていて、酒場やレストランは満席の様に見える。修験者や旅行客で賑わっているという感じだ。
村に着くとすぐにネロは馬を調達したいと言って、騎士と共に消えてしまう。
騎士たちはこの子のオモリを宜しくと言わんばかりに、乾いた笑いを浮かべて行ってしまった。
やっぱりめんどくさかったのね・・・。
「キャー!!ここよ、ここ!!!」
ペルペトゥアが色めき立つ。目の前の看板を指差して、俺に感動を伝えようと必死だ。
俺は先に馬を降りて、綱木に馬を繋ぐ。
その後にキャーキャー言っているペルペトゥアが馬を降りる。
あ、またパンツ見えた。隠す気ないね、これ。
『ツール・ド・ファラのオムレツ屋』
看板が掲げられたお店へと入る。彼女のお目当てはどうやらオムレツだったらしい。
なぜか俺がご馳走させられた。まあ、助けてもらったからいいけど。俺も頼んでみた。フワフワトロトロだ。目の前でキャンキャンうるさいが、至福の味だ・・・。
「ふわあぁぁぁ。美味しかったぁ。」
食べ終わった後、顔が緩みまくっているペルペトゥア。
最初に見た勇ましい姿と真逆な、警戒心のない笑顔を浮かべるペルペトゥアに親しみが湧く。なんか本当に妹みたいだ。
満足してちょっと静かになったし、いろいろ聞いてみようか。
「そういえば、助けてくれた時に使ったのって魔法?」
「そうですよ。ルグザンガンドの女神教会に伝わる神官魔法です。
ルグザンガンドの初代国王を召喚したといわれる、聖霊となった大神官キリマ様のお力の魔法です。」
「魔法の障壁を作るのに妄想の世界って言ってなかった?」
「いやー!聞いてたんですね!恥ずかしい!
そうなの!絶対防御の魔法なんですけど、名前が恥ずかしいんで滅多なことがない限り使わないようにしているんです!
なんでも大神官キリマ様があの世で女神様にお会いして、絶対に極めることの出来ない領域を持つお考えに感銘を受けて作られた魔法だとか。」
・・・・やっぱりお前が原因か、ファラ。
しかしなんだ。いろいろな人に影響を及ぼしてしまうなんて、やはり女神様なんだな。
ちょっとは敬ってあげようかな。
「私の魔法の事、興味あったみたいですけど、おにいちゃんは童貞?」
「はっ?」
「なんだそっかあ、童貞じゃないんだー。じゃあお願いしようかなぁ。」
「はっ?何を?・・・つうか何言ってんの?」
「えっとね。私達神官学校に行った女の子は神官魔法を得るために純潔の禊をするんだけど、それ以降は男子禁制だから男の子と会ってないの。
意味わかるでしょ?」
「ちょっ、わかんないよ!
何?純潔の禊って!知らないし!」
「え!?マジ!?
・・・すごいね、無知なんだあ。
純潔の禊はね、大神官キリマ様の魔法を得るために現大神官様に処女を捧げる事なんだよ。
その時の血を使って境界の起請文を書くんだよ。」
・・・・なんだそれ。女神教会の大神官になったら、処女とエッチし放題なのか。見事な鬼畜ぶりだな。
あ、なるほど。だから、神官学校は女の子しか入れないし、しかもかわいい子限定なんだな。
大神官め、職権乱用じゃないか。
羨ましい。
「だからあ、その時は濡れてもないし、痛いだけだったから、やっと卒業して男子禁制から逃れたんだから早く気持ちいいのを体験したいの!
