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51、依頼達成報告
「リョータ、リラ、どうしたんだ? ダンジョンについて何か疑問点があったか?」
ウスマンさんは俺達が既に依頼を達成しているとはカケラも思っていないようで、数日前にここで会った時と全く同じ様子で声を掛けてくれた。
「そうではなくて、依頼の達成報告に来ました」
「――そうか。何か別の依頼を受けていたのか?」
リラが発した達成報告という言葉に一瞬動きを止めたウスマンさんだったけど、すぐに別の依頼だろうと納得したのか続きを促す。
「いえ、国からの依頼だった、ダンジョンコアの破壊依頼です。先ほど達成してきましたのでその報告に来ました」
「――ま、待て。もう、ダンジョンをクリアして来たとでも言うのか!?」
「はい。その通りです」
再度リラがダンジョンコアの破壊依頼を達成したと報告すると、ウスマンさんは面白いぐらいに慌ててソファーから立ち上がった。ギルドマスターの威厳が完全になくなってるな。
それにしても二日でのクリアはこんなに驚かれることだったのか……正直、強行すれば一日でのクリアも難しくはなかっただろうから、凄いことをしたっていう実感がない。
やっぱり俺の魅了スキルは凄いよなぁ。これでパッシブでさえなかったら、めちゃくちゃ最強のカッコいいスキルだったのに。
「そんなことがあり得るのか!?」
「リョータの魅了がありますから。騎士さん達も騒いでいたので、すぐにそちらからも報告が来ると思います」
「わ、分かった。確認してくるから少し待っていてくれ!」
ウスマンさんはそう叫ぶと、慌てた様子で応接室を出て行ってしまった。後に残ったのは俺とリラとスラくんだけだ。
「すぐに戻って来ると思う?」
「うん。少ししたら騎士さん達がギルドに来るだろうから」
「そっか。じゃあ……おやつでも食べて待ってるか」
「ふふっ、そうだね」
アイテムバッグの中を探ると、美味しそうだなと買った日持ちするおやつがいくつかある。俺はその中から細長いラスクのようなものを取り出した。
「これで良い?」
「あっ、それ大好き。甘くてサクサクで美味しいんだよ」
「じゃあこれと、飲み物は水で良いか」
そうして俺達はダンジョン生活での疲れを癒す意味も込めて、二人で甘いおやつを堪能した。そしてスラくんにはもちろん魔石をあげて、ユニーにも果物を渡しに行こうか、そんな話を始めたところでやっとウスマンさんが戻ってくる。
「はぁ、はぁ、待たせた、な」
「いえ、大丈夫です。ダンジョンがなくなったことの確認は取れたでしょうか?」
「ああ、騎士達から話を聞いた。本当にこの短期間でダンジョンを潰してしまうとは……」
ウスマンさんは遠い目をして俺達から視線を外し、一度大きく息を吐き出してから顔を上げた。
「でもそうだな、国から連絡が来るほどなんだから規格外なのは当然か。取り乱して悪かった。では依頼達成報告を受けよう」
さすがギルドマスターだな。もう混乱は振り切ったようだ。
「ありがとうございます。ダンジョンは全部で十層でした。中はかなり狭い作りでしたが、たまに広い空洞があってそこには魔物がたくさんひしめいていて、そこが少し危険度が高かったですね。しかし総じてそこまで苦戦することはなく、最後までクリアすることができました。ダンジョンコアの大きさは両手でやっと抱えられるぐらいです」
「……分かった。ダンジョンの入り口が消滅しているという報告から、お前達がダンジョンを潰してくれたことは疑いようもない事実だ。依頼はもちろん達成で処理しておく」
やったな。これで報酬がもらえるし国に恩も売れるし最高だ。しばらくはのんびりできるかな。
「よろしくお願いします」
「じゃあ報酬を持って来るから少し待っていてくれ」
「分かりました。あっ、そうだ。そういえば一つ宝箱があって鑑定をして欲しいのですが、それも一緒に良いですか?」
リラのその声で俺もペンダントのことを思い出し、アイテムバッグから取り出して机の上に乗せた。するとウスマンさんは僅かに首を傾げてペンダントをまじまじと見つめる。
「見たことがないアイテムだな」
「そうなんです。なので鑑定を」
「分かった。では鑑定結果も報酬と一緒に持って来るから待っていろ」
「よろしくお願いします」
それから待つこと五分ほど。突然部屋の外が騒がしくなったなーと思っていたら、ウスマンさんがバシンっと大きな音を立てて部屋のドアを思いっきり開いた。そして大股で俺逹に近づくと、一枚の紙を目の前に掲げる。
