吹奏楽部の恋愛事情

りかこ

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吹奏楽を続けるのに理由なんていらないんだよ

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私は莉那。

あたきな高校に受かった高校1年生だ。

元々はあたきな中学校にいた。

高校生になったらやりたいこと。

それは吹奏楽部に入り、全国へ行くことだった。

中学校でも吹奏楽部に入っていた。

けれどすごく弱かった。

区大会で銀賞。

悪いときでは銅賞をとっていたあたきな中学校で

部長を勤めていた。それも2年間。

普通なら部長は1年間やるはずだった。

しかし、あまりにも3年生ができておらず

仕方なく2年生から部長が選ばれた。

前に3年生だけを集めて

「部長誰がいいと思う?」

と先生が聞いたことがあった。

するとかえってきた答えが

「莉那ちゃん!」

だったと先生が話してくれた。

私は選ばれて嬉しかったけれど

3年生は中学校生活最後の1年間だったので

3年生に部長をやってほしかった。

けれど言えなかった。

それは前に3年生がトイレで話していたことを覚えていたからだ。


「うちらもう無理じゃね?」

「ほんとそれー!今の2年生の方が上手くない?」

「やっぱそう思う?うちもそう思うわー」

「てか、もうやる気ないしね」

「あー、早く高校生にならないかなー」

「もう絶対吹部入らないわ」

「なんか思ってたのとちがったしねー」

「こんなにだるいとは思わなかったわ」

「それなー!」


悲しかった。悔しかった。

私は一生懸命やっていたのに

先輩からそんなことを聞くとは思わなかった。

だから私はもっと頑張った。

吹部は辛いけど、一生懸命やれば成果も出るし

楽しいと思っていたのに………


月日はたち、とうとう中学校生活最後の日になった。

けれどまだ先輩のいっていたことが頭から離れなかった。

そんな気持ちのまま卒業式を迎えた。


……終わった。

この学校ともさよならだ。

高校では吹奏楽は続けないだろう。

そう思っていたとき

吹部の子が急いで走ってくるのが見えた。

それは同じクラリネットパートの後輩だった。

「莉那先輩~!」

……私?

そう思った

もう吹部に関わることはないと思っていたのに。

後輩は

「今すぐ音楽室へきてください!」

といった。

なぜだかわからなかったが、行ってみた。

音楽室に入った瞬間、楽器を持った後輩たちが

こちらを向いて座っていた。

驚いていると、私を呼びに来てくれた後輩が

「先輩!今までありがとうございました!」

「そして2年間部長お疲れ様でした!」

といってくれた。

そのあと、私は椅子に座らされて。

後輩は楽器を構えて。

全員で

「高校でも頑張ってください!」

といってくれた。

そのあと、あたきな中学校の校歌を演奏してくれた。

私はいつの間にか泣いていた。

悲しかったからではない。

久しぶりに感じたこの思い。

〝クラリネットを吹きたい!!〟

そう思った。

私は高校でもやりたいと思った。

私の行く高校、あたきな高校は

すごく吹部が強い。

全国へも何回もいっているところだ。

私は吹きたいと思った。


……演奏が終わった。

 しばらくすると

「高校でも続けますか?」

そう聞かれた。

私が困っていると

「ここにいる人のほとんどが、先輩に憧れて吹部にはいったひとたちです!」

「あたきな高校に入り、吹部を続けてください!」

「私たちも行きます!」

「また先輩に教えてもらいたいです!」


嬉しかった。

けれどまだ悩んでいた。

すると1人の子が

「先輩は吹部が好きですか?楽しかったですか?」

と聞いてきた。

「もちろん好きだった!楽しかった!」

そう答えた。

「なら高校でも続ければいいじゃないですか」

そう言われた。

そのとき私はきずいた。

好きなら続ければいい。

そんな簡単なことだった。

けれどその簡単なことを私は分からなかった。

けれど後輩が教えてくれた。

また続けたい!!

上手い下手は別として、たのしくやりたい!

なので、高校でもやろうと心に決めた。

すると後輩は笑ってくれた。

最後に後輩にお礼を言い、学校をあとにした。
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