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俺はこんな旅、経験したことはないな!笑
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俺はただ、道なき道を進む。追い求めてやまないものがこの先にあると信じて。
暗い雑木林に知らないうちに飲み込まれてしまったわけだが、先に神秘的な光が見えた気がしたのだ。
ほんの一瞬ではあったが、何か逃したら一生後悔をしてしまう………そんな気に駆り立てられながら、闇の中へと放られてしまったのだ。
オーロラか何か…そんなのなら幾度もこの目で見てきた。充分に神秘的ではあるが、それとはまるで違った。数々の旅を経験している俺でも、こんなにも惹かれるものがあるのかと目を離すことは出来なかったのだ。
「あぁ、また……?」
光は再び現れる。示されたように思って、また歩みを始める。幾分か歩いて行くと、光は散り散りに、消えていく。
幾度も繰り返されて段々と面倒になり始めた。だが、ここで歩みをやめても簡単には引き返せない。
同じような景色に飽きがくる。しかしまた、どこまで続くのか。大分前にそれを見つけたはずだというのに、光度は一向に変わらない。周りにも深い緑がその奥には闇が広がるだけ。
普通じゃないことくらいは分かる。だからこそ好奇心が先行する。そういったところにこそ面白いものはあるのだと、何もなくたって別にいいじゃないか。冒険ってそういうことだろう?
だが、遊ばれてる気がする。見つけたらいたずらくらいさせてくれ!顔に落書きするとか、そういうかわいい感じのでかまわないからさぁ……。そのくらい許してくれ。頼む。
そんなくだらないこと考えながらひたすら進んでいくと、キュウ…と鳴き声が聞こえた。
「狐か…?」
そういえば動物とか虫とか何もいなかった気がする。ゴチャゴチャとつるが伸びきっていたりするにも関わらず、だ。やはり普通じゃない。
動物たちを追い払う理由などないだろう。人なんか当然暮らせるようなところでもないし、燃やしさえすれば開けた場所だってあるはずだ。
無い。そんなものは。あるのは緑と闇。いたずらな光。声の主も姿は見えない。
「いい加減疲れてきたぞ……」
その辺にあった木に体ごともたげて、めくれた木の皮をペリッと引き剥がす。すると、何か勢いよく飛び散ってきた。
「……わぁ、なんだこれ」
きらきらと輝く雫。この暗さでもはっきりと輝くそれは、ふわっと甘く香ばしい香りで辺りを満たしていく。
その匂いが不安だった心をほぐしていく。
単純に喉も腹も限界だったからかもしれない。恵みに感謝してしたたる蜜をすすり始めると、急に頭にゴツンと衝撃を喰らった。
「何をしている」
不気味な低い声が静かに怒りをぶつける。
「ヒッ……?!」
「勝手に引っ剥がして喰ろうたなお前。我が玉体に傷を付けようというのか」
目の前には真っ黒なローブに身を包まれた男が立っていた。恐ろしい形相(に見えた)で問い詰める。
「……まぁ、いい。物好きな人間もおるものだ。しかし見るからに消耗しているように思う。此度の無礼は許してやろう。」
「ありがとうございます…?」
助かったのか?
「そのままではろくに帰ることも出来なかろう、案内してやる。ついてくるがよいぞ」
「え?うわぁっ?!」
ローブの男からかざされた手から閃光が放たれた瞬間、俺の体が宙に浮き、そのままぐるぐると回りながら何処かへ飛んでいった。
暗い雑木林に知らないうちに飲み込まれてしまったわけだが、先に神秘的な光が見えた気がしたのだ。
ほんの一瞬ではあったが、何か逃したら一生後悔をしてしまう………そんな気に駆り立てられながら、闇の中へと放られてしまったのだ。
オーロラか何か…そんなのなら幾度もこの目で見てきた。充分に神秘的ではあるが、それとはまるで違った。数々の旅を経験している俺でも、こんなにも惹かれるものがあるのかと目を離すことは出来なかったのだ。
「あぁ、また……?」
光は再び現れる。示されたように思って、また歩みを始める。幾分か歩いて行くと、光は散り散りに、消えていく。
幾度も繰り返されて段々と面倒になり始めた。だが、ここで歩みをやめても簡単には引き返せない。
同じような景色に飽きがくる。しかしまた、どこまで続くのか。大分前にそれを見つけたはずだというのに、光度は一向に変わらない。周りにも深い緑がその奥には闇が広がるだけ。
普通じゃないことくらいは分かる。だからこそ好奇心が先行する。そういったところにこそ面白いものはあるのだと、何もなくたって別にいいじゃないか。冒険ってそういうことだろう?
だが、遊ばれてる気がする。見つけたらいたずらくらいさせてくれ!顔に落書きするとか、そういうかわいい感じのでかまわないからさぁ……。そのくらい許してくれ。頼む。
そんなくだらないこと考えながらひたすら進んでいくと、キュウ…と鳴き声が聞こえた。
「狐か…?」
そういえば動物とか虫とか何もいなかった気がする。ゴチャゴチャとつるが伸びきっていたりするにも関わらず、だ。やはり普通じゃない。
動物たちを追い払う理由などないだろう。人なんか当然暮らせるようなところでもないし、燃やしさえすれば開けた場所だってあるはずだ。
無い。そんなものは。あるのは緑と闇。いたずらな光。声の主も姿は見えない。
「いい加減疲れてきたぞ……」
その辺にあった木に体ごともたげて、めくれた木の皮をペリッと引き剥がす。すると、何か勢いよく飛び散ってきた。
「……わぁ、なんだこれ」
きらきらと輝く雫。この暗さでもはっきりと輝くそれは、ふわっと甘く香ばしい香りで辺りを満たしていく。
その匂いが不安だった心をほぐしていく。
単純に喉も腹も限界だったからかもしれない。恵みに感謝してしたたる蜜をすすり始めると、急に頭にゴツンと衝撃を喰らった。
「何をしている」
不気味な低い声が静かに怒りをぶつける。
「ヒッ……?!」
「勝手に引っ剥がして喰ろうたなお前。我が玉体に傷を付けようというのか」
目の前には真っ黒なローブに身を包まれた男が立っていた。恐ろしい形相(に見えた)で問い詰める。
「……まぁ、いい。物好きな人間もおるものだ。しかし見るからに消耗しているように思う。此度の無礼は許してやろう。」
「ありがとうございます…?」
助かったのか?
「そのままではろくに帰ることも出来なかろう、案内してやる。ついてくるがよいぞ」
「え?うわぁっ?!」
ローブの男からかざされた手から閃光が放たれた瞬間、俺の体が宙に浮き、そのままぐるぐると回りながら何処かへ飛んでいった。
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