「これを見ろ!」
「鑑定結果ですか……? えっと、身につけた者の――スキルを封じる効果があるぅ!?」
俺は声に出して読み上げながら、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。それほどに衝撃だったのだ。まさかこのペンダントにそんな便利な機能がついてたなんて。
「そ、それ本当ですか!?」
「ああ、鑑定を担当した職員は使い勝手の悪い攻撃アイテムですねと言っていたが、お前達にとっては何よりも欲しいアイテムだろう?」
「ほ、欲しいです! これは絶対に売りませんよ!」
「そんなことは分かっている。だからこうしてちゃんと持って帰ってきた」
ウスマンさんからペンダントを受け取ると、さっきまでよりもなんだか重い気がしてしまう。
「リラ……付けてみて良い?」
「うん。リョータがそれを付けたら、スキル封じは解除してみるよ」
俺はリラのその言葉に頷いて、ペンダントをゆっくりと首に下げた。そしてリラに視線を向けると……リラの表情が驚愕に歪んでいく。
「スキル封じは解除したよ! なのにウスマンさんが魅了されてないってことは……」
「本当に、このペンダントを身につけてたらスキルが封じられるんだ!」
俺にとっては神にも等しいアイテムだ。これでもうスキル封じの制限時間に追われることはないし、リラがいなくても一人で歩き回れる!
「リョータ、本当に良かったね」
「うん。嬉しいよ……リラ、今までありがとう。これからは少しリラの負担が減らせるかな」
「そんなの気にしなくて良いのに。でもこれからは出かける時も、時間を気にしなくて良くなるね。魔車が入れないところにも、長時間拘束されるお店にも行けるよ」
めちゃくちゃ嬉しいな……制限がなくなるって考えたら、行きたいお店はたくさんある。これからは少し仕事をセーブして休日を増やそうかな。
「そのアイテムのことは国に報告するが良いか?」
「もちろんです。報告よろしくお願いします」
「分かった。じゃあ報酬を渡すから受け取ってくれ」
それから俺達はウスマンさんから報酬を受け取って、ペンダントを大切に身に付けてギルドを後にした。
ウスマンさんは俺達が既に依頼を達成しているとはカケラも思っていないようで、数日前にここで会った時と全く同じ様子で声を掛けてくれた。
「そうではなくて、依頼の達成報告に来ました」
「――そうか。何か別の依頼を受けていたのか?」
リラが発した達成報告という言葉に一瞬動きを止めたウスマンさんだったけど、すぐに別の依頼だろうと納得したのか続きを促す。
「いえ、国からの依頼だった、ダンジョンコアの破壊依頼です。先ほど達成してきましたのでその報告に来ました」
「――ま、待て。もう、ダンジョンをクリアして来たとでも言うのか!?」
「はい。その通りです」
再度リラがダンジョンコアの破壊依頼を達成したと報告すると、ウスマンさんは面白いぐらいに慌ててソファーから立ち上がった。ギルドマスターの威厳が完全になくなってるな。
それにしても二日でのクリアはこんなに驚かれることだったのか……正直、強行すれば一日でのクリアも難しくはなかっただろうから、凄いことをしたっていう実感がない。
やっぱり俺の魅了スキルは凄いよなぁ。これでパッシブでさえなかったら、めちゃくちゃ最強のカッコいいスキルだったのに。
「そんなことがあり得るのか!?」
「リョータの魅了がありますから。騎士さん達も騒いでいたので、すぐにそちらからも報告が来ると思います」
「わ、分かった。確認してくるから少し待っていてくれ!」
ウスマンさんはそう叫ぶと、慌てた様子で応接室を出て行ってしまった。後に残ったのは俺とリラとスラくんだけだ。
「すぐに戻って来ると思う?」
「うん。少ししたら騎士さん達がギルドに来るだろうから」
「そっか。じゃあ……おやつでも食べて待ってるか」
「ふふっ、そうだね」
アイテムバッグの中を探ると、美味しそうだなと買った日持ちするおやつがいくつかある。俺はその中から細長いラスクのようなものを取り出した。
「これで良い?」
「あっ、それ大好き。甘くてサクサクで美味しいんだよ」
「じゃあこれと、飲み物は水で良いか」
そうして俺達はダンジョン生活での疲れを癒す意味も込めて、二人で甘いおやつを堪能した。そしてスラくんにはもちろん魔石をあげて、ユニーにも果物を渡しに行こうか、そんな話を始めたところでやっとウスマンさんが戻ってくる。
