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16、東の森
ギルドから外に出てまず向かうのは、従魔が主人を待つためのスペースだ。ギルド内が混雑している時や、大型の従魔などがギルド内に入れない場合に使うことができる。
「ユニー、待たせてごめん」
ユニーの下に向かいながら声をかけると、ユニーは瞳を潤ませて俺に駆け寄ってきてくれた。さらに顔をこれでもかと擦り付けてくる。やっぱりお前は可愛いやつだな。
ちなみにスラくんは俺の腕の中だ。スラくんは小さいので預ける必要がなく、俺と一緒にどこへでも入ることができる。
「今日向かうのは東の森になったよ」
「ヒヒンッ」
ユニーは俺の言葉に嬉しそうに声を発し、俺の横をスキップでもするかのように歩いた。
「ふふっ、ユニーちゃんは可愛いね。外に行くのが嬉しいのかな」
「元々野生だし、その可能性は高いかも」
ユニーにストレスが溜まらないためにも、頻繁に連れ出してあげないと可哀想かもしれないな。宿の従魔用の部屋も冒険者ギルドの預けスペースも、やっぱり狭くて窮屈そうだった。
「リョータ、依頼が一日がかりになりそうな時は、ここの屋台で昼食を買っていく人が多いよ」
ギルドから歩いて門前広場に差し掛かったところで、リラが屋台を示しながらそう教えてくれた。この屋台は冒険者の昼食需要に応える屋台らしい。
持ち運びしやすいようにパンを売っている店が多く、他には塩漬け肉など調理せずに食べられるものがいくつか売られているようだ。
「今日の俺達は買ってく?」
「うーん、東の森のゴブリン討伐なら普通はいらないんだけど、昼食を外で食べる練習もした方が良いよね。それに最初だから討伐に時間がかかるかもしれないし。今日は買っていこう」
「了解」
「私のおすすめはあそこのベーグルだよ」
リラが指差した屋台を見てみると、プレーンのベーグルだけでなく、芋が練り込まれたものや果物が練り込まれたものなど、多種多様なベーグルが売っているようだ。
「持ち運びしやすいしベーグルは硬いから潰れちゃう心配もないし、さらにはお腹に溜まるし、冒険者には最適な食べ物なんだ」
「確かにそう言われるとそうかも」
日本ではベーグルって硬くてあんまり好きじゃなかったけど、視点を変えるとかなり優秀なんだな。
「今日はあそこで買ってみよう」
「うん。リラは何ベーグル?」
「私はいつもベリーが練り込まれたベーグルだよ」
屋台に近づいて並べられたベーグルを覗き込むと、真ん中に赤い色のベーグルがあった。これがベリーが練り込まれたやつみたいだ。確かに美味しそうだけど……俺はどちらかといえば食事系のベーグルが良いな。
プレーンに塩をかけた塩ベーグルなんて美味しそうだ。後はこっちの芋ベーグルも、ほのかに甘みが出てたくさん食べられそう。
「俺は塩ベーグルと芋ベーグルで」
「はいよ、毎度あり!」
屋台のおじさんが元気よく注文に答えてくれて、ベーグルはすぐ葉っぱに包まれて渡された。値段は一つ百ラルだ。
「じゃあこれで準備は整ったし、街の外に行こうか」
笑顔で俺の顔を覗き込みながらそう言ったリラに頷くと、リラは軽い足取りで門に向かった。俺もスラくんとユニーを連れてリラを追いかける。
街を出る時には特に手続きなどはないようで、問題なく外に出ることができた。昨日は慌てていたのでこの世界をちゃんとは見てなかったけど、改めて見ると……綺麗な世界だな。
どこまでも続いているような大きな草原の先には、うっすらと森が見える。空を見上げれば雲がぷかぷかと浮かび、太陽が燦々と地面を照らしている。俺が住んでいた都会では見ることができなかった、広い自然の風景だ。
「リョータ、東の森は向こうだよ」
「了解。そうだ、ユニーに乗って移動することってできるのかな」
「どうだろう。私も乗せてもらえるのなら可能だけど」
リラのその返答を聞いて、俺はユニーと視線を合わせて口を開いた。
