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20、特別報酬とランクアップ
応接室に入ると、アンドレさんとナタリアさんが苦笑しつつ俺達を迎え入れてくれた。
「昨日の今日でまたここに来るとは、わしがギルドマスターになって以来だぞ?」
「すみません……?」
「まあ謝ることではないがな。逆にこちらが感謝せねばならん事だ」
アンドレさんがそう言ったところで、ナタリアさんが机の上にゴブリンの魔石が入った袋を置いた。
「こちら確認させていただきました。四十二個の討伐したばかりのゴブリンの魔石。ゴブリン村があったことは疑いようもありません。またそれをお二人が討伐してくださったことも。危機を未然に防いでくださり、ありがとうございます」
ナタリアさんが頭を下げたのに合わせて、アンドレさんも頭を下げた。ゴブリン村って俺が思ってる以上に脅威なんだな。俺はゴブリン村の危険度の認識をまた変更した。
「まだ作られたばかりの村でしたから、二人で何とか倒せました」
「だが四十二匹だろう? さすがに二人では辛い数だと思うが……」
「そこはリョータの魅了がありますので。リョータの魅了で魔物の動きを止めてもらって、そこに私がファイヤーストームを放って一瞬でカタがつきました」
リラのその説明を聞いて、二人はポカーンと口を開いたまま固まった。そして少ししてから復活し、慌てた様子で口を開く。
「リョータの魅了は、そんなに多くの魔物に一斉にかけることができるのか?」
「はい。もっと数が増えてもできると思います」
俺に皆の視線が向いたのでそう返答すると、アンドレさんは額に手を当てて深く息を吐き出した。
「まさかそれほどに強い力だとは。魔物にも効くだろうと、さらに意図的に使えばパッシブの範囲外にも掛けられるだろうと思ってはいたが……一度にそれほどの数にとは予想外だ。本当にお主のスキルは規格外だな」
「そうみたいですね……」
俺でも規格外だということはさすがに理解している。でもあんまり実感が湧いてないんだよな……それはこの世界の常識が分からないからだと思う。普通が分からない状態では何が規格外かも分からないから。
「とりあえず……そのスキルを活かして街の平和に貢献してもらえたら嬉しい」
「それはもちろんです。冒険者としてリラと頑張ります」
「ありがとう。では話を戻すが、ゴブリン村の討伐の件だ」
アンドレさんはナタリアさんから受け取った綺麗な布袋を、ゆっくりと机の上に置いた。机の上に置かれた袋の中からは、ジャラッと金属同士が触れ合う音が聞こえてくる。
「これを受け取ってくれ。ゴブリン村の討伐に関する特別報酬だ。さすがに村を討伐してもらって、普通の報酬だけという訳にもいかないからな。緊急依頼を出して討伐を依頼するときの相場と同じ額が入っている」
「ありがとうございます」
リラが受け取った袋を開けて中から硬貨を取り出すと、一万ラル硬貨と千ラル硬貨がいくつも出てくる。こんなにもらえるのか……もしかしたら、俺とリラって冒険者ではかなり稼げるのかも。
「これでリョータが必要なものをたくさん買えるね。借金も返せるんじゃない?」
「確かに。借金があるのは嫌だったから良かったよ」
「今日の帰りに買い物をしようか」
「うん。まずは服を買いたいかな」
俺はまだアイドル衣装を着てるからな。早くこの世界に順応して、少しでも目立たないようにしたい。
「スラくんが入る鞄も買おうか」
俺の腕の中で大人しくしているスラくんに声をかけると、スラくんは大きく震えて嬉しそうに腕をみょんと伸ばした。
「喜んでるね。可愛いなぁ」
「荷物を入れる鞄も欲しいし、二個持ちでいけるかな?」
「スラくんは軽いし大丈夫じゃない? それか二個持ちじゃなくて、カバンの中が二つに分かれてるやつを買うのも良いかもよ」
「確かにそれ良いかも」
二個あると何かと邪魔だろうし、できれば分かれてるやつが良いな。
そうして俺達がこれからの買い物に思いを馳せていると、アンドレさんがまた口を開いた。
「もう少し話をしても良いか?」
「あっ、すみません。もちろんです」
「実はリョータの冒険者ランクを上げようと思っていてな」
え、もうランクアップできるの!? 報酬が良い依頼が受けられるようになるから嬉しいけど……こんなに早くて良いのだろうか。
そんな俺の困惑が伝わったのか、アンドレさんは苦笑しつつ説明をしてくれた。
「たった二人で、小さいとはいえゴブリン村を討伐できる実力者を、一番下のランクにしておくわけにもいかないのだ」
「そういうものなんですね」
「ランクは高すぎても低すぎてもいけないからな。その者に対しての適正ランクを割り当てるのも、冒険者ギルドの仕事だ」
そういうことなら、ありがたくランクを上げてもらおうかな。これでパーティーとしてのランクも上がるし、リラの足を引っ張る事柄が一つ減る。
「ではランクアップをよろしくお願いします。次は確かEランクですよね」
「いや、今回は二つ上げるからリョータはDランクだ」
「え、二つも!? それは……ありがとうございます」
「リョータやったね! これでパーティーランクもDになるし、Cランクの依頼まで受注できるよ」
一気にCランクまで受けられるなんて、一日で思わぬ出世だ。リラがパーティーランクをまずはCまで上げたいって言ってたけど、あと少しで達成できそうだな。
「もっと稼げるようになるかな」
「うん! しばらくは貯金を切り崩さないとかなって思ってたから良かったよ。どんどん稼ごうね」
「もちろん。役に立てるように頑張るよ」
それから俺は冒険者ギルドカードをナタリアさんに渡して、ランクアップの手続きを済ませた。これでもう俺はDランクらしい。Eランクまでは駆け出しって話だったし、とりあえず一人前になれて良かったな。
