千円交渉

徹頭徹男

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コンビニ

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千円で何でも交渉成立だと?そんなんできたら誰も苦労しないわ。
と無駄にツッコミながら、木村はいつものコンビニへ向かった。

最近はコンビニ飯が高い。飯と酒とつまみをちょこちょこっとカゴに入れたつもりが、余裕で千円を超えてしまう。世知辛い世の中だ。

「お会計は1248円になります。」

やはり超えたか。馬鹿になって言ってみる。

「あの~これって千円になりませんよね?」

「はい、大丈夫ですよ。」

は?何言ってんだこいつ?いや、交渉したのは俺だし、店員の名札には研修中と書いてはあるが。

「じゃあ…」

千円札を差し出すと店員は受け取り笑顔で

「ありがとうございました~」

と言った…こっちがありがとうだよ。カウンターから離れようとすると、奥で見張っていたらしい店長格が急いで出てきた。

「ちょっと何してんの?お客さん~?」

やばい。怒られる。

「いくら精算が自動化されてるって言ったって、ちゃんとモニターの金額見なきゃ。あと現金は直接受け取らず、キャッシャーに入れてもらわなきゃダメでしょ?」

店員の未熟さのせいにされている。よかった。

「すいません。私もぼーっとしていまして。」

「いや、お客さんは悪くないですよ。」

研修中の店員は終始、不思議そうな顔をしていた。
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