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最終話 白い夏へ
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天音がいなくなった夏の世界で、私は残り少ない注射を使い切り、向精神薬も飲みつくしていた。だから……今日が最後の一日になる……もうおかしくなるのは嫌だからそう決めていた……
「灯。起きて」
「うーん……」
「君。寝すぎだよ」
灯と過ごしてわかったことは目覚めが悪いこと。ずっと明るい夏の空が続いているから当然かもしれないけど、流石に灯は寝すぎだと思う。
「……寝かせてくれよ……空が夢に出てくれるんだ……」
妹の夢ばかり見ているらしく、夏屋敷が白い炎で燃えて以来ずっとこんな調子だ。中々可愛らしい奴だから体まで差し出してやったのに……
「ほら、白い夏がもうすぐ始まりそうだから」
私はまだ眠そうな灯を布団から引きずり出す。彼は眠そうな目を何度も擦る仕草が可愛かったので、私は思わず笑った……
「最後の食事」
「うん……」
「この夏町にはもう何もない」
「知ってる……空が白い……」
天音が姿を現さなくなって、気味の悪いくらいの青空は少しずつ白くなっている。私には高揚感でしかないから、最後の食事としてパンケーキを用意した。これから死ぬ灯のために。
本当は生クリームの上に果物がたっぷりと乗った甘いケーキを用意したかったけど、材料がないからパンケーキが限界だった。粉末のタマゴと小麦粉しかなかったから……
「どうして死にたいの?」
私が笑いながら訊くと
「空がいないんだ……天音と一緒に消えたみたいで僕には苦痛だ……だから死にたい……」
そう空しそうに灯は答えた。
灯は私が作ったパンケーキを一口食べると、奥の部屋へと行く……
「……涼葉に会えてよかった……」
「……私も君と会えてどれだけ幸せか……」
「これで空にまた会える。ありがとう」
灯は奥の部屋で首を吊る……しばらくじたばたした後……動かなくなった……
「好きだよ」
そう言い残して私は外へと出る。パンケーキに手を付けないまま……
夏の外は明るい白い光の空がどこまでも続いている。
だから私は、一人で誰もいない夏町の砂浜で、一人綺麗な白い夏の空をいつまでも見つめた……
「ここが私の居場所。もう誰にも傷つけられなくていい」
……私がふと前を見ると……愛おしい人が私を見て笑っていた……
……だから……不思議と私も微笑んだ……
……それは暑いのか寒いのかもわからない白い夏の日々……
「灯。起きて」
「うーん……」
「君。寝すぎだよ」
灯と過ごしてわかったことは目覚めが悪いこと。ずっと明るい夏の空が続いているから当然かもしれないけど、流石に灯は寝すぎだと思う。
「……寝かせてくれよ……空が夢に出てくれるんだ……」
妹の夢ばかり見ているらしく、夏屋敷が白い炎で燃えて以来ずっとこんな調子だ。中々可愛らしい奴だから体まで差し出してやったのに……
「ほら、白い夏がもうすぐ始まりそうだから」
私はまだ眠そうな灯を布団から引きずり出す。彼は眠そうな目を何度も擦る仕草が可愛かったので、私は思わず笑った……
「最後の食事」
「うん……」
「この夏町にはもう何もない」
「知ってる……空が白い……」
天音が姿を現さなくなって、気味の悪いくらいの青空は少しずつ白くなっている。私には高揚感でしかないから、最後の食事としてパンケーキを用意した。これから死ぬ灯のために。
本当は生クリームの上に果物がたっぷりと乗った甘いケーキを用意したかったけど、材料がないからパンケーキが限界だった。粉末のタマゴと小麦粉しかなかったから……
「どうして死にたいの?」
私が笑いながら訊くと
「空がいないんだ……天音と一緒に消えたみたいで僕には苦痛だ……だから死にたい……」
そう空しそうに灯は答えた。
灯は私が作ったパンケーキを一口食べると、奥の部屋へと行く……
「……涼葉に会えてよかった……」
「……私も君と会えてどれだけ幸せか……」
「これで空にまた会える。ありがとう」
灯は奥の部屋で首を吊る……しばらくじたばたした後……動かなくなった……
「好きだよ」
そう言い残して私は外へと出る。パンケーキに手を付けないまま……
夏の外は明るい白い光の空がどこまでも続いている。
だから私は、一人で誰もいない夏町の砂浜で、一人綺麗な白い夏の空をいつまでも見つめた……
「ここが私の居場所。もう誰にも傷つけられなくていい」
……私がふと前を見ると……愛おしい人が私を見て笑っていた……
……だから……不思議と私も微笑んだ……
……それは暑いのか寒いのかもわからない白い夏の日々……
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