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最終話 交差するキュンの行方の件
しおりを挟む卒業式が終わり、僕は杏と待ち合わせた校舎裏にやってきた。
ここに来ると感慨深くなる。
僕と杏の物語が始まった場所だから
先に来ていた杏に手を降り近付くと「遅い!」と怒鳴られた。
ちゃんと時間通りに来たのに理不尽なと思ったけど杏らしいなとも思った。
「何ニヤけてるのよ!」
僕はこれから起こる事を考えニヤけていたらしい。
「ごめんよ杏、お詫びに……」
ポケットに入れていたあれを取り出すと膝を付いて杏に差し出した。
「杏、サプライズだよ」
そして僕は小箱を開いた。
◇◇◇
賢が差し出した小箱の中身は、私がクリスマスにおねだりした指輪だった。
突然のサプライズに驚きと嬉しさでいっぱいになった。
「杏、手を出して」
「う、うん」
戸惑いながらも手を差し出しすと、賢は私の薬指に指輪をはめてくれた。
「似合うよ、杏」
「ば、バカ!」
前髪を上げ、眼鏡を外した賢はとてもかっこよくて私の顔は恥ずかしくなり真っ赤になった。
キラキラと輝く薬指の指輪を眺め、満面の笑みを浮かべ賢を見つめると心を込めてお礼の言葉を伝えた。
「賢、ありがとう」
「どういたしまして」
私は賢と手を繋ぎ、校舎を後にした。
私と賢の交差したキュンの行方は幸せな結末を向かえる事ができた。
「ねぇ賢、これからも宜しくね」
でもそれはまだ始まったばかり。
「こちらこそ宜しくね杏」
だから私はまだまだ発信して行きたいと思う。
「大好きだよ、賢」
「僕も大好きだよ、杏」
私と賢の幸せなキュンの行方を
おわり
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