「昨日の今日でまたここに来るとは、わしがギルドマスターになって以来だぞ?」
「すみません……?」
「まあ謝ることではないがな。逆にこちらが感謝せねばならん事だ」
アンドレさんがそう言ったところで、ナタリアさんが机の上にゴブリンの魔石が入った袋を置いた。
「こちら確認させていただきました。四十二個の討伐したばかりのゴブリンの魔石。ゴブリン村があったことは疑いようもありません。またそれをお二人が討伐してくださったことも。危機を未然に防いでくださり、ありがとうございます」
ナタリアさんが頭を下げたのに合わせて、アンドレさんも頭を下げた。ゴブリン村って俺が思ってる以上に脅威なんだな。俺はゴブリン村の危険度の認識をまた変更した。
「まだ作られたばかりの村でしたから、二人で何とか倒せました」
「だが四十二匹だろう? さすがに二人では辛い数だと思うが……」
「そこはリョータの魅了がありますので。リョータの魅了で魔物の動きを止めてもらって、そこに私がファイヤーストームを放って一瞬でカタがつきました」
リラのその説明を聞いて、二人はポカーンと口を開いたまま固まった。そして少ししてから復活し、慌てた様子で口を開く。
「リョータの魅了は、そんなに多くの魔物に一斉にかけることができるのか?」
「はい。もっと数が増えてもできると思います」
俺に皆の視線が向いたのでそう返答すると、アンドレさんは額に手を当てて深く息を吐き出した。
「まさかそれほどに強い力だとは。魔物にも効くだろうと、さらに意図的に使えばパッシブの範囲外にも掛けられるだろうと思ってはいたが……一度にそれほどの数にとは予想外だ。本当にお主のスキルは規格外だな」
「そうみたいですね……」
俺でも規格外だということはさすがに理解している。でもあんまり実感が湧いてないんだよな……それはこの世界の常識が分からないからだと思う。普通が分からない状態では何が規格外かも分からないから。
「とりあえず……そのスキルを活かして街の平和に貢献してもらえたら嬉しい」
「それはもちろんです。冒険者としてリラと頑張ります」
「ありがとう。では話を戻すが、ゴブリン村の討伐の件だ」
アンドレさんはナタリアさんから受け取った綺麗な布袋を、ゆっくりと机の上に置いた。机の上に置かれた袋の中からは、ジャラッと金属同士が触れ合う音が聞こえてくる。
「これを受け取ってくれ。ゴブリン村の討伐に関する特別報酬だ。さすがに村を討伐してもらって、普通の報酬だけという訳にもいかないからな。緊急依頼を出して討伐を依頼するときの相場と同じ額が入っている」
「ありがとうございます」
リラが受け取った袋を開けて中から硬貨を取り出すと、一万ラル硬貨と千ラル硬貨がいくつも出てくる。こんなにもらえるのか……もしかしたら、俺とリラって冒険者ではかなり稼げるのかも。
「これでリョータが必要なものをたくさん買えるね。借金も返せるんじゃない?」
「確かに。借金があるのは嫌だったから良かったよ」
「今日の帰りに買い物をしようか」
「うん。まずは服を買いたいかな」
俺はまだアイドル衣装を着てるからな。早くこの世界に順応して、少しでも目立たないようにしたい。
「スラくんが入る鞄も買おうか」
俺の腕の中で大人しくしているスラくんに声をかけると、スラくんは大きく震えて嬉しそうに腕をみょんと伸ばした。
「喜んでるね。可愛いなぁ」
「荷物を入れる鞄も欲しいし、二個持ちでいけるかな?」
「スラくんは軽いし大丈夫じゃない? それか二個持ちじゃなくて、カバンの中が二つに分かれてるやつを買うのも良いかもよ」
「確かにそれ良いかも」
二個あると何かと邪魔だろうし、できれば分かれてるやつが良いな。
そうして俺達がこれからの買い物に思いを馳せていると、アンドレさんがまた口を開いた。
「もう少し話をしても良いか?」
「あっ、すみません。もちろんです」
「実はリョータの冒険者ランクを上げようと思っていてな」
え、もうランクアップできるの!? 報酬が良い依頼が受けられるようになるから嬉しいけど……こんなに早くて良いのだろうか。
そんな俺の困惑が伝わったのか、アンドレさんは苦笑しつつ説明をしてくれた。
「たった二人で、小さいとはいえゴブリン村を討伐できる実力者を、一番下のランクにしておくわけにもいかないのだ」
「そういうものなんですね」
「ランクは高すぎても低すぎてもいけないからな。その者に対しての適正ランクを割り当てるのも、冒険者ギルドの仕事だ」
そういうことなら、ありがたくランクを上げてもらおうかな。これでパーティーとしてのランクも上がるし、リラの足を引っ張る事柄が一つ減る。
「ではランクアップをよろしくお願いします。次は確かEランクですよね」
「いや、今回は二つ上げるからリョータはDランクだ」
「え、二つも!? それは……ありがとうございます」
「リョータやったね! これでパーティーランクもDになるし、Cランクの依頼まで受注できるよ」
一気にCランクまで受けられるなんて、一日で思わぬ出世だ。リラがパーティーランクをまずはCまで上げたいって言ってたけど、あと少しで達成できそうだな。
「もっと稼げるようになるかな」
「うん! しばらくは貯金を切り崩さないとかなって思ってたから良かったよ。どんどん稼ごうね」
「もちろん。役に立てるように頑張るよ」
それから俺は冒険者ギルドカードをナタリアさんに渡して、ランクアップの手続きを済ませた。これでもう俺はDランクらしい。Eランクまでは駆け出しって話だったし、とりあえず一人前になれて良かったな。
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