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第四章 都市防衛戦の波乱
ケーオス神殿と黒呪ノ手套
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◇
カルマ一行はカフェ・ブルーマウンテンを後にすると都市の名前の通り混沌とした街並みを眺めながら歩いて行く。
実は混沌都市は未だに全貌を把握出来ていないことで有名である。まるでダンジョンのように迷いやすい路地裏や無数にあるダンジョン、9つの都市の中心にある故か様々な文化が混じり合った街並みなど本当に混沌としすぎてて現在はどれだけ手があっても足りないのだとか
この都市は4つの区域に分かれている。商店が立ち並ぶ商業区域、都市の中心部である中核区域、無数のダンジョンが入り混じる迷宮区域、都市の人達が暮らす住宅区域、そして存在は確かではないが深層区域と呼ばれる場所があるらしい
それぞれ基本的にその名前の通りに分かれている。
飽くまで基本的になので所々にその区域のものではないのが混じっているのは都市の特徴なのだろう
今回行くのは迷宮区域の【ケーオス神殿】というダンジョンである。
ここは神殿のような見た目のダンジョンであり、難易度は星5、最低でも戦闘スキルのレベルが5になっていないと攻略は難しいのだとか
なお、その攻略難度のせいかボスの脅威度も高く黒星が5つ(SL10)もあるようで完全攻略は出来ていないようだ。
そんな高難易度と言っても良いダンジョンに行くのは単に彼らが強すぎるためである。
格闘技術や変態技術がある上に厄災討伐報酬で手に入れた装備やスキルのせいでより凶悪性が増したカルマ。
同じく報酬により手に入れたランの新たな愛刀で更なる火力を得て以前よりもさらに火力特化となったラン。
報酬の装備により回復や支援がさらに得意になった上に新たな攻撃も手に入れたユリ。
カルマのストーカーとして変態技術“気配探知”から逃れるために隠密技術を磨きもはや変態技術と言っていいレベルまでになった気配遮断能力を持つクリム。
護身用として習った武術をカルマ監修の元で護身どころか相手を倒せるほどになった術を使う上にこの世界では強力な魔術を扱うアリス。
どう考えても過剰戦力であるがカルマ達は気にしない。
そしてケーオス神殿に辿り着く。
パルテノン神殿をモチーフにしたであろうデザインに圧巻されながら一行は門を潜る。
内部は大理石のような素材の壁に松明がかけられているために明るく通路の横幅は5mほどあり、天井も3mほどの高さがある。
中々に広く戦いやすそうだがそれは相手にも言えることである。
一行が静かな神殿を歩き出すと曲がり角となっている方向からペタペタという裸足で歩いているであろう足音が複数響いてくる。音を聞いた途端に戦闘態勢に入るのは流石である。
角から現れたのは原初の森林に生息する緑子妖鬼、なのだが色と大きさが違った。緑のゴブリンは小学生高学年並の身長なのだが目の前のゴブリンは違い黄色の肌に180は優に超えているであろう身長。そしてツノが緑の方よりも伸びている。
色こそイメージとかけ離れているが日本人が想像する鬼の見た目に酷似していた。
このゴブリンは黄中妖鬼と呼ばれるゴブリンの上位種である。通常種よりも狡賢く力も強いという単純に強化されたモンスターなのだ。
さてここには“黒呪ノ手套”の能力を試したくてウズウズしているカルマがいる、彼らはきっと後になって後悔するだろうカルマの目の前に出てしまったことを
「ぐぎゃっ!」
獲物を発見し喜ぶ黄色なゴブリンの剣士はカルマ達に向けて新品の鉄製の剣を斬り裂こうとする。
刃はAIG補正を乗せてゴブリンの攻撃を加速させる、さらに高速となり普通の人ならば目で追いきれないほどに速くなっているだろう、そう普通ならばの話だ。
彼には残念なことにここには異端児しかいなかった。
カルマは瞬時に“見えざる盾”を生成し不可視の盾剣に変形、そして迫り来るゴブリンの剣をパリィの要領で弾き飛ばす。
たったSP1の盾だったが勢いをつければそこらの武器などに引けを取らぬほどの強さとなる。その代わり脆弱さが目立つが些細なことだろう。
ゴブリンは己の剣技を破られた上に大事な剣を弾き飛ばされたことに唖然としていた。
もちろんそれを逃すカルマではない、クリムに何かを頼むとクリムは頷くと
「パラライズ」
ゴブリンに向けて呪詛アビリティ“パラライズ”を発動させる、この効果は麻痺である。
呪いの力により体の自由を奪われたゴブリンはバランスを崩し倒れてしまう。
カルマはゴブリンに近づくとデコピンを繰り出す。たかがデコピンと舐めてはいけない、鍛えられた者が放つデコピンはとんでもなく痛いのだ。
もちろん痛みを与えるために麻痺させたわけではない。
ゴブリンが痛みに悶えているとカルマがデコピンしたところに黒い痣のようなものが現れる。
痣はゴブリンの身体を蝕むように拡大して行き黒い紋様のようになっていく、その間に麻痺の効果が切れ始めたのか痙攣しているゴブリンは痛みを訴えるようにか細く鳴き声を漏らしていた。
身体中に紋様が広がるとゴブリンは無数の光の粒子となり消え去った。
これが黒呪の能力である。
数秒経てば体の自由を制限する呪いと最終的には死に追いやる呪いの二種類に分かれている。
これだけ見ると強そうだがこの呪いは身体の操作を制限する呪いの方はレジストされ難いのだが後者の死に追いやる呪いがレジストされやすいのだ。
さらにこの呪いは意志の薄い者に聞きやすいという効果を持っておりあまり使えない能力なのだ。
カルマの黒呪ノ手套の能力を見ると下層を目指して一行は歩き出した。
【Tips】武器攻撃値について。この値は飽くまで最大値であり、攻撃方法や技量により威力は増減する。
なおSTRにもその仕様が適用される。
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今回は黒呪ノ手套の性能紹介と新キャラの軽い説明回です。
黒呪はMNDが15以下の者に麻痺の呪いを与え、5以下の者には死の呪いを付与します。
正直使えるものではないのですがこの手套には呪詛吸収があるので防御としては使えます。
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