もう!友達はみんなしちゃってて、自慢ばかりされるんだから!」
乱れています。性が乱れています。
こちらの世界でも18歳の性活は乱れております。
カオスゲージ
〔Law and order +++[63]++++++ Chaos〕
---------------
登場人物を更新いたしました。
ペルペトゥアの挿し絵も入っています。
気が向いたら見ていただけたら嬉しいです。
いきなり自分で自分の事をかわいいといってきたペルペトゥア。しかし、言いにくい名前だ。
ちなみにスパニッシュ系の女の子に名付けられる名前だ。意味は『永遠』から来てるらしい。
スパニッシュ系で名づけられる名前で有名なのはペネロペだ。ペネロペだったら、俺頑張っちゃうんだけどなあ。ペネロペって名は、なんか卑猥な感じもする。前世ではあの有名な女優さんは意外と濡れ場も多かったし。
「あれ?
図星でした?やだなあー。でも仕方ないっかー。私だもんっ。
そうですね、もうすぐ山を登ると巡礼の村があるはずです。そこででしたら、お茶くらい付き合いますよー。」
「・・・・。」
バカっぽいペルペトゥアに、早くも引き気味な俺だった。
「じゃあ、決まりということですね。
そういえば、乗っていた馬が死んでしまってましたね。
私の後ろに乗ってくださいね。」
「・・・・。」
あまりの自己肯定力の高さとご都合よろしい考えに、言葉を失っていた俺。
いつの間にか、山の中の村に乗せてくれるらしい。まあ・・・ありがたい・・・。
「キチク!
騎士さんがこの先の村まで乗せてくれるって!」
少し離れたところからネロが叫びながら近づいてくる。どうやらあっちでも話がまとまっていたらしい。
「あれ、なんだい?キチクはそのお嬢ちゃんに乗せてもらうのかい?
役得だねえ。うわぉ。」
状況を察して、ネロは騎士の所に戻っていく。
カラっとしている性格のネロ。いつもならばいいのだが、今日はなんだかさみしく感じる。
こんなめんどくさそうな子の所に置いていかないでえ・・・。
「じゃあ、おにいちゃん。後ろに乗ってください。」
ペルペトゥアは手早く馬に跨って俺に促す。すごいな、見事だ。
あ、でも今パンツ見えた。白か。
「あ!おにいちゃん今パンツ見たでしょ!
礼儀がなってないなあ!ミニスカートの子が馬に乗るときは見ないようにするのが常識でしょ
」
・・・・・・・聞いたことも見たこともありません。そもそも馬はミニスカートで乗るものじゃありません。
「あ、ごめん。」
とりあえず、俺は心なく謝り、作り笑いしておく。
「もうー。18歳のパンツは高いんだからね。次見たら、お代をもらうからねっ。」
「・・・・・。」
どんどん言葉を失う俺。なんなんだ、この子は。新人類なのか。
道中、俺が話さないことをいいことに、一人でベラベラしゃべってる。
「――――それでね、ついに神官学校を卒業して今日初めてこの修験の道に挑戦なんだあ。
とは言っても、お父様がまだ一人では危ないからって、騎士を5人もつけてくれたの。」
「神官学校はね、ルグザンガンド中の学校で一番羨ましがられる所なの。もちろん貴族でないと入れないし、能力もないとダメ。そして最大の関門はね、なんと可愛くないと入れないの。
だから、私に声をかけたのも恥ずかしいことじゃないよ。むしろ、当然のことよ、おにいちゃん。」
「でも神官学校は全寮制で、12歳からずっと男子禁制だったのー。騎士さんたちは全然話してくれないから男の人と話すのは久しぶり。ああなんだか、とっても楽しいわあ。おにいちゃんのおかげね。」
いろいろツッコミ所があるが、テンポが速すぎてツッコむ隙を与えてもらえない。
くっ、俺としたことが屈辱だ。
「お嬢様。そろそろ村に着きます。
先に宿を確保してまいります。」
お付きの騎士の一人が伝えてきて、そのまま馬を駆けて先に走っていった。
俺はペルペトゥアの背中越しに前を見ると、遠くの方に闇夜に浮かぶ明るい灯りが見えた。
木の柵で覆われていて森の中に開かれた小さな村という感じと思ったが、中に入ってみると意外と賑わっていた。
