鈴木亮平似のキン肉マン

２話 初面談で遅刻してくる男

とりあえず2日後ランチの約束をした。
前日は筋肉バカのFBやら筋トレYouTube、
韓流ドラマにハマっているとかで
それ関連のURLを何件も連続で送ってきた。

まずライン交換した時点で49歳の男が
まだ会ってもない女にスヌーピーのスタンプはどうかと思ったが、
その不安が的中しそうな予感がした。

とりあえず、風呂に入る前にラインがきたが
無視して風呂に入ると１０件のメッセージが追加できていた。
そのうちほとんどは興味のないYouTubeのURLで
「また今度みるね～」と当たり障りのない返信をしたが
しばらく返信がないので「また明日話そうね。おやすみ。」と送った。

それから数分後、嵐のようにメッセージが次々と連続で送られてきた。
「おやすみ」と送ってるのにそんなに送る必要あるか？
チラッとみるとやはり興味のないURLのオンパレードで
もちろん未読のまま機内モードにして就寝した。

翌朝、なんとなくテンションが上がらなかったが
とりあえず先週の新規面談よりはマシな気がしたので
縁切り神社に参拝した後の出会いなので
何かしらいいご縁なのかもしれないとわずかな期待をして出かけた。

電車に乗っていると5分から１０分ほど遅れると連絡が入った。
さちこは10分前には着く予定だったが駅のトイレでゆっくり化粧を整えて
待ち合わせ場所に向かった。

12時になったのでラインを送った。
「着いたよ。ゆっくりでいいからね。気をつけてね。
白の半袖にピンクのスカートです。ビルの入り口前にいます。」

（初対面で10分の遅刻って本当にムカつく。
カフェで待ち合わせにすればよかった。それにしても暑い。）

10分外にいるだけでも暑くてテンションが下がり始めていた。

スマホをいじっているとマスク姿の彼がビルの中からこちらに向かって来た。

写真と一緒の顔だったのですぐにわかった。

思っていたよりスリムで好みの体型だった。

「こんにちは。」
「こんにちは。」

初対面で「あ、いいじゃん」とテンションが上がったのは久々であった。

しかし昨日のライン攻撃は鬱陶しいし、
中身がどんな男かよく観察するまで結論を急ぐまいと思った。