平凡なラブストーリー

プロローグ

人並みの容姿に人並みの学歴。

揉め事が嫌いな私は誰からも憎まれないようにそれなりに人当たりの良さを繕って、平凡な20年間の人生をおくってきた。

相田 香奈 職業 雑貨屋店員(ショッピングモール内)

彼氏とは半年前にお互いの気持ちが冷めきっているのに、ただただ相手がいないのが寂しいとか恥ずかしいとかの理由で、ダラダラ関係を続けてきたのが相手にも伝わってしまっていて、話し合いという場も作る事もなく相手からの一方的なメールで関係は終わった。

「一緒にいても意味がないとおもう。
別れないか？」

「わかったよ。今までありがとう」

この2通のメールで約2年の付き合いはあっけなく終わった。

あー本当、何の刺激もない私の人生。

こういう時、情熱的な女って彼氏にすがりついたり、新しい出会いを求めて合コンや婚活とかするのかな？

私の場合はその気持ちにさえ届かないって事は女、終わってるのだろうか？

そういえば、元カレと付き合ってた時も付き合う前も告白された時も見た目もまぁいい感じだったし、暴力とか暴言もなさそうな真面目な人だから付き合ったわけで、特に私の中で燃え上がる事もなく……

考えたら最低だな、私。
そりゃ振られるわ。
こんな私に2年間も一緒にいてくれてありがとう。

きっとそんな元カレ君にはいい人が現れると思う。
ちょっと好きだったのは普段は眼鏡で髪もバッチリ固めてたのに、恋人同士の仲良しの行為をする時眼鏡を外して髪が乱れる姿はドキドキしたよ。

そんな彼と別れて半年。

別に新たな出会いを求めてたわけではなかったのに、運命の出会いというの突然やってくるわけで……

まさか、こんな女終わってる私に、あんなに私の心を乱すあの子との出会いが待っているとは思わなくて……

そのお話はこれから2ヶ月後のあの日から始まります……