嫌われ者だった俺が転生したら愛されまくったんですが

夏向りん

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掃除

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そのあとも、城の中を見て回ったが特にあれ以上のアクションはなく、部屋に戻った。
だが、部屋に戻ったはいいがやることがない。

よし、掃除でもするか。もちろんサキさんがしっかり掃除しているから目立った汚れなどあるわけがない。でも、時間だけはやたらあるし、これからどうするかも何もわからない。それに前にいた世界での名残みたいなものだ。何年もずっと家事をやっていたのだから、染み付いてしまった。
とりあえずリビングっぽいところは掃除するようなところがなかったので、風呂に回ってみた。
多分今まではレンが出払っている時に掃除をしていただろう。でも俺は今日ここにいて、ここから出ていた時間もそう長くはなかったから、今日はこの部屋の掃除をしていないはずだ。
しかし、考えれば掃除道具がない。普段掃除しなさそうなレンの部屋に掃除道具があるとは考えにくいし、サキさんにいうべきか。
とりあえず部屋を出てサキさんを探そうとすると、すぐにサキさんは見つかった。
「あ、サキさん」
「アツキ様、どうかなさいましたか?」
「掃除道具を貸して欲しいんですけど」
「今からおふたりの部屋の掃除に向かおうと思っていたんですが、何か不備がありましたでしょうか。」
「あっ、いえ、そういうわけじゃなくて。俺、やることなくて暇で暇で。だから掃除しようと思ったんですけどレンの部屋には掃除道具なんてないし…」
「そうでしたか。しかし、アツキ様に任せるわけには…」
「いいんです、俺がしたいだけなので」
「本当ですか?」
「本当です」
「…かしこまりました。それでは掃除道具をお渡ししますね。何かあったらすぐお呼びください。それと使い終わった道具はそのまま返していただいて結構ですからね」
「ありがとうございます!」
「ふふ、きっとレン様も喜ばれるかと」
「え?」
「いえ、なんでもございません、それでは」
そう言ってサキさんは立ち去ってしまった。
よし始めるか。
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