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第一章 混沌の目覚め

原初の草原

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 混沌都市の外に出てみるとそこには草原が広がっていた。ここは原初の草原と呼ばれるフィールドで危険なモンスターが蔓延る場所である。そのせいか所々で魔術らしき火が放たれたり、何かを斬るような音が聞こえて来る。

「フィールド名は原初の草原ですか……安直ですね。」

地味に辛辣な事を言いつつ私は進んでいくと少しデフォルメされた一匹狼を発見した。どうやらまだこちらに気付いていないようなので近くの草むらに隠れつつ使える技の確認。

ABILITYアビリティ

ATTACKアタック
【格闘】
1 正拳 (SP1)

【防御】 
1 受身 (SP1)

MAGICマジック
【回復】
1 ケア (SP3)

【神聖】
1 ピリファイ (SP5)

 アビリティを使用すると通常よりも威力が出るようになる、例えば格闘スキルの正拳を使用するとしばらくの間、拳で攻撃すると威力が1.5倍になる。と言った感じでアビリティを使用する際にはSPを消費する。
 もしもがあったら大変なのでSPがまだまだ少ないため、あまり使い過ぎないようにしなければいけないと考える。

 私が格闘アビリティの“正拳”を使うと拳が淡く光り輝くそれを確認すると、草むらから飛び出す。向こうの一匹狼はまるで何か怖いものを見たかのように跳ねる。嗅覚が劣ろいているのだろうかこちらを察知出来なかったようだ。そのまま、タックルして転がしさらに狼に跨る。

その狼に容赦無くアビリティの影響で発光している拳を振り下ろす。最初は「グルルゥ」と唸っていた狼もHPが減っている事を悟ったのだろうか、「キューン」と可愛らしい声で鳴き出した。まぁ幾ら可愛くとも殴りますが


 しばらく殴り続けていると狼は力を失ったように動かなくなった。そうして私は狼を注視していると本が現れてページが捲られて行く

『RESULT』

戦闘時間:124秒

入手アイテム
【嬲り殺しにされた狼の死体】

能力アップ
【STR+2】【VIT+2】【格闘2】

ふむ、2分も掛かったのですか、原初の草原はもう少し強くなってからくるフィールドなのだろう。なにせ私のHPが18から10に減っているがその代わりにVITが上がっている。
 ただ1つだけ気になることが、【嬲り殺しにされた狼の死体】ってなんだ? 私が嬲り殺しにした事は否定しないが何故に死体? 普通肉とかになって出てくるのでは?

……そう言えばここの運営は意地汚いのだった

 前のゲームでも目の前にラスボスの城があるのに
どうやっても辿り着く事が出来ないようになっていたり、伝説の剣を見つけたと思ったら贋作で伝説の剣がもうこの世に無いことを知らされたりと実に手の込んだ周り道だと思いましたよ。
どうせこの死体を解体屋か何かで解体しないと行けないんだろ? そうじゃないと売る際のお金が少なくなるんだろ? 知ってるよ私は運営がそういう奴だってのは、実際掲示板にも書かれてるし


 まあ私の恨みは置いておいて、この狼討伐かなりおいしい、特にステータスの成長が著しい。私はSTRとVITとMNDを上げていきたいから丁度良いし、ステータスは上がれば上がるほど他のステータスが伸びづらくなるから初期の方に上げる能力を決めておかないと器用貧乏になるらしい

 そして格闘に【突進】と言うアビリティが追加された。これは正拳の別バージョンで突進した時の威力が上がるというもので正拳と違うのはノックバックがあることだ、使い道が地味に少ないが今は使える。ということで狼を発見したら突撃することにした狼が群れていても突進すれば吹き飛んでいき、落下ダメージでHPが半分くらいになり、そこに神聖魔術のピリファイだ。このアビリティはアンデットに効きやすいものなのだがそんな事お構い無しに使う
さらに魔術は範囲ダメージということで狼達は消し炭になった。