「俺とリラとスラくんを背中に乗せてくれる? 東の森に行きたいんだけど」
「ヒヒンッ!」
ユニーは俺の言葉を聞くと嬉しそうに嘶き、その場にしゃがんで俺達に乗って良いよというように首を動かした。役に立てることが嬉しいとでも言っているような、輝く瞳をしている。
「ユニー……お前はめちゃくちゃ可愛いな!」
それに賢すぎてビビる。もう完全に俺の言葉を理解してると考えて問題ないだろう。ユニーもスラくんも可愛くて頼りになって、最高のパートナーだ。
それから俺達は、役に立てて得意げな様子のユニーに乗り、東の森まで草原を駆けて進んだ。草原にいる小さな魔物はユニーの敵ではないようで、たまに襲ってきても蹴り飛ばして止まらずに進んでいく。
「もしかして、ユニコーンってかなり強い?」
「うん。この草原の魔物の中では一番ぐらいかも。リョータと会ったのは草原でなんだよね? 多分深淵の森から草原に、たまたま出てきてたんじゃないかな」
ということは、普通は草原にいるような魔物じゃないってことか。俺に魅了のパッシブスキルがなかったらユニーと出会ったのは不運だったのだろうけど、俺は魅了のスキルを持ってたんだから、強い仲間を得ることができてラッキーだったな。
「そろそろ東の森に着くね。リョータ、森の中は歩いて進んだ方が良いからユニーちゃんに止まってもらって」
「分かった」
それからすぐに森の外縁部に辿り着き、俺達はユニーから降りた。そして森の中をリラを先頭に進んでいく。
「普通のパーティーは魔物に気付かれないように森の中を歩いて、できる限り不意打ちで魔物を倒すんだけど、私達はリョータの魅了で十メートル以内の魔物は全部寄ってきちゃうから、足音とか気にしないで進んでいくよ。リョータは魅了で寄ってきた魔物に命令をよろしく」
「頑張るよ。依頼の魔物だったら足止めで、それ以外はリラの判断で基本的には遠くに行ってもらえば良いんだよな?」
「そう。よろしくね」
魔物を全てコントロールできるなんて、改めて強すぎるスキルだよな……めちゃくちゃデメリットはあるけど、チート級のスキルであることは確かだ。
「ユニー、待たせてごめん」
ユニーの下に向かいながら声をかけると、ユニーは瞳を潤ませて俺に駆け寄ってきてくれた。さらに顔をこれでもかと擦り付けてくる。やっぱりお前は可愛いやつだな。
ちなみにスラくんは俺の腕の中だ。スラくんは小さいので預ける必要がなく、俺と一緒にどこへでも入ることができる。
「今日向かうのは東の森になったよ」
「ヒヒンッ」
ユニーは俺の言葉に嬉しそうに声を発し、俺の横をスキップでもするかのように歩いた。
「ふふっ、ユニーちゃんは可愛いね。外に行くのが嬉しいのかな」
「元々野生だし、その可能性は高いかも」
ユニーにストレスが溜まらないためにも、頻繁に連れ出してあげないと可哀想かもしれないな。宿の従魔用の部屋も冒険者ギルドの預けスペースも、やっぱり狭くて窮屈そうだった。
「リョータ、依頼が一日がかりになりそうな時は、ここの屋台で昼食を買っていく人が多いよ」
ギルドから歩いて門前広場に差し掛かったところで、リラが屋台を示しながらそう教えてくれた。この屋台は冒険者の昼食需要に応える屋台らしい。
持ち運びしやすいようにパンを売っている店が多く、他には塩漬け肉など調理せずに食べられるものがいくつか売られているようだ。
「今日の俺達は買ってく?」
「うーん、東の森のゴブリン討伐なら普通はいらないんだけど、昼食を外で食べる練習もした方が良いよね。それに最初だから討伐に時間がかかるかもしれないし。今日は買っていこう」
「了解」
「私のおすすめはあそこのベーグルだよ」
リラが指差した屋台を見てみると、プレーンのベーグルだけでなく、芋が練り込まれたものや果物が練り込まれたものなど、多種多様なベーグルが売っているようだ。
