カレイなる日々

隠井迅

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直近にアップしたエピソード(一か月置いた後、以下の章に組み込み、アーカイヴ化)

遠029(529)匙 昭和感漂う広島のカレー専門店:サン・カレー(広島県広島市八丁堀)(26.01.11UP) 

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 広島駅から、路面電車を使えば約十分、徒歩では約二十分の所に『広島PARCO(パルコ)』が建っているのだが、その九階に入っている「タワーレコード」での用事を済ませた書き手は、建物を出るや、手に持つスマホの地図アプリの検索項目に、シンプルに「カレー」と打ち込んだ。
 前泊地の名古屋から広島まで、普通列車を五度乗り継ぎ、約十時間・五三〇キロかけて移動してから、銀山町の宿にチェックインし、パルコでの用事を終えたこの時点まで無食の状況だったので、さすがに空腹も限界を迎えつつあった。
 ところで、ノー・プランだった書き手は、そのパルコから近い、どこかでカレーを食さんと欲した。だが、ふと画面から目線を上げると、視界にカレー店の看板が入ってきたのだ。
 これはもはや運命、その濃い茶色地に、赤系の文字で「SunCurry」(サン・カレー)と書かれた、その店にて、この日最初の食事をとる事にした次第なのである。

 「サン・カレー」さんは、買い物客でにぎわう、広島市を代表する商店街に近接しており、その近代的な商店街やパルコとの対比もあって、逆に非常に目立っていたのだが、「サン・カレー」さんの外観から受けた印象は〈昭和〉であった。
 外から覗いてみた、カウンター席と幾つかのテーブル席から成る店内の印象も、その外観に反するものではない。店外にはメニューと値段の一覧表があって、最安の品は五〇〇円以下、最も高い物でも千円をちょっとオーバーするくらい、価格も実にお手頃で、書き手は千円札一枚と銀貨を手に、この店に入ってみる事にした。

 注文は券売機方式で、ぱっとみたところ、交通系やコード決済には対応してはいない〈現金〉オンリー・タイプであった。まあ、券売機だけ近代化していたとしたら、せっかくの昭和感が台無しだったであろう。

 とまれかくまれ、この日一食目だったという事もあり、書き手は、ビーフカツカレーを〈大盛〉で注文した。やがて、注文した品は五分もたたずにカウンター席の書き手に提供された。

 やや深めの白い皿の左側には大きく盛られた白いライス、その上にトッピングのビーフカツ、右半分にカレーが注がれていた。カレーには固形の具は入ってはおらず、試みに銀の匙で掬ってみると、カレーはサラッサラで、トロミが殆どない、いわゆる〈シャバシャバ〉系であった。

 さて、もちろん、食べ方は人それぞれであろうが、シャバシャバなカレーの場合、カレーの方にライスを浸して食べる方を書き手は好む。ただし、食べ方のバランスをミスると、カレーの方が残って、サラサラなカレーをスープとして飲むハメになるので、その点は注意だ。

 この店は、甘口・中辛・辛口などを選ぶスタイルではなく、辛味は一律で、その辛さは然して刺激的ではなく、つまり、老若男女、万人受けするような印象で、この点もまた〈昭和〉っぽい印象のカレー専門店の所以であろう。

 後日、店について調べてみたところ、その創業は〈一九六二〉年、つまり、昭和三十七年、半世紀どころか既に六十年を超えており、書き手の〈昭和〉感という第一印象はまさに直観的であった分けだ。

 いずれにせよ、これだけの年月、店を維持できているのは、繁華街に近接している事だけではなく、広島市民一般に愛され続けている万人受けの味がその理由になっているのではなかろうか。
 ところで、店ではハーフ・サイズの提供も行っているので、食べ歩きや、一軒目のランチで量が物足りない場合など、多様な訪店方法もできよう。

 ちなみに、二〇二六年は少なくとも二回、書き手は広島を訪れる予定になっている。

〈参考資料〉
〈WEB〉
 「サン・カレー」、『食べログ』、二〇二六年一月一日閲覧。

〈訪店データ〉
 二〇二五年十二月二十八日(日)十八時
 サン・カレー:広島県広島市八丁堀
 ビーフカツカレー・大盛:一〇五〇円(現金)
 辛さレヴェル:一(〈一〉は書き手の主観で辛さをほぼ感じないレヴェル)
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