元ヤンの伝説のアイドルを吸血した1888年から来た吸血鬼には浮気調査専門興信所はちょっとつらい

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第７章　追いかける夢

第１話　ピンチ

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「あーん　またダメだ。」

その大きな声に何事かと振り返って見る人もいるが
彼女は自分の世界に没入しているので
それには全く気付いていない。

開いた紙片には「F賞」と印刷されている。
その紙片12枚をカウンターの上にアルファベット順に並べてあるが
「D・E・F」だけでそれより前の文字は見当たらない。

どうしよう電気代とスマホ料金は残しておかないと
ご飯はカップ麺結構買い込んであるから・・・・・
そうだ最悪黒ちゃんにおごってもらおう
また昔ばなし聞いてあげれば
お得意の”カツ丼”おごってくれそう。

水道は所でペットボトルで多めに確保すればいいし
お風呂は・・・・５日ぐらいならいいかな。

あーでも"Mysweet"は結構鼻が利くんだよね。
”なんか死臭がしないか？”なんて
あの顔面で言われたらそれだけでイっちゃうなあ。

補習があって、ちょっとバイトに遅れそうだけど
どうしてもこの"くじ"を引きたかった。

もう１0回以上引いたけど「C賞"ジュンくん"のマグカップ」が出ない。

コンビニのおばちゃん店員が
ちょっとイラついているのがわかる。
祈りながら一枚づつ引いているから、時間がかかるのは仕方ないでしょ

こっちも命賭けてるんだから、急かせないで！

気合い入れてあの後もう１０回引いたけど
結局ダメだった・・・

「あー。ピンチ！」

ホントに飯抜きダーーー、
でも、ダイエットしてると思えばいいかな？

結局、マグカップはフォロワーと交換出来たので
ゲット出来たので良かったんだけどね。

なんでこんな生活いつまで続けてるんだろ
もうすぐ就職するのに・・・・

まあ、正社員になるから今より収入は増えるから
それからちゃんとやっていこう。
そう、だいじょうぶだって。

「いつも切り替えは早いんだ。」

興信所には３０分ぐらい遅刻した。
佐々木さんに"また？"みたいな顔で睨まれたけど更年期だからね。
小さなことでイライラするのもしょうがないよね。

"Mysweet"神司くんはすでに次の依頼に着手して
相棒の私を置いてさっさと出ていってしまっていた。

その依頼人の話を林さんが聞き耳立てて聞いていて
かわいそうで、給湯室で隠れて泣いちゃったって

林さんいつも依頼人に感情移入し過ぎ。

でも黒ちゃんも目がちょっと充血してたって！

えー。刑事だった頃
"鬼の黒田"ってその筋の人にも恐れられていたって言ってたくせに
ウケる。これがホントの"鬼の目にも涙"だ。

まあ、録音聞いたらちょっと同情は出来たけど。
信じてた人に裏切られるってね・・・

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