上 下
1 / 25

1話 顔がタイプでない男

しおりを挟む
さちこは一旦自分の写真をプロフィールから消していた。 
彼もプロフィールの顔写真が掲載されていなかったが、 
このサイトを紹介してくれた友人が 
「顔を掲載していない男の方がイケメンの確率が高い」 
と言うので、試してみることにした。 

彼のプロフィールは、 
・年齢:さちこの一つ年下 
・職業:IT会社経営者 
・身長:185cm、 
・結婚15年目、3児の父親 
・趣味:料理、美味しいお店を探して食べに行くこと 

彼はさちこの持論からするとプロフィールに 
やや課題が残るもののコメントもあっさりしていて 
性格はまともそうなのでいいねを押した。 

数日後いいねがきたので 
珍しくさちこからメッセージを送った。 

「いいね返してくださってありがとうございます。 
よろしくお願いします。」 
「いいねありがとう。 
自分は東京の都心の方に住んでるのですが、 
週に一回はそっち方面に行くので、 
近ければ嬉しいです。」 
「まあまあ近いです。」 
「帰りに寄れる場所です。 
平日昼間にお時間取れるの良いですね。」 
「そうですね。良かったです。」 
「そのうちランチできると良いですね。 
写真交換などしませんか?」 
「写真交換いいですよ。 
タイプでなかったら構わないので 
一言お願いします。」 

最新の写真を送った。 

彼も写真を送ってきた。 

「写真ありがとう。 かわいい方ですね。
自分はこんな感じです。」 
「お褒め頂き光栄です。 
ありがとうございます。 
お写真ありがとうございます。 
優しそう&賢そう&面白そうですね。 
素敵です。」 

彼はセサミストリートのバートのような髪型で 
顔もさちこの好みのタイプではなく、 
可もなく不可もなくコメントしづらい顔だったので 
困った時の無難ワード<素敵です>を使った。 

「褒めていただきありがとうございます。 
うまく説明しづらいのですが、 
悦子さんの目の感じがすごくタイプです。 
早くランチとかできると嬉しいです。」 
「ありがとうございます。 
目は笑うとなくなるとよく言われます。笑 
実際お会いして気に入ってもらえるといいな。 
ランチ行きましょう。 
私は今週金曜日空いてますがご都合いかがですか?」 
「嬉しい。ありがとうございます。 
金曜日、前後に予定があるので 
そちらまで行けませんが、 
新宿とかに来てもらえるなら大丈夫です。」 
「新宿大丈夫です。」 
「では、 
〇〇という加賀料理のお店はいかがでしょうか? 
11:30待ち合わせだとありがたいです。」 
「お店選んでくださってありがとうございます。 
和食好きなので嬉しいです! 
11:30大丈夫です。 
お店の前で待ち合わせでよろしいですか?」 
「はい。お店の前で待ち合わせしましょう。 
お会いできるの楽しみにしています。」 
「了解です。ありがとうございます。 
楽しみにしています。」 
しおりを挟む

処理中です...