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京ちゃんが家に来た
しおりを挟む高島さんと話せたのは良かったが、「食べきれないから」と颯大さんを呼んだ時は変に勘繰ってしまった。
高島さんの事は好きだけど高島さんの素っ気ない態度は私の心を寂しくさせた。
このまま高島さんを追い掛けたいけど少し考えてしまう。
それにしても颯大さんはとてもいい人だった。人見知りな私でも話しやすかった。
でも「危ないから」と駅まで送ってくれる辺りは女慣れしている。顔もかわいいのでモテると思う。
そして色々と気をきかせ回りを見ている。
「高島さんの事好きでしょ」と私の気持ちに気が付いた辺りも良く人を見てる証拠だろう。
最も、私が分かりやすかったのかもしれないけど……
八王子駅に着き、電車を降りるとアパートに向かう。夜道は風が冷たく、体を震わせた。
アパートが見えて来ると私の部屋の前に人影が見え壁に隠れ、様子を伺うと京ちゃんだった。
「京ちゃん、こんな時間にどうしたの?」
「終電逃しちゃったの、だから泊めて」
そう言って笑顔を見せる京ちゃんは少し悲しそうに見えた。
京ちゃんがそんな顔をするのは珍しい。何かあったのかとは思ったけど今は何も聞かない。
「どうぞ、何もないけど」
「ありがとう……」
鍵を開けて京ちゃんと一緒に部屋に入った。
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