 この方法、安定性はあるのだが何せ消費SPが多い
6も消費されたら、幾ら休めば回復するからって回復が追いつかないのだ。

「むむぅ……蹴るか」

なので、蹴る事にした 蹴りは腕よりも筋肉量があるために威力があるはずだ。


「すぅ~はぁ~ よし」

 クラウチングスタートの構えをして目標の狼を捕らえると私は走り出す、狼の元まで辿り着き走った勢いのまま蹴り飛ばすと「キャン!」と鳴きながら吹っ飛んでいく
そうして頭から地面に衝突した。グキッって音が聞こえてきたのだが自分でやっていて少し可哀想になった。まぁ蹴るけど

この方法を続けていたらなかなか取れないはずの称号が取れた、【外道の信仰者】で効果は“外道”とシステムに判定されると攻撃威力が上昇するのだそう
……私はそこまで外道な事はしていないのだが、しかも無駄に強いのがムカつく、が効率は良くなったのがさらにムカつく





「ふぅ……そろそろ街に戻りますか」

狼狩りで能力がかなり上がった、その能力がこちら

STATUSステータス

HP生命力:27
SP気力:17

STRストロングス:11 (+2%)
VITバイタリティ:9
MAGマジック:4
MNDマインド:13 (+1%)
AGLアジリティ:6
DEXデックス:6
LUKラック:8

BATTLEバトル
格闘3 防御2

MAGICマジック
回復2 神聖2

ASSISTアシスト
鑑定3 識別2 武道2 身軽2 筋力2 精神1


ABILITYアビリティ

ATTACKアタック
【格闘】
1 正拳 (SP1)
2 突進 (SP1)
3 蹴撃 (SP1)

【防御】 
1 受身 (SP1)
2 反撃 (SP3)

MAGICマジック
【回復】
1 ケア (SP3)

【神聖】
1 ピリファイ (SP5)

どうやら武術系のスキルは1レベルことに1つアビリティが増えるらしい、そしてステータスは能力が上がれば上がるほどマジで上がりずらい、MNDマインドが上がってるのは回復のケアを使っていたからである。

 街に着くと私はまず解体屋に向かう。
幸い場所はマップに書いてあるので迷わずに行けたが日本語で解体屋と書いてあるシュールさを感じながら店の中に入る。
 店内は思ったよりも清潔だった、解体屋とあるのだから血が飛び散っているのかと思っていたのだが客を脅かさないためだろうか?と考察しながら受付に解体を頼む

「はい、分かりました。解体するものを出して頂けますか?」

「分かりました。」

本を取り出すとインベントリのページを開く
このページを開きながら本を物に当てるとインベントリに収納される、出すときはその文字をなぞると光となって出てくるというファンタジーな仕様だ。
 私は【狼の死体×42】を取り出そうとして手を止める、私は受付の人とは机で遮られているのだがどう考えてもこれ全部を出して耐えれそうには見えない

「……すみませんが二桁あります、狼の死体なのですが」

「え? 二桁も狩ってきたのですか、ちなみに何体ですか?」

「42体です。」

「は?」

「42体の死体」

「はぁぁ!? 42? おかし過ぎですよ! 普通そんなに倒せないですよ!あなた初心者ですよね!」

「そうなのですか……?」

「そうですよ、まあいいです。一体の解体につき100Cなので4200Cですね。」

「……そんな所持金ありませんね。」

初期の所持金は1000CでありCはクレジットと言う単位で全国で使えるらしい

「……だったら、解体スキルを覚えてみませんか?」

「どういうことですか?」

「ウチでは技能取得試験所では教えていない解体スキルを教えることになっているんです。授業料として1000C取られますがその代わり次からはお金を使わずに解体できますが受けますか?」

そう問いかけられたとき、目の前にディスプレイが表示される。

『QUEST』

分類:技能取得
報酬:【解体】 
説明:解体スキルを取得出来ます。

……説明が説明してない、まぁやりますがお金を使わずに解体出来るのはデカイ

「やります。」

「分かりましたでは奥の部屋に付いてきて下さいね。」

そう言うと解体屋は私を奥にある扉に連れて行った。





【Tips】スキルは専用施設だけでなく街の人にも教えてもらうことができる。取得するには少し苦労するが専用施設で習うよりは安く済む




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おまけ

【名前:上質な服】
【能力:成長速度+5%】
【説明:混沌都市で一般的な服装】

【名前:外道な信仰者】
【能力:“外道”判定の時、攻撃威力+10%
    ○○との遭遇率上昇+1%】
【説明:人道から外れる行為をした者】
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