宿屋や武器屋、そして土産物屋が所狭しと立ち並ぶ。夜なのに人はかなり出ていて、酒場やレストランは満席の様に見える。修験者や旅行客で賑わっているという感じだ。
村に着くとすぐにネロは馬を調達したいと言って、騎士と共に消えてしまう。
騎士たちはこの子のオモリを宜しくと言わんばかりに、乾いた笑いを浮かべて行ってしまった。
やっぱりめんどくさかったのね・・・。
「キャー!!ここよ、ここ!!!」
ペルペトゥアが色めき立つ。目の前の看板を指差して、俺に感動を伝えようと必死だ。
俺は先に馬を降りて、綱木に馬を繋ぐ。
その後にキャーキャー言っているペルペトゥアが馬を降りる。
あ、またパンツ見えた。隠す気ないね、これ。
『ツール・ド・ファラのオムレツ屋』
看板が掲げられたお店へと入る。彼女のお目当てはどうやらオムレツだったらしい。
なぜか俺がご馳走させられた。まあ、助けてもらったからいいけど。俺も頼んでみた。フワフワトロトロだ。目の前でキャンキャンうるさいが、至福の味だ・・・。
「ふわあぁぁぁ。美味しかったぁ。」
食べ終わった後、顔が緩みまくっているペルペトゥア。
最初に見た勇ましい姿と真逆な、警戒心のない笑顔を浮かべるペルペトゥアに親しみが湧く。なんか本当に妹みたいだ。
満足してちょっと静かになったし、いろいろ聞いてみようか。
「そういえば、助けてくれた時に使ったのって魔法?」
「そうですよ。ルグザンガンドの女神教会に伝わる神官魔法です。
ルグザンガンドの初代国王を召喚したといわれる、聖霊となった大神官キリマ様のお力の魔法です。」
「魔法の障壁を作るのに妄想の世界って言ってなかった?」
「いやー!聞いてたんですね!恥ずかしい!
そうなの!絶対防御の魔法なんですけど、名前が恥ずかしいんで滅多なことがない限り使わないようにしているんです!
なんでも大神官キリマ様があの世で女神様にお会いして、絶対に極めることの出来ない領域を持つお考えに感銘を受けて作られた魔法だとか。」
・・・・やっぱりお前が原因か、ファラ。
しかしなんだ。いろいろな人に影響を及ぼしてしまうなんて、やはり女神様なんだな。
ちょっとは敬ってあげようかな。
「私の魔法の事、興味あったみたいですけど、おにいちゃんは童貞?」
「はっ?」
「なんだそっかあ、童貞じゃないんだー。じゃあお願いしようかなぁ。」
「はっ?何を?・・・つうか何言ってんの?」
「えっとね。私達神官学校に行った女の子は神官魔法を得るために純潔の禊をするんだけど、それ以降は男子禁制だから男の子と会ってないの。
意味わかるでしょ?」
「ちょっ、わかんないよ!
何?純潔の禊って!知らないし!」
「え!?マジ!?
・・・すごいね、無知なんだあ。
純潔の禊はね、大神官キリマ様の魔法を得るために現大神官様に処女を捧げる事なんだよ。
その時の血を使って境界の起請文を書くんだよ。」
・・・・なんだそれ。女神教会の大神官になったら、処女とエッチし放題なのか。見事な鬼畜ぶりだな。
あ、なるほど。だから、神官学校は女の子しか入れないし、しかもかわいい子限定なんだな。
大神官め、職権乱用じゃないか。
羨ましい。
「だからあ、その時は濡れてもないし、痛いだけだったから、やっと卒業して男子禁制から逃れたんだから早く気持ちいいのを体験したいの!
もう!友達はみんなしちゃってて、自慢ばかりされるんだから!」
乱れています。性が乱れています。
こちらの世界でも18歳の性活は乱れております。
カオスゲージ
〔Law and order +++[63]++++++ Chaos〕
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登場人物を更新いたしました。
ペルペトゥアの挿し絵も入っています。
気が向いたら見ていただけたら嬉しいです。
応援ありがとうございます!
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