自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.18

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 パメラside②


 オーラの色が見えるお父様はラグーの事が気にったのだろう、色々と会話をしてラグーの人物像を探ろうとしている。

 お父様は興味の無い者には一切会話をしない。

 お母様はオーラの色は見えないけどお父様の態度を見て分かったのだろう、お母様もお父様と交互に質問をしていた。

 私はそんな二人を見つめタメ息を吐く。

 (ラグーはあの時の約束、覚えて無いのかな……)

 心の中で呟いた私はラグーと初めて会った日の事を思い出す──


 幼い頃の私は男勝りで、公爵令嬢とは思えない行動を繰り返していた。

 貴族教育を抜け出し、勉強もサボリ、ドレスを破る事も度々ありメイド達を困らせていた。

 そして八歳になり、ラグーと初めて出会った。

 メイド達の目を盗み年の近いメイドの部屋にあった服に着替え、屋敷を抜け出した私は一人でルフランへ向かい街を見て回っていた。

 初めて目にする平民の生活はどれも新鮮で私は心踊らせていた。

 「おじちゃん、これは何?」

 貴族教育を満足に受けていない当時の私は「その口調では平民と変わりません」とメイド長に良く怒られていたのでこの口調だ。

 「可愛いお嬢ちゃんこれかい?これはデスラビットの肉に特製のタレを塗って焼いたヤツだよ」

 デスラビットを私は知っていた。

 黒い体をした体長一メートルほどの大きさをした魔物で、結構強いと書かれていた気がする。魔物には興味があったので知っていた。
 でも、少しだけ本を読んで勉強しただけなのでうろ覚えだけど……

 「デスラビットって魔物だよね、食べられるの?」

 「うまいよ~、お嬢ちゃん可愛いからサービスだ!ほら」

 おじちゃんがデスラビットの肉が刺さった串を私に手渡した。

 そして私は恐る恐る口にすると、とても美味しかった。

 「美味しい~!おじちゃんありがとう!」

 「どういたしまして、今度は買ってくれよ~」

 そう言っておじちゃんは再び肉を焼き始めた。

 そしてまた私は串を片手に街を歩き回る。

 「お嬢ちゃん一人でどうしたの?」

 ニヤニヤした男に突然声を掛けられると楽しかった気持ちがどこかに飛んでいった。

 「私に構わないでくれる?」

 怒った声で男を睨んだ。

 「おー怖!そんな顔したらしわになっちゃうよっと」

 男はそう言って私の手を掴んだ。

 私の能力を表すオーラは赤だ。
 魔法の勉強は好きで使えるようになっていた私は魔力を練りそれを風の魔力に返還させると初級風魔法『ウインドカッター』を発動させた。

 「手を離せー!ウインドカッターーーー!」

 男の体は風の刃に切り裂かれ地面に倒れた。

 「キャャャャャャ!」

 私達の事を見ていた人が悲鳴を上げると私は慌てて逃げ出した。

 でもこれは始まりだった。

 仲間を殺された男達に私は追われる事になった。

 街の出入り口は男達に閉鎖され、街には声を上げながら私を探している男達がそこら中いる。逃げ道が何処にも無く建物と建物の間の影に隠れて様子を見ていたその時、

 「ねぇ、こっち」

 振り向くとワンピースを着た金色の長い髪をした少女だった。

 「ほら、何してるの早くしないと見つかっちゃうよ」

 「わ、分かった」

 私は少女の後を着いていき街の外へ出る事が出来た。

 「ありがとう助かったわ」

 「いいよ、気にしないで、女の子が困っていたら助けなさいってお姉ちゃんが言ってたからね」

 「素敵なお姉ちゃんだね」

 「そうだよー」

 ニコニコと返事をする少女を何気に見つめると虹のオーラが体から出ていて私は慌てて少女の名前を聞いた。

 「あなたの名前は?」

 「ラグーだよ」

 「ラグーちゃんね私はパメラよ」

 虹のオーラは私よりも上のオーラ、婚約者がまだ決まっていないお兄様に教えてあげなきゃと思った。

 「ラグーちゃんじゃないよ俺男だし」

 「えっ?」

 私の目に映る少女は男だった。

 デリー公爵は婚約者には地位よりも能力を求める。
 平民であろうと能力があれば婚約者に選ぶ事ができる。
 私のオーラは赤で私の能力と釣り合う男が現れる可能性は低いと思う。
 ラグーは顔も良くオーラも虹となれば私の取る行動は一つ

 「ねぇラグー、私の婚約者になりなさい」

 ラグーに向けて命令した。

 「いいよ、パメラ可愛いし」

 ニシシと笑顔を私に向けるラグーにドキッとしてしまった。 

 「約束よラグー!一五になったら向かえにくるわ、私はそれまで勉強も貴族教育も頑張るからラグーもがんばるんだよ」

「分かったー」

 ───私はそれから頑張ったんだよね。

 ふとラグーに目を向けると覚悟を決めた顔をしていた。

 そしてラグーが口を開いた瞬間、私は話を挟みラグーの話を遮った。

 もしラグーが男だと言ってしまったらお兄様を騙したとしてお父様は許さないだろう。

 ラグーは私の婚約者で私が守らないといけない。

 でも確認しなきゃいけない事がある。

 私は用意された部屋に行ったラグーの元へと向かった。

 そしてラグーと話をして聞きたい事は聞けた。

 でも私の事を初めて見たような態度をするラグーには腹が立った。
 
 私との約束は忘れたのか?だとしたら許せない。

 忘れているなら思い出させるまでよ。私はあの頃と同じ台詞を言った。

 「私の婚約者になりなさい」

 これでも思い出せないなら絶対に許さない。
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