「はぁ、はぁ、待たせた、な」
「いえ、大丈夫です。ダンジョンがなくなったことの確認は取れたでしょうか?」
「ああ、騎士達から話を聞いた。本当にこの短期間でダンジョンを潰してしまうとは……」
ウスマンさんは遠い目をして俺達から視線を外し、一度大きく息を吐き出してから顔を上げた。
「でもそうだな、国から連絡が来るほどなんだから規格外なのは当然か。取り乱して悪かった。では依頼達成報告を受けよう」
さすがギルドマスターだな。もう混乱は振り切ったようだ。
「ありがとうございます。ダンジョンは全部で十層でした。中はかなり狭い作りでしたが、たまに広い空洞があってそこには魔物がたくさんひしめいていて、そこが少し危険度が高かったですね。しかし総じてそこまで苦戦することはなく、最後までクリアすることができました。ダンジョンコアの大きさは両手でやっと抱えられるぐらいです」
「……分かった。ダンジョンの入り口が消滅しているという報告から、お前達がダンジョンを潰してくれたことは疑いようもない事実だ。依頼はもちろん達成で処理しておく」
やったな。これで報酬がもらえるし国に恩も売れるし最高だ。しばらくはのんびりできるかな。
「よろしくお願いします」
「じゃあ報酬を持って来るから少し待っていてくれ」
「分かりました。あっ、そうだ。そういえば一つ宝箱があって鑑定をして欲しいのですが、それも一緒に良いですか?」
リラのその声で俺もペンダントのことを思い出し、アイテムバッグから取り出して机の上に乗せた。するとウスマンさんは僅かに首を傾げてペンダントをまじまじと見つめる。
「見たことがないアイテムだな」
「そうなんです。なので鑑定を」
「分かった。では鑑定結果も報酬と一緒に持って来るから待っていろ」
「よろしくお願いします」
それから待つこと五分ほど。突然部屋の外が騒がしくなったなーと思っていたら、ウスマンさんがバシンっと大きな音を立てて部屋のドアを思いっきり開いた。そして大股で俺逹に近づくと、一枚の紙を目の前に掲げる。
「これを見ろ!」
「鑑定結果ですか……? えっと、身につけた者の――スキルを封じる効果があるぅ!?」
俺は声に出して読み上げながら、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。それほどに衝撃だったのだ。まさかこのペンダントにそんな便利な機能がついてたなんて。
「そ、それ本当ですか!?」
「ああ、鑑定を担当した職員は使い勝手の悪い攻撃アイテムですねと言っていたが、お前達にとっては何よりも欲しいアイテムだろう?」
「ほ、欲しいです! これは絶対に売りませんよ!」
「そんなことは分かっている。だからこうしてちゃんと持って帰ってきた」
ウスマンさんからペンダントを受け取ると、さっきまでよりもなんだか重い気がしてしまう。
「リラ……付けてみて良い?」
「うん。リョータがそれを付けたら、スキル封じは解除してみるよ」
俺はリラのその言葉に頷いて、ペンダントをゆっくりと首に下げた。そしてリラに視線を向けると……リラの表情が驚愕に歪んでいく。
「スキル封じは解除したよ! なのにウスマンさんが魅了されてないってことは……」
「本当に、このペンダントを身につけてたらスキルが封じられるんだ!」
俺にとっては神にも等しいアイテムだ。これでもうスキル封じの制限時間に追われることはないし、リラがいなくても一人で歩き回れる!
「リョータ、本当に良かったね」
「うん。嬉しいよ……リラ、今までありがとう。これからは少しリラの負担が減らせるかな」
「そんなの気にしなくて良いのに。でもこれからは出かける時も、時間を気にしなくて良くなるね。魔車が入れないところにも、長時間拘束されるお店にも行けるよ」
めちゃくちゃ嬉しいな……制限がなくなるって考えたら、行きたいお店はたくさんある。これからは少し仕事をセーブして休日を増やそうかな。
「そのアイテムのことは国に報告するが良いか?」
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それから俺達はウスマンさんから報酬を受け取って、ペンダントを大切に身に付けてギルドを後にした。
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