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一瞬

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とりあえずはリビングをささっと掃除してあと、細かいところやる感じでいいかな。
掃除をしていると懐かしくなってきて、といってもこちらにきてから数日しかたっていないけど、楽しくなってきた。
鼻歌でもまるで歌い出しそうな俺は手際良く掃除を進めていった。
「よし、こんなところかな」
ひと通りは終わらせたつもりだ。もちろん、はじめに掃除しようとしていた風呂場から、
洗面所のあたりまでやった。
途中昼休憩を挟んだものの、広い範囲をやったから、本当に細かいところまではできなかったが、自分的には満足だ。
掃除道具も洗いおわり、サキさんのところに,返しに行こうと思った矢先、ドアが開いた。
「アツキ!ただいま!」
「あ、おかえり」
「ん?その荷物なんだ?」
「サキさんに返しに行く掃除道具だ。」
「掃除道具?なんで?」
「俺が掃除したかったからだ」
「アツキ掃除できるのか!」
「は?そんなの珍しくもなんともないだろ。」
「アツキすごいな!」
何がだ、だいたい俺は何もできないやつのように写ってたのか。
「一応俺だって家事全般はできるからな!」
「じゃあ料理とかもできるのか?」
「それなりにはな」
「食べたい!アツキの手料理!」
「…気が向いたら作ってやる」
気が向くなんていつになるんだか知らないが。
「ほんとか!楽しみにしてるな!」
レンはそう言って最上級の笑顔を返した。
「ん?アツキどうしたんだ?顔が赤いが。」
「なっ、なんでもない!俺はサキさんのとこ行ってくるから!」
「ああ、気をつけてな」
俺,今不覚にもドキッとしなかったか。レンが笑顔でこちらを向いた瞬間顔に火がついたように赤くなったのが自分でも分かった。
きっと思い過ごしだ。そうだ気のせいだ。
あんなやつにきゅんとするなんて。
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