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学園祭二日目が始まった件①
しおりを挟む僕は燃え尽きた。
精も根も尽き果て、何もやる気が起きない。
女神あゆたんに合えた。
神あゆたんと話せた。
いらないと言われたけど自作のあゆたんグッズも渡せた。
そしてライブ──
瞼を閉じれば今も目に焼き付いているあゆたんの姿。
僕は昨日の後夜祭で全体力を注ぎ込んだ。
今日はやる気が無い。だから帰りたい。
それなのにどうして僕は校内を回り、各クラスの出し物を見て回らなければならないのか?
それは左に北澤さん、右に紗枝と二人に完全に両脇を固められているからだ。
僕は今日、本気で休むつもりだった。
二日目の学園祭で僕の出番はないので休んでも何の問題もない。
でも北澤さんと紗枝のモーニングコールとLIMEの音が午前四時から絶え間なく鳴り響き、電源を落としたら午前七時に二人で僕の家にやってきた。
母とすでに仲良くなっている二人は、母に進められるまま遠慮なく朝ごはんを食べ、僕を学校まで引きずってきた。
こうして現在、テンションがただ下がりのまま校内を歩き回っている。
「はぁー」
「賢はどうしてタメ息を吐いているのかな?」
「理由を教えてくれないとわからないよ、賢くん?」
台本でもあるのではと思ってしまうほど息ピッタリな二人は一緒にしてはいけないと心に刻んだ。
「たタメ息じゃないよ、気合いを入れたんだ」
「そっ」
「ならいいよ」
ニコニコとする北澤さんと紗枝の笑顔に恐怖を感じたのは何故だろう。
◇◇◇
賢くんはあゆたんの事が終るといつもやる気が無くなっしまう。
私と美織ちゃんの二人で動きを制限してなければ賢くんはきっと逃げ出すと思う。
「紗枝、帰して下さい」
「ダメって言われるってわかってるよね?」
頭を下げる賢くんをそう言って睨むと賢は美織ちゃんに「帰して下さい」って言った。
「何を言ってるのかな?賢」
美織ちゃんに言われて泣きそうになってる賢くんを見てタメ息が出てしまう。
「やっと見つけたよ」
との声に振り向くとクラスの男子が息を切らして肩で息をしていた。
「どうしたの?吉田くん」
「お客が多すぎて大変なんだ。人が足りないから宮田さんもてつだってよ!」
「えー、でも……」
チラッと賢くんに視線を向けると不敵な笑みを浮かべていてイラッとした。
「わかったよ、吉田くん」
「良かったー、行こっ宮田さん」
私は吉田くんと自分のクラスに向かったけど、賢くんとすれ違い際に、
「賢くん後でお・し・お・き・ね♪」
と耳元で囁いた。
◇◇◇
紗枝ちゃんが自分のクラスに戻り、賢と二人になれたのは嬉しいけど暴走状態の賢を知ってるだけに、私一人で押さえておけるか不安。
賢の腕に抱きついているけど、いつ逃げ出してしまうかわからない。
「賢、お腹すかない?」
不安を打ち消すように賢に会話を振った。
「そうだね、すいたかな」
「それじゃお昼にしよー!」
焼きそばと飲み物を買って 屋上で食べた。
学園祭の出し物にしては美味しかった。
「美味しかったね」
「そうだね」
相変わらずテンションの低い賢を横目にスマホを取り出して時間を確認する。
「賢、一時半だからそろそろ行こっか!」
「そうだね」
クラスの演劇が始まるのが二時なのでいい時間。
私と賢は小道具作り以外はやる事が無いので演劇は見るだけ。手伝いもする事は無い。
二人で体育館に向かった。
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