「持ち運びしやすいしベーグルは硬いから潰れちゃう心配もないし、さらにはお腹に溜まるし、冒険者には最適な食べ物なんだ」
「確かにそう言われるとそうかも」
日本ではベーグルって硬くてあんまり好きじゃなかったけど、視点を変えるとかなり優秀なんだな。
「今日はあそこで買ってみよう」
「うん。リラは何ベーグル?」
「私はいつもベリーが練り込まれたベーグルだよ」
屋台に近づいて並べられたベーグルを覗き込むと、真ん中に赤い色のベーグルがあった。これがベリーが練り込まれたやつみたいだ。確かに美味しそうだけど……俺はどちらかといえば食事系のベーグルが良いな。
プレーンに塩をかけた塩ベーグルなんて美味しそうだ。後はこっちの芋ベーグルも、ほのかに甘みが出てたくさん食べられそう。
「俺は塩ベーグルと芋ベーグルで」
「はいよ、毎度あり!」
屋台のおじさんが元気よく注文に答えてくれて、ベーグルはすぐ葉っぱに包まれて渡された。値段は一つ百ラルだ。
「じゃあこれで準備は整ったし、街の外に行こうか」
笑顔で俺の顔を覗き込みながらそう言ったリラに頷くと、リラは軽い足取りで門に向かった。俺もスラくんとユニーを連れてリラを追いかける。
街を出る時には特に手続きなどはないようで、問題なく外に出ることができた。昨日は慌てていたのでこの世界をちゃんとは見てなかったけど、改めて見ると……綺麗な世界だな。
どこまでも続いているような大きな草原の先には、うっすらと森が見える。空を見上げれば雲がぷかぷかと浮かび、太陽が燦々と地面を照らしている。俺が住んでいた都会では見ることができなかった、広い自然の風景だ。
「リョータ、東の森は向こうだよ」
「了解。そうだ、ユニーに乗って移動することってできるのかな」
「どうだろう。私も乗せてもらえるのなら可能だけど」
リラのその返答を聞いて、俺はユニーと視線を合わせて口を開いた。
「俺とリラとスラくんを背中に乗せてくれる? 東の森に行きたいんだけど」
「ヒヒンッ!」
ユニーは俺の言葉を聞くと嬉しそうに嘶き、その場にしゃがんで俺達に乗って良いよというように首を動かした。役に立てることが嬉しいとでも言っているような、輝く瞳をしている。
「ユニー……お前はめちゃくちゃ可愛いな!」
それに賢すぎてビビる。もう完全に俺の言葉を理解してると考えて問題ないだろう。ユニーもスラくんも可愛くて頼りになって、最高のパートナーだ。
それから俺達は、役に立てて得意げな様子のユニーに乗り、東の森まで草原を駆けて進んだ。草原にいる小さな魔物はユニーの敵ではないようで、たまに襲ってきても蹴り飛ばして止まらずに進んでいく。
「もしかして、ユニコーンってかなり強い?」
「うん。この草原の魔物の中では一番ぐらいかも。リョータと会ったのは草原でなんだよね? 多分深淵の森から草原に、たまたま出てきてたんじゃないかな」
ということは、普通は草原にいるような魔物じゃないってことか。俺に魅了のパッシブスキルがなかったらユニーと出会ったのは不運だったのだろうけど、俺は魅了のスキルを持ってたんだから、強い仲間を得ることができてラッキーだったな。
「そろそろ東の森に着くね。リョータ、森の中は歩いて進んだ方が良いからユニーちゃんに止まってもらって」
「分かった」
それからすぐに森の外縁部に辿り着き、俺達はユニーから降りた。そして森の中をリラを先頭に進んでいく。
「普通のパーティーは魔物に気付かれないように森の中を歩いて、できる限り不意打ちで魔物を倒すんだけど、私達はリョータの魅了で十メートル以内の魔物は全部寄ってきちゃうから、足音とか気にしないで進んでいくよ。リョータは魅了で寄ってきた魔物に命令をよろしく」
「頑張るよ。依頼の魔物だったら足止めで、それ以外はリラの判断で基本的には遠くに行ってもらえば良いんだよな?」
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