ひと回り年下の男

椋のひかり~むくのひかり~

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1話 お互いにモチベーションが低い初面談

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彼と初面談の約束の日が来た。
さちこが家を出る頃 彼から連絡がきた。

「ごめんなさい。間に合わないかも。。。」

ドタキャンしたいのか、待ってて欲しいのかわからなかった。
さちこはそもそも行く前から既にテンションは上がっていないし
キャンセルするなら早く言ってほしいぐらいに思っていた。

「お疲れ様~何時頃になりそう?そっちの近くまで行こうか?」
「(彼の自宅の最寄駅に)頑張って19:00って感じです。」
「今からそっちに行ってもいいけど
もし今日はキャンセルのが良かったらそれでもいいよ。
どうする?」

しばらく返信がないので
「やっぱり今日はやめとこうか」
と文字を打っていたら返信がきた。

「せっかくの機会だから。。。
こっちの駅で少しお話しませんか?
ご足労おかけいたします。」

(げ!マジか!
ってか、せっかくの機会って言い方、なんか引っかかる。)

てっきりドタキャンするのかと思っていた。

「わかった。
今からだと19:15に駅に着く予定です。
また着いたら連絡するね。」

「すみません。ありがとう。」

仕方ないので渋々家を出た。
今日は朝からモヤモヤしていたから
気を紛らわすためにも外出することにした。

彼と会っている間は余計なことも考えずにすむだろう。
前向きな気分になることだけに集中していた。

電車に乗っていると彼からラインがきた。

「出張帰りで顔がすっごい疲れてます。許してね。」

「お疲れのところ時間作ってくれてありがとう。
若いから大丈夫だよ。それより私のが心配。
予定通り19:15に着くと思うけどどの辺に行けばいいかな?」

「たしか出口にカフェがあるのでその前で。」
「了解です。白のコートです。」

「赤のコートです。」

(赤?出張帰りで?)

「OK」
「冗談よ。」

(やっぱりね。)

駅に着いたがカフェは見当たらなかった。

「駅に着いたけど出口にそのカフェ見当たらないよ。
そのカフェってここかな?」

スクショした地図を添付した。

「逆か そちらに行きましょう?」
「うんお願いします。
改札口出てエスカレーター降りたところ。」

今いる場所の写真を撮って添付した。
すでにイラつき始めていた。

「はい。」

あたりを見回してると青いスーツを着た彼が近づいてきた。
写真よりもスリムでいい男に見えた。

お互い会釈をしながら近づいた。

「こんにちは~。」
「こんにちは~。」
「すみませんね。」
「いえ、こちらこそ来てもらってすみませんね。」
「ここ来るの初めてですか?」
「えーっと、3回目です。」
「そっか。あまり用事ないですもんね。」
「まあ、はい。」

エスカレーターを降りるとすぐカフェが見えた。

「あ、すぐ目の前ですね。」
「そう、ここ。」
「こんなにわかりやすいところだったのにすみません。」
「入りましょうか。」
「はい。」

セルフサービスのチェーン店のカフェに入った。
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