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ナミと颯太
しおりを挟む今、僕はナミちゃんの横を歩いている。
夜風が吹いて少し寒い。この街の夜の匂いで少し安らぐ、
「寒くない?」
俯いて歩いているから、顔を覗き込む。
「だ、だ、だ、大丈夫かと思いました」
変な日本語だ。
「顔が真っ赤だから余計に心配になるよ」
「颯太くんさんって、お、おお、女慣れしてます」
ナミちゃんから突然のデスリを受ける、これは面白いかも。
「女っていうか、人慣れかなぁ」
「いえ、だって、並び方とか歩く速度とか接し方とか…それにそれに、なんか色々至れり尽せりだから」
「そうかな?前前世は執事だったかもしれないね」
笑ってくれるかと思ったらコクコクと頷くので、赤ベコみたいだなーと夜空を見上げて笑うのを堪え、彼女の荷物を持っていた手をブンブン振っておどけた。
ナミちゃんの今夜の行動がなかったら何もない日だったはず
今夜、珍しく高島さんから出て来ないか?と連絡があって店に行ったらナミちゃんがいた。
変わった夜食をご馳走になってしまった。
何かを意識しているわけじゃないけど、無口な高島さんと何かを意識しまくりで無口なナミちゃんに挟まれて、僕はここ数年で1番気を使って潤滑油に徹した。
「俺は勤務中で腹いっぱいになれないから」
「うん、お腹いっぱいだと高島さんネムネム病になるもんね」
「ごめんなさい、バイト先でいっぱいもらったけど冷蔵庫に入らないから今夜中に食べないと悪くなるし、勿体ないと思って高島さんにも食べてもらおうと…」
ナミちゃんのアタフタ加減が健気に見える。
ここに来るにも勇気を出してきたのだろうな。
僕はご馳走になったお礼にたくさんの情報を渡した。
① ナミちゃんのバイトの日教えて今度高島さんと行くから。
② え?ナミちゃん彼氏いないの?僕も高島さんもいないよ。
③ ごめん、高島さんは石だと思っていいよ、鈍感なんだよね。
極め付けは夜遅いから、と送りながら話そうと思っていたのに思った以上に男慣れしてなくて、僕のことまで意識してやりにくい。
でも、もうすぐ別れ道だ。
ナミちゃんの今夜の勇気のご褒美をあげる。
「ナミちゃん高島さんが好きでしょ?」
「えぇー‼︎」
絶望的な悲鳴が上がった。(なぜわかったの?と目が語る)
「見てたらわかるよ」
「そんな!!もう買いに行けないです~」
「いや、僕がめざといだけ。どうしてか、わかる?」
ナミちゃんは風を起こすほど首を振って髪をバタバタなびかせた。
「僕も高島さんが好きなんだ。そして誰よりも高島さんに幸せになって欲しいと思っている。ナミちゃんは、高島さんに一途できっとお似合いできっと高島さんを幸せにしてくれる。僕はそう感じたよ」
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